2011年12月18日

2011年12月11日の更新状況

2011年12月11日の更新状況
『魚話その190』をアップしました.


2011年12月10日の更新状況
『魚話その189』をアップしました.


2011年12月07日の更新状況
『旅モノその38』をアップしました.


2011年12月05日の更新状況
『魚話その188』をアップしました.
旅モノの続きも,もうちょいしたらアップします.→アップしました.

2011年10月26日の更新状況
『魚話その187』の文章を加筆修正しました.文章の語尾やイントロの修正で,手法自体に変更はないです.


2011年10月21日の更新状況
『魚話その187』をアップしました.


2011年10月19日の更新状況
『旅モノその37』をアップしました.


2011年10月16日の更新状況
『旅モノその36』をアップしました.



































ご意見・ご感想・タレコミ等お待ちしております。
なんでもいいんで(前向きな)レスポンスがほしいです。
※ご指摘受け付けますが、できればソース込みでお願いします。
あと、公開していいネタをお願いします。











2011年12月11日

魚話その190 リアルタイムじゃないホネ取り(サメの頭部骨格標本)〜その1〜

注意!
・解剖の描写があるので,ご注意ください.
・本文中に『一般入手できる』というニュアンスの記述がありますが,一般家庭での作業を推奨する意味ではありません.
・高校や大学の生物系サークルなど,大型専門機器の購入が困難ではあるものの,しかるべき施設と知識を持った人が対象です.
・ホルマリンを扱うので,その処理方法が確立している方々を対象としております.
・ポリエチレングリコールとエチレングリコールは別物です(危険度も).
・現在も試行錯誤中の手法であることにご留意ください.
・最初のうちは入手が容易な種の,特に顎(頑丈かつ歪みやすいなので)を使って試されることをお勧めします.
・本件での事故や貴重なサンプルの損傷は一切責任を取れません.



最初に前回の補足.
今回の手法が試行錯誤中であることは何度も書いているが,サイズ制限の話を書き忘れていた.
サメのサイズ大きくなるほど薬品の量が増えるのは想像に難くない.
『魚話その187』で述べたように接着剤が使えないため,分割して処理をするのが難しいのだ.
薬品節約のため,耐熱ビニールに入れる等の対処法を試したが,ちょっとした手違いで圧迫され,吻軟骨と鼻殻が曲がってしまった.
結局きちんとした容器を用いる方が無難だ.
また,種によっては華奢なパーツが多い場合もある.
そういった種では,液交換時に収縮・変形することがあった.
それでも,ただ風乾するよりは歪みが少なかったのだけれど…

前置きはここまで.
さっそく実際の作業に移ろう.
ホルマリンに浸す前までの手法は,一般的なサメの顎取りにも応用可能だ.
用意するのは,100℃まで測定可能な温度計とお湯.
全長1.5m程度のサメまでは,上記の2つでホネ取りの90%はなんとかなった.
それ以上のサイズとなると,サメ本体のサイズがかなり巨大になり自宅の冷凍庫には収納不可能なため,未経験.
イタズラに大きくすると,以降の作業で必要な薬品の量もコストもバカにならないので,サイズはあまり欲張らない方が良い.
これに加えて眼科剪刀(先反り)とピンセット,スパチュラ(調色スティック)があれば完璧だが,似たようなもので代用可能だ.


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図1.用意する道具と手頃なサイズのサンプル @眼窩剪刀,Aピンセット,Bスパチュラ,C温度計


まず60〜65℃の熱湯を用意し,サメの頭を浸す.
この温度が結構大事で,これより低いと除肉ができず,高いと肉や骨格を通じて歯の根元が熱くなり歯も抜ける.
歯が抜けてしまうので,首元→背中→側面→吻部という順番で歯を避けるように浸す(図2).


sb19002.jpg
図2.湯引き処理の様子 a)首元,b)側面,c)吻部


いずれの部位も5〜10分程度で皮がブルブルになるので,これを爪やスパチュラでこそぎ落とす(図3).
軟骨を傷つける恐れがあるため,この段階ではハサミは極力使わないようにすること(刃物を使わなくてもこそぎ落とせるくらいに加熱処理してある方が,綺麗に仕上がる).
やむを得ずハサミを使用する場合は,剥がれたウロコを必ず流水ですすいだ後にしないと刃がボロボロになるので注意.
所要時間は1時間ほど.
慣れればもう少し速くできる.


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図3.除肉の様子 a)湯から上げた直後,b)スパチュラでこそげ落としている様子,c)除肉がさらに進んだ様子,d)スパチュラによる除肉終了の目安 (クリックで拡大)


視神経や腱を残すのみとなったら,ハサミの出番(図4).


sb19004.jpg
図4.ハサミによる除肉開始の目安(図3dの流水洗浄後)


置換歯を隠している歯茎や,口蓋の皮や肉を切り取る.
PEG処理では乾燥による収縮が少ないため,取り残した肉の凹凸がそのまま残ってしまう.
接着剤が効かないので交連状態を維持する必要があり,腱や一部の肉を残さねばならない.
切って良い肉か否かを慎重に判断しよう(図5).


sb19005.jpg
図5.注意すべき部位(仰向け姿勢で撮影) a)頭蓋骨と上顎を繋ぐ腱(種類によって繋がり方が異なる)と吻軟骨,b)口唇軟骨


自己満足の世界ではあるが,前述したように除肉後の形状がそのまま残るので,納得するまで作りこんで欲しい.
穴の除肉には歯間ブラシなども便利だ.


