2016年02月28日

2016年02月28日の更新状況

2016年02月28日の更新状況
『魚話その205』に図と動画を1つずつ追加し,誤字をちょいと修正.


2016年02月27日の更新状況
『魚話その205』をアップしました.


2016年02月24日の更新状況
『魚話その204』をアップしました.


2016年01月20日の更新状況
『魚話その202』『魚話その203』のダウンロード前のお約束ごとを一部修正しました(二次使用しないでね的な)


2016年01月18日の更新状況
『魚話その203』をアップしました.



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ご意見・ご感想・タレコミ等お待ちしております。
なんでもいいんで(前向きな)レスポンスがほしいです。
※ご指摘受け付けますが、できればソース込みでお願いします。
あと、公開していいネタをお願いします。











2016年02月27日

魚話その205 おぴんぴん拡張〜締め付け篇〜

●強力ピンセットP-899をバイスにする

前回に続き改造ネタもう1つ.
“第3の手”という商品がある.
なんだか3本足のリカちゃんぽいけれど,鋳鉄の台座と逆作用ピンセットがボールジョイントで連結された保持用道具である.
逆作用ピンセットとはバネの力で普段は洗濯ばさみのように閉じており手を離すとパーツをつまみ続けてくれるので,ロウ付け時(高温のはんだ付け)のパーツ保持にとても便利なのである.
ツールクリッパーやサポートスタンドといった感じの名称で認識している人もいるかもしれないが,正式名称が分からないので,とりあえずここでは“第3の手”で統一する.
僕も数年前からホネの支柱作製で真鍮やステンレスのロウ付けを行なっており,“第3の手”を数個所有している.

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図1.a)“第3の手”,b)ロウ付けの様子(撮影用ヤラセ),c)ホネ用に作った支柱


さて.
以前から,マクロ撮影での被写体ブレや,直置きでは不安定な/壊れやすい角度で保持しつつの作業に難儀していた.
何かに立てかければブレ自体はなくなるのだけれど,角度を自由に変えられる小型保持台があればさらに快適に…と常々思っていた.
最初は三脚についている雲台のギミックを流用したスタンドも自作してみたけれど,量産性に乏しく扱えるサイズに限度もあったため,試作のみで終了した(図2).

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図2.a)自由雲台のギミックを使用した台座,b)2way雲台のギミックを使用した台座,c)使用例
実際の雲台同様に,レバーの捻りで締め付けが可能.





次に目を付けたのがフライフィッシング用のタイイングバイスで,細かい釣り針を掴んで角度調整もできるギミックに期待が高まったものの,欲しい性能のバイスは数万円するため,ちょっと手が出なかった.
コストを抑えたい理由は単純な懐事情のみならず,複数のバイスで複数のパーツをそれぞれ固定し,接着剤を流すといった作業がしたいためで,タイイングバイスの複数購入は完全に予算オーバーとなってしまうのだ.

“第3の手”を入手したのはタイイングバイスについて調べ始めたのとほぼ同時期で,角度調整の利くスタンドと撮影や作業は早々に結びついたのだけれど,付属の逆作用ピンセットは微妙な力加減が利かず,巧い解決策も思いつかないまま,長いことロウ付け専用となっていた.

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図3.ホネを支える“第3の手”
支えやすい形状・方向は特に問題ないのだけれど,作業によっては無理な角度で作業したかったり,潰れやすいホネを扱うことがあり,逆作用ピンセットではやや不都合



ところがある日,夕飯の準備中にP-899の穴がネジ加工用の下穴に使えるのではないかと突然思い付いてしまった.
焼き入れ済みのステンレス板に左右の位置合わせをしながら穴を開けるのは大変なのだけれど,元々穴が開いているのであれば話は別.
調理を中断し,忘れる前に加工.
そうしてネジによる強固かつ調節可能な把握力を併せ持つバイスが誕生したのであった.

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図4.加工の様子 a)HOZANのP-899,b)卓上ボール盤で穴開け,c)バリ取り,d)ネジ切り,e)完成

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図5.a)解放時(左)と締め込み時(右),b)ヒゲキホウボウ半身骨格,c)トビウオ頭部
ヒゲキホウボウはどの角度で直置きしても華奢な鰭が破損する恐れがあり,しかも摘まめる場所が狭いため,浮かせた状態で作業.
トビウオは脊椎に接着した針金を支えにして不安定な角度で作業.



その後いくつかの試作(図6)を経て,市販のステンレス製サムスクリューと組み合わせた現在の形状に落ち着いた.
模型用ピンセットもバイス化可能(図7)だが,強度に不安があるので,加工は大変でも個人的にはP-899がお勧めだ.

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図6.試作の様子 a)旋盤で締め込みネジを試作,b)装着時,c)試作品

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図7.a)HOZANのP-895をバイス化,b)Mr. TOOLS先細ストレート型をバイス化
P-895は強い締め込みは苦手っぽいが,小さいパーツの撮影や塗装の保持台には適.
Mr. TOOLSのピンセットは滑り止めを外すと開いている穴を加工.
板厚が薄くてネジ山がほとんどないので,寿命は微妙.



“第3の手”は1000円台で入手でき,工作環境さえあれば“改造P-899x第3の手”は4000円で作製できるので,タイイングバイスよりかなり安い.
ちなみに“第3の手”は大型台モデルの方が安定して好きなのだけれど,最近とんと見かけなくなってしまったのがとても残念である.

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図8.馬台タイプの“第3の手”の台座
一番左のモデルが重くて安定感もあるのだけれど,最近よく見るのは一番右の軽量モデル.



なお,ピンセット単体としても使えるので,個人的には結構気に入っている改造である.
ホネ取りに用いると,ネジ穴に詰まった肉の除去が若干面倒だが,大きめの歯間ブラシで対処可能だ.
ほとんど市販品の流用なので,改造としてはショボいのだけれど,自分用にアレンジしましたというお話.


本日の魚
イネゴチの一種:Cociella sp.
トビウオの一種:Cypselurus sp.
ヒゲキホウボウ:Satyrichthys amiscus (Jordan & Starks, 1904)
posted by osakana at 21:35| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月24日

魚話その204 おぴんぴん拡張〜先細り篇〜

●強力ピンセットP-899の先端を削り込む


魚のホネ取りをしている.
収納スペースの関係から,多くは全長40cm程度の魚を鮮魚店で入手し,胴体は食用,頭部はホネ用に分けている.
何年かやっているが,ホネに張り付いた皮剥がしは地味に大変で,未だに慣れない.
小さくて掴み辛いくせに,強固に張り付いた皮は,通常のピンセットで引っ張ると曲がってしまい,非常に剥がし辛いのである.
メスで削ったり薬品で溶かすのも良いのだけれど,ホネが傷つく恐れがあり,特に,ベラ科魚類のように厚い皮と薄い鰓蓋骨の組合せでは,ヘタすると穴が開いてしまう.
かといって皮を残すと干物感満載になるため,できるだけ処理したい.


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図1.a)ブダイ頭部,b)鰓蓋骨
鰓蓋骨は薄く透けて見えるが,皮は硬く通常のピンセットでは剥がせない



理想の摘み道具を求めて毛抜きやらラジオペンチやら試してみたのだけれど,強度不足だったりピンセットと持ち方が違ったり,どれもイマイチであった.


表.皮剥きに使用した器具の比較(主観に基づく)
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図2.骨抜き(左),毛抜き(右)


そんなある日,Hozan P-891と書かれた妙にゴツいピンセットを職場徘徊中に発見した.
生物系の(馴染みのある)実験操作では見かけないメーカーで,調べてみると工業系製品を取り扱うメーカーであった.
一般販売もされていたので早速Amazonでポチポチし,自宅にお出迎えしたのであった.

さて.
P-891は厚手のステンレス材でできており,通常のピンセットではご法度の『つまんで捻る』ができる.


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図3.a)P-891正面,b)P-891側面
比較用に一般的なサイズのK-3 GG(KFI製)を並べた.
正面から見ると通常のピンセットと同じ形状をしているが,板厚は通常のピンセットよりかなり厚い.



しかし,平滑な把握面ゆえに摘まんだ皮が滑ってしまうのがネックであり,先端を焼き鈍して有鉤化したりもしたものの,イマイチ使い勝手が悪い上に量産しづらいので,早々に断念.


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図4.有鉤化したP-891


ただ,強力ピンセットシリーズが皮剥きで無双するのは確信していたので,同シリーズでヤスリ目が付いたP-895とP-899を追加で購入してみた.
P-895は細身で魚の奥まで届くのだけれど,細身が災いしてちょっと厚めの皮を摘まむと先端がずれてしまい,P-891の代打にはならなかった.