sb19006.jpg
図6.見落としがちな部位 鼻殻の内部(黄色矢印),顎関節(青矢印),眼窩の穴各種(赤矢印)


表面に残った肉は刃物を使うよりも,キムワイプなどで拭いてやると綺麗に取れる.
気が済んだらペーパータオルを使って口を開いているようなポーズに整える.
歯が抜ける可能性があるので,舌と口蓋の部分(歯よりも少し咽寄り)にペーパータオルをあてがう方が良い.
ホルマリン原液の20倍希釈液に浸し,本日の作業は終了(図7).


sb19007.jpg
図7.ホルマリン処理 a)ポーズの設定,b)ホルマリンに浸している様子 
※機材の関係上,除肉が不完全な状態で撮影してしまったが,実際にはもっと除肉してからホルマリン固定した方が良い.


本日の魚
ドチザメ:Triakis scyllium Müller & Henle, 1839
posted by osakana at 14:37| 埼玉 雨| Comment(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月10日

魚話その189 リアルタイムじゃないホネ取り(サメの頭部骨格標本)その0 〜予備情報〜

●軟骨標本作製に必要な情報など


過去に『リアルタイムホネ取り』と題し,魚の骨格標本作成法について紹介したことがある.
あれは硬骨魚類が対象で,基本的には四足動物と同様である.
今回は軟骨魚類の骨格標本作成法の様子.
何度も触れているように,軟骨魚類の骨は水分などの揮発性物質が多く,乾燥とともにひしゃげてしまう(図1).


sb18901.jpg
図1.乾燥に伴い歪んでしまったドチザメの顎(スケールバーは1cm) a)左前方,b)下顎腹側 下顎後端は通常ここまで反り返っていない


その歪みを改善したので,速報的に紹介したのが,『魚話その187』
ただし,現在も試行錯誤中の手法であり,また,一般家庭では夏場の高温多湿を乗り切れるのか不明なのが問題だ.
また,僕が個人入手できるサメは現状ではせいぜい全長1.5mが上限である.
使用する樹脂はそれほど頑強ではないので,大型のサメや華奢な構造物には強度が足りないかもしれない.
しかし,僕が軟骨用に簡略化アレンジしたことを除けば,考古学などではすでに当たり前の手法である.
僕自身は秘密にする気は無いので,皆が楽しめればよいなぁ…と思い公開しているのだが,注意点もある.
一つは特許との絡み(後述).
もう一つはホルマリンなどの薬品を使うので,ドラフトや廃液回収などの設備が整った少なくとも高校の実験室レベルの施設を想定していること.
したがって,該当しない人はただのブログとして読み飛ばして欲しい.
個人で試して事故が発生しても一切責任を取れない.
とりあえず今回は序章として,標本作製に必要な周辺情報をば.


・大まかな原理
キーとなるのはポリエチレングリコール(以下PEG)という水溶性の高分子.
水溶性で,乾燥するとカチカチになる.
また,溶解度が高く(図2),融点が60℃ちょいと低いのも特徴だ.
この物質を使った処理の概略が図3となる(フローは『魚話その187』の図1).


sb18902.jpg
図2.PEG 4000が溶ける様子 a)1リットルの60%(w/v)PEG溶液用に用意したPEG 4000の顆粒,b)水を加えて半日後,c)1日後


sb18903.jpg
図3.軟骨標本作製の概要 a)風乾,b)エタノール脱水(有機系樹脂への置換のに必須な前処理),c)PEG処理


・骨格の部位の名称
サメの骨格標本は水族館でも目にする機会が少ないせいか,骨格の名称が硬骨魚類ほど詳細に掲載されているサイトが見つからなかったので描いてみた(図4).


sb18904.jpg
図4.ドチザメの頭骨(左前方より) a)防歪処理済みの頭骨,b)各部位の名称(スケールバーは1cm)


いろいろ名称を書いたが,とりあえず覚えておいて欲しいのは吻軟骨,鼻殻と口唇軟骨.いずれも成功or失敗の指標となる,標本作製のキーパーツだ.


・特許との絡み
毎回書いているのは,僕が法律に疎いため.
『よろしい,ならば勉強だ』といきたいところだが,どこから手をつけてよいのかがまったく判らない.
高校や大学の部活動で学会や公的イベントで発表した際に一悶着あったとしても,『学校だから例外』として認められるのかが僕にはわからない.
なので,とりあえず僕が公開されている手法から解釈していることを書いてみたいと思う.
1.PEG処理の下準備に凍結乾燥する(染み込みやすくなる手法)
2.PEG溶液を減圧して浸透させる(染み込みが速くなる手法)
3.PEG処理した標本を凍結乾燥する(形を崩さないように速やかに乾燥させる手法)
4.乾燥したPEG処理済の標本を加熱処理する(染み込んだPEGを頑丈にする手法)
この1〜4をやるとNGになると僕は理解している.
創意工夫はとても大事だと思うのだけれど,特許になっている以上は十分気をつけて欲しい.
また,この手法自体は特許庁から短い和文で公開されているので,原文をぜひ読むべきだ.
僕の素人解釈を鵜呑みにして共倒れになる可能性は高い.