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図5.a)P-895正面,b)P-895側面
※ネジ穴加工をしたため,P-895の穴が大きくなっている



一方,P-899はドラゴン殺しを彷彿とさせる凶悪な厚さで,安ものペンチじゃ勝てないんじゃないかとさえ思える把握力に,ホネ取り作業が一気に快適になったのであった.


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図6.a)P-899正面,b)P-899側面


ただ人間は贅沢なもので,P-899も気になる点が見えてきた.
鰓蓋のように開放的な場所では向かうところ敵なしであったが,ちょっと入り組んだ場所になるとピンセットが入らないのである.
加えて,力を入れて摘まむことが多く,角の部分が指に当たってあっという間にタコができてしまい,地味に痛い.
ただ,せっかく出会った理想の性能を持ったピンセットとサヨナラするのは非常に心苦しい.
『よろしいならば改造だ』と少佐の声が脳内にリフレインし,P-891にヤスリ目処理をするのは素人には無理そうなので,P-899を細身化を試すことにした.
使用時は頼もしく思えたその板厚に若干怯んだが,試しに鉄工ヤスリを当ててみると,少しずつ削れることがわかった.
グラインダーを使えば手軽に整形できるかもしれないが,作業時の過熱で硬度が変化するのも怖いので,チマチマと手作業することにした.


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図7.改造に用いたヤスリ
※写真には写っていないが,仕上げ用に紙やすりも使用した



左右の合わせ具合をチェックするため,養生テープでピンセットを閉じた状態で固定し,音楽を聴きながら削ること1時間.
調子に乗って削り過ぎると強力ピンセットとしての利点が消えるので,板厚はそのまま,側面のみを削りこみ,終了.



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図8.削ったP-899


なんだか歪な形だが,使い勝手は改善したような気がする.
まだ若干気になるところがあるのだけれど,実際に使ってみないと分からないので,ホネ取り作業を通じて微調整する予定だ.
失敗したときのことを考えると決して安い作業ではないけれど,自分用に改造していくのはとても楽しいね,という話.


本日の魚
ブダイ:Calotomus japonicus (Valenciennes, 1840)
posted by osakana at 22:57| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月18日

魚話その203 獺祭!獺祭!

●魚のホネ資料横断検索を作ってみた

※ウェブ配布の特性を活かし,ファイルを随時更新するつもりなので,むやみに二次配布しないでいただけると助かります.

前回のマダイ頭骨パーツ資料に引き続き,誰得資料の第2弾.
我が家には魚本部屋と名付けた部屋に,カタいのからヤワいのまで魚関係の資料を収納している.

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図1.魚本部屋(兼工作部屋)


酒のせいなのか有機溶剤で脳がやられてきたせいなのか分からないが,図は覚えているのだけれど,どの書籍のどの辺に載っているのかの記憶が最近怪しくなってきた.
そんなある日,横断目次を作れば脳の負担が軽くなるんじゃなかろうかと晩酌中に思い付いてしまった.
そもそもそんなことを思い付いた時点で判断力の衰えに気付くべきであったのだけれど,いざ作業を開始すると,想定外のトラブルのオンパレード…OCRミスの連発で大半が手打ちとなり,Excelでは希望のレイアウトで出力できないためInDesignでの編集となり,ページも200ページを超え,ヘタに格子模様が印刷されるものだから表裏の印刷ずれが目立ってしまい,奇数ページのみ0.5ミリずらしたファイルを作り直し…といった作業を2ヶ月ほど毎日明け方まで続けた結果,なんとかいきもにあ配布までこぎつけることができたのであった.


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図2.用いた文献(上)と6度目の編集作業(下)


さて.
そもそも自分用に作ったせいか相当癖のあるレイアウトになってしまったので,この資料の見方の説明など.
なお,説明文の数字は図3内の数字と色に合わせてある.

@魚名
同一種と判断した魚種の標準和名および学名を記載.
名称および学名は日本産魚類検索 第三版での呼称に合わせ,海外種・化石種はFishBasefossilworksを, シノニムについてはFishBaseWoRMSをそれぞれ用いて確認した.
種同定の確度は資料によりけりなので,「●●と書かれている魚」くらいに考えた方が無難.

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図3.全体の構成(クリックして拡大)


A掲載パーツ
目的のパーツをざっくり探す際に使用.
耳石を除き,魚の前後軸と大まかに合わせた順にしてある.

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図4.掲載パーツ欄の概略


B備考
Aで示したパーツの詳細・方向を記載.
また,パーツ欠損の情報やCで述べる図の種類の補足事項(電顕写真/透明骨格標本 等)についても記した.

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図5.備考欄の概略


C図種
該当パーツの図の種類を記載.
イラストと線画の判別は主観に基づく.

D文献(略記)
できるだけ元の文献タイトルと種類を想起しやすいよう,意味の分かりやすい略記にしたつもりだ.

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図6.図種,文献の概略


Eページ
該当図の掲載ページを記載.
基本的には数字のみであるが,一部表紙の図をリストアップしたものがあり,それらについては“表●●”と表記.
また,論文のように1ページから開始していない文献に関しては,文献内の記載に準拠した.

F Fig.
該当図の図番を記載.
文献内表記に準拠しており,章番号と図番をハイフンで結んだものと見分けがつかないので,連番の場合もカンマで区切るのみとした.
また,図番が表記されていない場合はハイフンのみとした.

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図7.ページ欄,Fig.欄の概略


G文献内呼称
該当図の文献内での呼称を記載.
文献内での探しやすさを考慮し,複数記載されている場合は和名を優先した.

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図8.文献内呼称欄の概略


誰得なのか全く分からないけれど,資料内の文献は,家庭でDL可能な論文を約50報と,書店で(頑張れば)自腹入手できる書籍50冊からなっており,それなりの量にはなっていると思う.
もし何かの役に立ちそうだったら,最下段でPDFをダウンロード可能(10MBくらいあるので注意)だが,紙媒体での使用のみを想定して作ったので,PDF版の使い勝手は不明だ.
なお,最近また魚のホネ文献(英文)を30報ほど新たに見つけたので,大阪のホネサミのようなイベントで増補・改定版を配布できたらいいなとなんとなく考えている.



下記内容についてご理解・ご了承いただけた方のみ,個人的にご利用ください
ダウンロード前の注意
・素人が趣味で作成した資料なので,鵜呑み厳禁です
・ウェブ配布の特性を活かし,ファイルを随時更新するつもりなので,二次配布/二次使用しないでください
・誤字チェック等全て個人で行ったため,リストに誤表記が残っている可能性は多分にあります
・このリストを見て書籍の購入をされる場合,自己責任にてお願いいたします
・万一リスト内のパーツが購入文献に載っていなくても,補償できません
・片っぱしから本棚のホネが掲載されている文献をリストアップしたので,“本資料に掲載=ホネ資料として使いやすい”とは限りません


↓↓魚のホネ資料横断検索のダウンロード↓↓

posted by osakana at 21:05| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月05日

魚話その202 マダイ天獄〜頭編〜

●マダイ頭部骨格の検索チャートを作ってみた

※ウェブ配布の特性を活かし,ファイルを随時更新するつもりなので,むやみに二次配布しないでいただけると助かります.
万が一,実習やイベントで使う際には連絡をいただければ,最新版(もしあれば)をお渡しします


僕が初めて魚のホネ取りをしたのはタチウオの頭骨で,大学進学直前の1999年3月のこと.
次がホウボウの頭骨で,2002年に下宿の台所.
どちらも黒歴史レベルの惨敗だったので,実によく覚えている.
2004年にこのブログを始め,魚ネタの一環でホネ写真の必要に迫られて渋々ホネを取り始め,蟲まかせから手作業へシフト,現在に至る.

さて.
ホネ取りと言えば全身もしくは頭骨をターゲットにする人が多いのではなかろうか.
その生物の特徴を備えつつ収納の場所を取らないことから,頭骨に絞ったホネ取りをする人も少なくない.
ところが,魚の頭骨はパーツ間の結合が緩いため,約100パーツに分かれ※,なかなか面倒くさそうなのが実情だ.
※神経頭蓋のような合体モノや種差,結合の強弱もあるので個数は前後する

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図1.マダイ頭部(左側)のパーツとリスト


そこで鮮魚店で入手が容易なマダイの頭部に焦点を当て,検索図鑑で多用されるフローチャート形式で頭部パーツを追いかけられるような図を作ってみた.

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図2.マダイ頭部骨格の検索チャート(ファイルのDLは最下段)


もちろん生息環境や年齢,パーツの分離具合や破損,さらには僕の画力や形状の認識(棒状or板状等)の影響により,実物と合致しない可能性は十分にある.
各産地のマダイ頭部を20尾ほど購入しホネの確認をしたものの十分とは言えないので,そこらへんはまだ試作版だから…と割り切って欲しい.