…長々と書いたが,次回から実際の作業紹介に移りたいと思う.


本日の魚
ドチザメ:Triakis scyllium Müller & Henle, 1839


参考文献
新魚類解剖図鑑 (木村清志,緑書房)第1版,P72
生物起源のものの標本作成法法(特開平10−287501)付属資料
posted by osakana at 00:42| 埼玉 雨| Comment(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月07日

旅モノその38 管理人の一番長いホネの日 その6 プレゼンヌ

2日目.
最終日でもある.
今回忙しい中2日間も手伝ってくれたMさんや,遠くからわざわざ見に来てくれたO先輩など,久々に会った人も多く,ちょっと懐かしい気分になったりもした.
脳内では既にスタッフロールが流れているのだが,午後に講演を控えていたため,まだまだ終了モードではなかった.
余りにもみっともない発表をしたら,声をかけてくれたなにわホネホネ団のニシマキ団長に申し訳ない.
そんな思いを胸に秘め,二日酔いと戦いながら,展示スペースの裏でコソコソとスライドをいじっていた.
ちなみに『もう使ってる人なんていないよね〜?』とGIZMODEでは書かれているが,一世を風靡したネットブックEeePC901Xは我が家ではまだ現役.
このPCのおかげで様々な発表やら論文やら就職に巡り合い,十分元を取った気はするが,手持ちのPCの中で最も起動が早い(でも非力)ので,現在も第一線で活躍中なのである.

脱線した.
そんなこんなでギリギリまで準備し,いざ発表.
職場や学会などでプレゼン自体は頻繁に行っているのだが,趣味の活動ではこれが初めてである.
しかも骨格標本自体は『魚が好き』という趣味の一環で手を出しているだけなので,本業とも全く縁がない.
場合によっては『あの坊主,なんで当たり前のことを喋っているんだ?』と思われる可能性も高い.
その旨を断った上で,魚類の骨格標本作製で自分が試していることを15分ほど話した.

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発表会場(発表会前なので人は少なめ)

幸いにも質疑応答セッションが無かった(実はあった)ため,あまりボロを出さずに済んだと信じたい…

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『骨の学校』でおなじみのミノルさんの発表


講演後に残された数時間の接客をこなし,無事サミットは終了.
結局最後まで『素人魂の管理人です』とカミングアウトすることなく終了した.
まぁ言ったところでこのブログを知っている人はほとんどいないのだけれど…

館内放送では,2日で11000人の来場とのこと.
実際は常設・企画展での人数カウントなので,そこからホネホネサミットに流れてくる人数が何割なのかは不明だが,北海道や沖縄からの人々とも話したことから察するに,この日のために骨密度の高い人々が終結していたとは確かだ.
第3回があれば,ぜひとも参加したいところである.


〜おまけ〜

展示の合間を縫って見てきた魚関係のブースおよび入手した物品をいくつか.
※ブログ掲載の許可を取り忘れたブースがあるので,そちらは念のため掲載を控えた.

GALVANIC

毎度おなじみ骨オヤジ氏のブース.
いつもは客として遊びに行っているのだけれど,今回は同じ出展者として参加.
新作のマタマタが非常に気になったのだが,配付資料の印刷や製本で懐に余裕がなかったため我慢.

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ブース

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マタマタの全身骨格

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頭部アップ

ささっと展示の準備を完了する骨オヤジ氏たちは,やはり『プロ』.
普段見る展示台の一つ一つに工夫が込められており,驚くことばかり.
勉強させてもらいました.


Skulltula & はにわ屋工房
ワンフェスでも何度か購入したことがある,この方々.
フィギュアの対象が個人的にはかなりツボ.
今回はブースが隣だったので,いろいろお話も聞かせて貰うことができ,非常に楽しい3日間を過ごすことができた.
実は骨オヤジ氏経由で,今回はSkuultulaの中の人に資料を提供したりもしている.
裏ではいろいろなネットワークがあるようだ.
配布誌の校閲を手伝ってくれた後輩に頼まれていたので,ワンフェスで見つけたカメレオンの骨格をもう一つ購入.
新作のヒラメの骨格標本をいただいてしまった.
感謝.

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いただいたヒラメ骨格(Skulltula)

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後輩に土産で買ったカメレオン骨格(Skulltula)

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カラス骨格(Skulltula)

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ペンギン骨格(Skulltula)

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カエル骨格(Skulltula)

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コキジバト骨格(はにわや工房)

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ウシガエル骨格(はにわや工房)

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アマガエル骨格(はにわや工房)

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アマガエル骨格・透明樹脂の肉体付き(はにわや工房)

いずれのフィギュアも5センチないくらいのサイズ.
アマガエルに至っては2センチほど.
匠の世界である….


Skull!Skull!Skull!

web上で何度か情報のやり取りをしたことがあるLoki:君が参加していたので,挨拶に.
ヤツメウナギの骨格を出してくるとは思わなかった.
プライベート用の名刺を渡したところ,『うふぉ!和漢三歳図絵っすね!』と即答.
ホネと古文献蒐集が被っており,近い将来またいずこで会うような気がしてならないワカモノであった.