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図3.イラストの元になったマダイのホネ


本当はA3出力のつもりだったのだけれど,旅モノでも紹介したように,いきもにあの無料配布資料として準備することにしたため,持ち帰りが容易なようA4に変更した.
ただし,フォントサイズを確保しないと見辛いので,うんうん唸りつつ文言を練った.
一般家庭のプリンターでは数%縮小されてしまうけれど,コンビニとかでA3に拡大コピーするなりして各自で対処してほしい.
ちなみにフローチャートは見やすいようノンスケール,反対面に名称リストとおおよそのサイズ感が掴めるような見取り図(図1)を描いた.
いきもにあ会場で,見取り図を見ながら見本用のバラバラのマダイ頭骨を全部並べてくれたお客さんもいたので,たぶんなんとかなると信じたい.

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図4.お客さんが並べたマダイのホネ


なお,マダイのホネはとても丈夫で取りやすいのだけれど,非常に脂が多く変色しやすいため,有機溶剤を用いた脱脂が必要である.
現状では他の方法が思い付かないため,一般家庭で綺麗なホネを残すには結構危険な作業が伴う.
そんな事情もあり,ここでは『アラ煮や塩焼きで見つけたこのパーツはなんじゃろな?』というシチュエーションのみに絞り,長期保管を見越したホネ取りノウハウは割愛した.
授業や実習で使えるほどのクオリティはないので,なにかの呑み会や鍋パあたりの余興にでも使ってもらえれば幸いである.

今後の更新予定としては
・誤植の訂正
・パーツの左右の見分け方
・組立図(プラモデル風)の作成
・個体差を加味した情報への差し替え
あたりを考えている.

特に組立図に関しては既にヒラメで作製しており(図5),マダイのパーツのイラストも既に描いてあるので,あとはやる気さんとの勝負だ.
いつかは全身版へ拡張したいが,それはまた,別のお話.

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図5.ヒラメ頭部骨格の組立図(プラモデル風)


とにかくまだ試作段階なので,なにか感想や誤植があればこっそり(優しく)教えてくださいませ.

下記内容についてご理解・ご了承いただけた方のみ,個人的にご利用ください
ダウンロード前の注意
・素人が趣味で作成した資料なので,鵜呑み厳禁です
・ウェブ配布の特性を活かし,ファイルを随時更新するつもりなので,二次配布/二次使用しないでください
・作製は全て個人で行ったため,誤表記が残っている可能性は多分にあります
・万一トラブルが発生しても,補償できません
・個体差は多々あるので,これが正解というわけではありません


↓↓マダイ頭部パーツの分類チャートのダウンロード↓↓


本日の魚
マダイ:Pagrus major (Temminck et Schlegel, 1844)

参考文献
魚類学実験テキスト(岸本 浩和 他,東海大学出版会)
加温熱固定法による「骨」の摘出と確認(マダイ)(東京海洋大学・羽曽部先生のwebサイト)
posted by osakana at 19:35| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月04日

旅モノその46 もにあ旅

京都のみやこめっせで開催された生物系物販イベント“いきもにあ”に参加してきた.
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台風による中断でホネサミ2014が不完全燃焼に終わってしまったので,今回も樹脂を用いた軟骨魚類のホネ取り展示を主軸にしてみた.
ただ,物販メインのイベントということもあり,手ぶらで帰すのも申し訳ないので,“誰得土産”を急遽用意することに.
先着順にすると不公平になり,景品の押しつけも好きではないので,“当たり”を引いた人が好きな景品を選べるようにしてみた.
で,用意したのは以下の物品.

誰得くじ
・ハコフグ半身骨格
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・アカヤガラ頭骨
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・ウツボ頭骨
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・ワラスボ頭骨
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・ギンザメの背鰭の棘&アカエイの尾鰭の棘
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・ノコギリザメ胎仔の液浸標本&ヘラツノザメ胎仔の液浸標本
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・改造P-899x第3の手
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・外れくじ兼ポストカードを3種類
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誰得資料
・魚のホネ資料横断検索
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・マダイ頭骨検索チャート
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冷凍庫整理もできるしこりゃいいわいと思っていたのだが,想像以上に作業は難航,特に誰得資料2点が実にヘビーで誤植不可避なのは明白,チキンなので早々に誤植発見時の対応策を併記.
誰得資料2点に関してはダウンロード配布も見越しているので,詳細はいずれブログで紹介したい.