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ヤツメウナギの骨格(液浸)

さりげなく展示している骨格のラインナップが曲者揃い.
トラザメの全身骨格やウツボの頭骨+咽頭骨,ヤツメウナギの骨格など,普通の人はやりません…


アクアトトぎふ
実は今春開催された魚の骨格標本のワークショップ『ホネホネ合宿IN岐阜』に参加予定だったため,久々の再開となるはずだった人々でもある.
残念ながらこちらの体調不良により欠席してしまったので,今回が初対面.
本当はこちらから挨拶に行こうと思っていたのだが,なにわホネホネ団のニシマキ団長が連れてきてくれた.

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ピラルク頭骨

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ソウギョ全身骨格

水族館のメリットを活かしたラインナップで見応えがあった.
ピラルクの頭骨が個人的にはお気に入り.
いつかやってみたいところだけれど,問題はどうやって入手するか…


S君のブース
沖縄より参加した,S君のブース.
オニダルマオコゼの頭骨が見事すぎる.
『歪みを最小限に抑えるためには,交連状態(つながっている状態)をいかにキープするかがキモ』と主張するS君はまだ大学1年生.
将来が恐ろしいワカモノである.

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ブース

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オニダルマオコゼ(側面)

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オニダルマオコゼ(正面)


そういえば僕のブログを知っていたようだけれど,別の人が書いていたと思っていた模様.
そしてその『別の人』も僕の友達だったりする.
このイベントを通じて点と点が線になり,網になり,ネットワークが広がっていく.


さてさて次のホネ関連イベントは東京ミネラルショーとワンフェス2012冬.
財布はもつのか…?
posted by osakana at 00:50| 埼玉 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月05日

魚話その188 ヒツジさんをディスるな

●未年の魚は存在しない?


2011年になって既に8000時間近く経過してしまった.
実はこの文書ファイルは2011年元旦にできたのだが,年賀状の作製シーズンに合わせて寝かせておいたのだ.

事の発端は去年の暮れ.
毎年干支にちなんだ魚を挨拶状に描いてきたが,そもそもどれくらいいるのだろうか?
そんな疑問を抱き,さっそく調べてみた.
『魚図鑑の向き』ネタと違い,ありがたいことに魚名には『日本産魚名大辞典』という総覧が存在する.
3000弱の日本産魚類に対し,標準和名+方言を約15000,学名+英名を約18000,中国名を約2000,ロシア名を約1000掲載するという怪物書籍である.
収録数は僕が大雑把に目次から算出したが,実際には同名異種も多く,収録魚名数としてはもう少し増えるはず.
1981年出版と古いが,ここまで網羅した書籍が存在せず,魚名関連の文献を逐一調べていたらこちらがパンクしてしまう.
そのため手抜きではあるが,日英33000語とのニラメッコのみとした.

ルール
・干支に相当する動物の名称が入っている場合も数える
 例:カラスザメ(烏鮫)→酉,タカノハダイ(鷹羽鯛)→酉
・干支を含むが,人名由来などの場合は数えない
 例:カモハラトラギス→(鴨の腹ではなく,蒲原さんに由来するので,寅)
・干支を含むように見えて,異なる区切りの単語であった場合は数えない
 例: フクロウナギ(フクロウ・ナギではなくフクロ・ウナギ)
・複数の方言を持つ場合,同じ干支なら一つ(例1),異なる干支なら干支の種類分(例2)数えた
 例1:トラギス,トラハゼ(いずれもアカトラギスの方言)→寅として1
 例2:ウシヌスビト,トラハゼ(ウキゴリの方言)→丑,寅としてウキゴリをそれぞれの干支に1
・資料が古いので,和名の変更を加味し,『日本産魚類検索(第二版)』で確認
・最新情報は僕が追いつかないので省略
・全て素人による個人の手作業なので,見落としや誤認はご勘弁
・本当はロシア語と中国語,学名も集計したかったのだが,面倒なので照合が大変なため泣く泣く今回はパス.

さて.
標準和名,方言,英名を集計した結果が以下の通りだ(図1).


sb18801.jpg
図1.標準和名,方言,英明において干支を冠する魚名 a)集計した魚種数,b)干支を冠する魚類のうち占める比率



スズメダイは仲間が多いので酉に偏るかなぁ…という予想を遙かに上回り,結果として2位である巳に倍近い差がついた.
方言も似たような傾向であったのに対し,英名では酉の圧勝モードが若干弱い.
次点は巳と寅.
それぞれ模様や形状などにちなんで命名されているためだろうか?
一方,調べた資料からは干支の抜けも散見された.
特に未は標準和名,方言,英名ともに存在せず,ある意味興味深い.
ヒツジが国内に導入されたのが明治の初頭ゆえ,魚のあだ名に用いられるほどの馴染みがなかったのか?
しかしながら,サルやイノシシといった日本人には馴染み深い動物も『抜け』が存在することから,形態にちなんだ命名にも得手不得手があるのだろう.
また,方言データの蒐集に関しても,日本産魚名大辞典は大量の文献を引用しているとはいえ,引用元の研究対象地域が特定の地域に焦点を当てているものであれば,情報の充実度も地域によって粗密が出うる.
一つの理由で『抜け』を説明できるとは到底思えないが,上記のような理由があるのかも…と想像してみるのも楽しい.
ところで,どこかにヒツジを冠する魚はいないかなぁ…と考えていたら,Sheephead fishという人間のような歯を持つ魚のことを思い出した.
名前は知られていないかもしれないが,魚ネタ画像や2chなどでリンクが貼られる魚だ.
そんなわけで,案外ウェブ上では有名な魚が未を冠しているのであった.

毎年毎年干支にちなんだ魚を見つけ出し,展示を行っている水族館には恐れ入る.
あれこれ書いていたら,あと700時間で2012年である.
年賀状の図案に少しでも役立てたら,幸いである.


本日の魚
大量にあるので,sb188SUPPLY.pdfに掲載.


参考文献
日本産魚名大辞典 (日本魚類学会,三省堂)第1版
日本産魚類検索 (中坊徹二,東海大学出版会)第2版
魚介類2.5万名前大辞典 (日外アソシエーツ)第1版
posted by osakana at 01:58| 埼玉 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月21日

魚話その187 柔らか頭を硬く取る

●PEG含浸と軟骨魚類の骨格標本

注意!
・本文中に『一般入手できる』という記述がありますが,一般家庭での作業を推奨する意味ではありません.
・高校や大学の生物系サークルなど,大型専門機器の購入が困難ではあるものの,しかるべき施設と知識を持った人が対象です.
・ホルマリンを扱うので,その処理方法が確立している方々を対象としております.
・ポリエチレングリコールとエチレングリコールは別物です(危険度も).
・現在も試行錯誤中の手法であることにご留意ください.



配付資料供養ネタ第3弾.
実際にサメの顎を取ったことがある人ならば分かると思うが,軟骨魚類の骨格は,ただ柔らかいだけでなく,乾燥と共に歪みが生じてしまう(図1).


sb13701.jpg
図1.乾燥に伴うトラザメの顎の変形 a)乾燥前,b)乾燥後 scale bar : 1 cm


凍らせながら水分を昇華させる『凍結乾燥』は一つの解決法だが,機材が数百万するので,現実的ではない.
また,この手法で家庭向きな冷凍庫での乾燥法こと『冷凍乾燥』は歪みを軽減できるものの,幼い個体ではヒビ割れが生じてしまう.
これらの予防策として樹脂を染み込ませる方法は『魚話その85』で既に触れているが,当時は,良い樹脂が見つからなかった.
いわゆる身近な樹脂は石油系樹脂が多く,樹脂浸透に先立って脱水(完全な乾燥)が必要なため,歪んでしまう.
一方,水溶性樹脂であれば,完全な脱水と樹脂への置き換えが同時に行われる.
もしそんなすてきな樹脂が見つかれば,徐々に濃度を上げていくことで,軟骨を歪ませずに樹脂を染み込ませることが可能だ.


sb13702.jpg
図2.サメの骨格標本作製方法 a)風乾,b)冷凍乾燥,c)石油系樹脂,d)水溶性樹脂


樹脂との出会いは唐突であった.
ある日,呑み会にて,Aさんからポリエチレングリコール(PEG)含浸の話を聞いた.
遺跡から出土した木材は大量に水分を含んでいることがあり,発掘後に放置しておくと,乾燥で歪んでしまう.
それを防ぐためにPEG含浸などの処置が行われるそうだ.
この手法が,剥製業界でもブームになりつつあるのだという.
これは軟骨魚類の骨格とよく似ている(図3).


sb13703.jpg
図3.風乾に伴う軟骨魚類の顎の重量変化(トラザメおよびカスザメ)
scale bar : 1 cm

調べてみると大掛かりな機材が必要で,一般には手が出せない.
ただし,木材に染み込ませる際には細胞壁が難点のようで,動物にはこれが無いため,機材や手法をアレンジできそうだ.
一般入手できる範囲の機材で何とかアレンジした結果出来上がったのが下記の手法である.
機材の関係で小型標本に限定されるが,そこはご勘弁願いたい.

PEGは重合度によって液状〜フレーク状まで種々ある.
今回は含浸法の資料で見かけたPEG4000(500gで約2000円)を購入し,以下の処理を行った.


sb13704.jpg
図4.PEG含浸処理のフロー 筆者が行なっているPEG含浸処理を示した.現在も試行錯誤中であることに留意されたい.


100%まで置換したいが,機材・金銭的に現実的なのは80%(w/v)程度までであろう.
少なくとも60%までは常温で水に溶け,80%は湯煎で溶ける.
僕は定温調理機能付きのIHクッキングヒーターで60℃処理しているが,メーカー保証の対象外になるので,自己責任で.
処理の効果を図5aに示したが,歪みの軽減がおわかりいただけるだろうか?


sb13705.jpg
図5.PEG処理の効果 a)トラザメ顎(上段:乾燥前,下段:乾燥後),b)ノコギリザメ頭骨(入手時に吻は切断されていた) c)ドチザメ上半身(鰓付き) aは撮影時の角度が若干異なっているのでPEG処理も歪んでいるように見えるが,実際はほとんど歪んでいない.cはフラッシュと液跡の残る新聞紙のせいで湿っているように見えるが,実際の触感はサラサラしている scale bar : 1 cm


MSDSを見る限りPEGは危険性が低そうであるが,可燃性や強酸化剤との反応性があるので,除肉や固定後ののすすぎは念入りに.
また,独特の臭いが出るので,排気装置などを使用すべきだ.