タダ補正(仕事柄副業ができない)ということが大きいと思うのだけれど,奇特な方々のおかげで無事に全部配布することができ,とても身軽な帰路となった.
とりあえず魚のホネに関心がある人が案外いることもわかり,今後参加するイベントでもやってみたいところだ(冷凍庫整理にもなるし).

翌日は友人のスカルチュラさんのお誘いで,モノづくり系の作家さん達による粘土会なるイベントへ.
粘土会とは,モノづくりをしている作家さんが一同に会してスカルピーを捏ね,規定時間内に形にするというイベントで,いつか覗きに行ってみたいと思っていた.
僕自身は何かモノづくりをしている訳ではないのだけれど,変なツイートばかりしていたら『あの人が何作るのか見てみたい』となり,招待された.
ただ,過去にルアーを作っていた関係で,木などに下絵を描いて削っていく造形に慣れてしまったため,粘土を足して造形するという逆の作業はとても苦手なのである.
そんなわけでかなり不安ではあったのだけれど,そもそも会場の雰囲気が堅苦しくなく,楽しくできたから良しとしたい.
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そんな感じで12月の関西を後にしたのであった.
posted by osakana at 22:42| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月01日

魚話その201 紅白鮫合戦

●アカシュモクザメとシロシュモクザメの頭骨は結構違うっぽい


気付けばもう(これを書いているのは)大晦日.
ホネサミ2014では,詰め込み過ぎてイマイチな展示をしてしまったばかりか,誤同定したまま展示するという失態を犯してしまった.
そんなわけで,今回はその辺りをば.

最初に言い訳をさせてもらうと,日本産魚類検索第3版ではアカシュモクザメとシロシュモクザメは頭頂部の凹凸具合で区別されている.

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図1.アカシュモクザメとシロシュモクザメの一番有名な見分け方


これは英名にも反映されており,先端が凹むアカシュモクザメはScalloped hammerhead,凹まないシロシュモクザメはSmooth hammerheadと呼ばれている.
実際には背鰭基部の長さの比でも確認できるようなのだが,まあ水族館や漁港に転がっているシュモクザメを見ても,なんとなく分かる.

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図2.a)葛西臨海水族園のアカシュモクザメ,b)友人から貰ったシロシュモクザメ


さて.
ホネサミに向けて防歪処理をしたシュモクザメ頭骨を展示するため,沖縄のS君より譲って貰ったロリ個体を捌こうとしたところ,何か様子が違う.
頭部の凹みは見当たらず,シロシュモクザメのように見えるのだが,背鰭基部の比率がアカシュモクザメっぽい.

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図3.S君から貰ったロリ個体のシュモクザメ.
体色の関係で凹んでいるように見えるが,その外側に白い周縁があり,指でなぞると頭部の凹み()が不明瞭.



決め手に欠けたが,頭部の凹みを優先してシロとし,ホネサミに出展したのであった.

ところが,サメ好きの知人に見せたところ,どうも頭骨の形状がアカっぽいと言う.
片方は比較用に歪ませてしまったし,そもそも成長に伴う変形かと思っていた.
少し気になったので調べたところ,シュモクザメ科の頭部について研究した文献を見つけ,シュモクザメ科の頭骨を系統と重ねた図から,アカとシロで二つの差異を見出すことができた.
第一に吻軟骨の孔の大小/有無(),第二に鼻殻の突起の尖り具合()が異なる(図4b).

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図4.a)シュモクザメ頭骨の名称,b)アカシュモクザメとシロシュモクザメの頭骨
サメのホネ界隈で用いられているであろう日本語訳が見当たらなかったので,そのまま表記した.※1IOL: distal lobe of preorbital process,※2FPP: distal wing of fused preorbital and postorbital processes



この情報を基に改めて手持ちのロリ個体を見ると,シロではなくアカである可能性が非常に高くなった(図5).

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図5.a)シロシュモクザメの頭骨,b)アカ/シロ不明だったロリ個体の頭骨


成長による変形は確認していないし,できれば複数個体を扱った上での情報としたいのだが,シュモクザメの頭骨が主題の文献でも孔の大小が描き分けられているので,恐らく大丈夫だろう.
日本産魚類検索は種同定で非常に重宝するのだけれど,僕のように分類経験が乏しい者が使うと,『極めて凹む/