また,PEG含浸処理標本にも弱点はある.
第一に接着剤が効かない.
針金固定による連結か,交連状態を維持した状態でPEG処理する必要がある.
第二に高温多湿に弱い.
日向の窓辺や車内に置くのは論外だ.
博物館など,保管環境が整った施設ならば良いが,通常はそうもいくまい.
大型のタッパー+乾燥剤での保管がベターだ.
第三に除肉のごまかしが効かない.
従来の手法では多少の肉は乾燥で目立たなくなっていたが,PEG含浸処理では全ての収縮が抑えられるので,残った肉が目立つ.
第四に特許が絡む.
主に硬化方法に関し,既に特許が受理されている(公開番号:特開平10−287501).
特許に抵触する可能性があるので,凝った方法を思いついた場合,一度チェックしておく必要がある.
本当はもう少し試したかったのだが,サミットでの配布資料と講演をきっかけに始めたアレンジであるため,まだまだ手探り状態だ.
軟体動物のPEG処理標本が少なくとも数年経っても変化がないという報告もされているが,どれくらい持つのかは不明である.
とはいえ,軟骨骨格標本に明るい未来が見えてきた気がするのは僕だけではあるまい.
『サメは骨格標本が作れない』といった魚ネタサイトが大量にあり,多くはそこで完結か,透明骨格標本に話題がシフトしてしまうことが多い.
そのような中で,その常識を覆すべく,このマイナーブログでひっそりと開発・発表していると想像すると,非常に楽しかったりもする.


本日の魚
カスザメ Squatina japonica Bleeker, 1858
ドチザメ Triakis scyllium Müller & Henle, 1839
トラザメ Scyliorhinus torazame Tanaka, 1908


参考文献
増田 修 他(2003)水溶性樹脂を用いた水棲動物の標本作製の試み(予報).兵庫県陸水生物,55,59-62
遺物の保存と調査(沢田 正昭,クバプロ)
生物起源のものの標本作成法法(特開平10−287501)付属資料
ポリエチレングリコール4000のMSDS(ナカライテスク)→リンク
posted by osakana at 01:01| 埼玉 雨| Comment(3) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月19日

旅モノその37 管理人のいちばん長いホネの日 その5 〜素人魂 meets ホネ屋〜

昨夜のアクシデントも乗り越え,本日から一般公開である.
僕のブースはガラスケースを借りての展示なのだが,博物館の職員の人に天板を開けてもらわねばならないため,準備に少々難があるのだ.なにしろ1.4m×0.9mの展示専用1枚ガラスである.
弁償価格など,知りたくもない.
実は昨日もちょこちょこ準備をしていたのだが,何度もガラス板の移動は頼めないため,ある程度準備を済ませた状態で一気にケリを付けねばならない.

そんなこんなで準備が完了したのは公開の5分前.



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我がブース全体像


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メインのガラスケース


すぐ近くに自販機があるおかげで,朝食代わりのコーラを一杯.
某格闘漫画でも炭酸抜きコーラは良いと書かれていたし.

ちなみにガラスに入りきらなかった分は,その場の思いつきでドキュメントケースにようじょをゴキブリホイホイして展示することにした.
ホント,ようじょ様々である.



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養生テープを用いた展示1

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養生テープを用いた展示2


実は前々回,裏テーマが云々と書いたが,それは以下の通りである.
・顎ばかりの展示に円口類(顎を持たない)のカワヤツメを展示することで,顎の有無の比較をできるようにした.
・スルメイカ,スッポン,シチメンチョウを展示し,フグやイシダイ,アオブダイといった『クチバシ系』と並べ,形は似ているけれど,由来は違うことを出した.
・餌の種類と分類を表記し,来場者の頭の中で歯や顎の形態と好きなように結びつけられるようにした.
・展示した魚の個数は108種である(準備に苦労したので,四苦八苦のダジャレとかけてみた).

でも正直なところ,来場者が楽しんでくれれば構わないので,ほとんど裏テーマには触れなかった.
好きなように見て、好きなように感じてくれれば良いのである.
ブースはちょうど角にあり,曲がってきた人が驚く様子を見たり,『自分もやってみようと思います』と言われたりするのは,準備の苦労を忘れさせるほど嬉しかった.
これはちょっとブログでは体感できない経験である.
またイベントがあれば参加してみたい…かな.

17時半を迎え初日の展示が終了し,懇親会へと突入.



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懇親会会場


ジビエ料理が出たり,マグロやサワラの解体ショーがあったり,ニシマキ団長のMCで出展者紹介(ランダム?)あったりと,なかなか楽しいイベント盛りだくさんであった.



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イノシシ肉料理(手前)と酒を振る舞うニシマキ団長(奥)


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シカ肉料理


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魚の解体ショー


サワラは一度脱脂に失敗しているので,僕もこの機を逃してはならぬと考え,サワラの頭をそそくさと回収.
(ちなみに前回はジビエのホネをGalvanic氏が回収していったらしい…)
入手は難しくないのだが,一人暮らしの僕にとって大型魚は計画的な購入が必要なので,こういった頭だけを得る機会は貴重なのだ.

カメラカバンにサワラの頭をくくりつけたまま2次会に参加.
披露とすきっ腹に酒を入れたせいで,微妙に記憶が抜けているので,2次会はちょいと省略.
皆徒歩圏に宿泊しているわけではないので,23時頃解散.
宿に帰宅してから,明け方までスライドの手直し.
こうして初日が終了したのであった.
posted by osakana at 23:46| 埼玉 雨| Comment(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月16日

旅モノその36 管理人のいちばん長いホネの日 その4 〜偽詩庵大阪本店〜

未だホネホネサミット当日にならないこの旅モノ.
こういう話は当日までの話がいろいろあるんです…と自分に言い聞かせ,誰が読むんだか分からないマイナーブログの更新をせっせと続けるのである.

さて.
長居駅で下車し,運動公園をてくてく歩く.
秋空の下でジョギングする人と同じ道路を大量にホネを持った人間が共存するこの不思議な状況.



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参加者受付の案内1


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参加者受付の案内2

会場の大阪市立自然史博物館に入ると,すでに知り合いが到着しており,しばし談笑.
しばらくして友人Mさんも到着し,バックヤードツアー開始.



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バックヤードツアー御一行


水族館や博物館のバックヤードツアーには大抵参加するのだが,実は僕の職場もバックヤードツアーを行なったりするので,いろいろ学ぶ点があっておもしろい.
ただしここで問題が発生.
バックヤードツアーは標本保護のためカバン持ち込み禁止だったのだが,カメラにマクロレンズを付けたまま参加してしまった.
僕が使用しているマクロレンズは手ブレ防止がなく,中望遠の単焦点,絞りもピントも全てマニュアルで撮影するため,三脚固定で標本を撮るには良いが,ツアーなど頻繁に動き回る場所で様々なモノを撮るには不便なのである.
一言で言えば『マ・ズ・い』.
とは言え,なんとか頑張って撮影.



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なめし中の毛皮?


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カバの下顎


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液浸標本庫


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ザトウクジラの骨


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化石


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こういう表示を見ると安心する


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乾燥標本庫


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砂に埋めて大型標本を作製する場所


30分ほどの休憩を挟んで安全講習会.
サミット初日は参加者向けのイベントのみで,バックヤードツアーとカエルの骨格標本作製の研修なのである.
その研修に先立ち,安全衛生上の講義をするというのだ.
受ける側としては早く研修に移りたいところだが,不特定多数の人を研修に受け入れる立場になった場合,たぶん僕も講習をやるだろう.



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安全講習会


意識が幻想入りしつつおとなしく受講し,カエルの解体開始.



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解体前のウシガエル


ホネホネ団団長ニシマキさんの音頭で作業が進行していくものの,ホネマニア達が機械的にさっさと作業をするわけもなく,当然のようにアッチやコッチの観察で寄り道のオンパレード.
後から修正は可能なので,僕は作業を中断し,途中からMさんの手伝いに変更.



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ホネの乾燥用台座に固定する友人


彼女の自宅もラボも,そのテの設備がなく,可能な限り仕上げねばならないのである.
よく考えたら二人でカエル1体を引き受けた方が効率的であったが,申し込みの時点では全く思い付かなかった.
微妙に肉が残った状態で乾燥し,研修終了となった.
個人的には未完も心残りであったが,Galvanic氏の作業も見てみたかった.
彼の骨格標本がどのようにしてあそこまで仕上がっていくのか,興味深いところではあったのだけれど.

そんなこんなでヘロヘロになりつつ初日は終了.
すでに22時を回ってしまたっため,食事をすることもなく,解散となった.
一人ホテルに着き,近所のラーメン屋で夕食を済ませ,早速スライド作製を再会.
すると日付が変わる頃に,久しぶりの桃色吐息が.
確かに薄壁越しに楽しそうな声は聞こえてきたが…
この状況は2006年に学会参加でイギリスに行った時以来である.
こうして大阪の夜は更けていくのであった.
posted by osakana at 12:20| 埼玉 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月15日

旅モノその35 管理人のいちばん長いホネの日 その3 〜ようじょとゴキブリホイホイ〜

2011年10月8日午前4時,自宅.
ようやく準備が終了し,梱包を開始である.

配布物や展示物の用意はすでに終わっていたのだが,実は9月半ばに講演依頼が来たので,そちらの準備もあったのだ.
主催者からの依頼とあっては断るわけにはいかない.
とは言うものの,無名の一個人が果たしてホネのプロに混じって,講演など可能なのか?
プレゼンは学会や仕事でちょくちょく行うので規模は気にならないのだが,いかんせん専門外の発表は今回が初めてだ.
一晩悩んだ結果,引き受けることにした.
魚の骨格標本に関するネタで,できれば一般的な内容は話さず,そこからさらに一歩発展した話題を目指すことにした.
発表は15分,長いようで案外短い.
きちんとネタを絞らないと発表の方向性が発散してしまい,全国からわざわざ来ている来聴者の貴重な時間を無駄にしてしまう.
そんなプレッシャーを背負いつつ,とにかく発表のスライドに使うイラストだけは完成させ,表示アニメーションや文章は移動中に作ってしまうことにした.
人によってやり方は異なるが,僕はイラスト多めで文字数を減らし,できるだけ直感的に分かるようなスライドにしたいので,イラストとストーリーラインを仕上げてしまえば,大体完成するのである.


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もともとのストーリーライン(文字だけの頃)


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イラストを入れた後はクリックごとにこんな感じでスライドが変わる


さて.
この日は参加者向けの企画があり,午前6時半の電車に乗らねばならない.
ふとキャンセルという言葉も頭をよぎったが,PCまみれの研究生活で,生物的イベントに飢えている友人のMさんがこの企画を心待ちにしていたので,裏切ってはいけないと思い,老体に鞭打って準備を進める.
なにしろイベントを手伝ってくれる貴重な友人のご機嫌を損ねる訳にはいかない.

それにしても,骨格標本の梱包が厄介である.
引っ越し経験者なら分かると思うが,壊れ物の運搬は非常に厄介なのだ.
今回用意したのは2cm角の木製台座に乗せた骨格標本で,100以上ある.
大きくても5cm程度であり,非常にデリケートなのだ.


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展示用の標本(これが100個以上と大きめの頭骨が20個弱)


トイレットペーパーで包もうとしたその刹那,頭に電流が走る.
ざわ…
  ざわ…
ようじょ※を使おう…
『魚話その180』で紹介した低粘着テープのことである.

紙箱にテープを貼り,丁寧に台座を貼付ける.
試しに振ってみると,ほとんど音がしない.
糊の耐久性は不明であったが,とりあえずこれで準備時間がかなり短縮される.
やはり必要は成功の母であった.


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移動用の手抜き梱包


こうして大量の荷物を持参して新幹線に乗り込み,大阪・長居駅に着いたのであった.
posted by osakana at 23:08| 埼玉 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月14日

旅モノその34 管理人のいちばん長いホネの日 その2 〜ホネとり物語〜

前回も書いたが,実は展示テーマが決まったのはサミットの1ヶ月前のことだ.

今回は個人出展で申請しており,素人魂というブログ(あんまり影響ないけれど)も伏せておいたため,来場者は完全に『無名の新顔』の展示を見ることになる.
そんな中で漠然と『魚のホネを取りました〜』と全身骨格を表示するだけではインパクトに欠けるし,時間がない.
そこで,テーマを絞って来場者に分かりやすい展示をすることにした.

魚の骨格といえば鯛のタイや耳石,脊椎骨なども考えられるが,来場者は魚好きという保証は全く無いため,却下.
そもそも魚に縁のない人にとっては,ホネ好きと言えどマニアックすぎる.


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ナマズの脊椎骨(上)とキンメダイの『鯛のタイ』(下)


そこで候補になったのは魚の顎.
魚の頭は見かける機会が多い割に,主上顎骨(唇っぽい部分)などに隠れて歯を見ることは少ない.


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アオメエソ(上)とアカアマダイ(下)


サイズによっては見づらいこともあるので,マクロ撮影した写真も掲載し,分類や餌などの各種情報も盛り込むことにした.
ついでにホネだけでは持ち主の形が分からないので,生体の写真も載せることにした.
いくつか隠しネタも仕込んだが,またいずれ触れることに.
全身骨格と異なり,展示物は小さくまとまってしまうため,また,来客が自分なりの視点で傾向を見出してストーリーを作れるよう,可能な限り展示数を増やしたい.

目標は100種類以上.
方向性が決まった段階で手元にあった骨格標本は20種類程度.
撮影や編集の時間も考えると,9月中旬には終わらせたい.


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この作業のおかげで食卓は床に変更


週末にまとめて処理するので,ペースはまちまちだったが,0時頃帰宅してから朝5時頃まで作業し,7時半頃に出勤準備という生活パターンが1ヶ月ほど続き,三十路を迎えた体にはなかなか堪えるものがあった.
『仕事暇なんでしょ?』とよく言われるが,半分は当たり,残り半分は上記の時間帯で作業しているので,何とかなっているのである.
徹夜に強い体で良かった.
もともと短眠だし(3〜4時間で目が覚めてしまう).

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血と涙と酒の結晶・・・


とまぁ自分の老体報告はさておき,ホネ取りが終了し,今度はホネ撮り.
実は組み立ててしまうと個別のパーツの撮影ができなくなるので,はじめにパーツ別の撮影を行った.
撮影したのは左右対称な魚の場合は左側の骨格4種の外側と内側.
レンズの関係で被写界深度が浅いため,三脚の雲台にフォーカシングレールを設置し,ピントを固定したカメラを1mmずつずらしながら撮影していく.
パーツ撮影が終わってから組み立てと完成品の撮影.
この段階で9000枚の写真データができたのだが,展示で使用するのは完成品の写真のみなので,今回は無縁のデータである.
結局完成品の撮影で3000枚が追加され,のべ12000枚の写真データとなった.
ちなみに写真データはJPEGではなくRAWなので,トータルで約200GBほどある.
ここからPhotoshop Lightroomで色調補正とJPEG出力→Photoshopで被写界深度の拡張とトリミング→Illustratorで資料のレイアウト作製となり,最終的に展示資料の総ファイル容量が300GBになってしまった.
なんだかカメラのシャッター耐久試験とPCのベンチマークテストをしている気分である.
サミットが終了した今だから落ち着いているが,当時は4TBある自宅の外付HDDが一気に埋まっていくのを見て,ヒヤヒヤしたものだ.


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展示写真の一例(A4サイズに2魚種で60枚弱)


実はこれと並行して約20ページの配布資料もIllustratorで作製しており,こちらも600MBにのぼり,ウェブ配布は断念.
自宅のレーザープリンターで地道に印刷し,約2000ページ刷ったのだが,ある事情により一般配布をやめた.
このままでは悔しかったので,身内用には業者に製本して配り,一般配布用はネタ供養のために魚話の『供養企画』に繋げることにしたのであった.
posted by osakana at 21:35| 埼玉 雨| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする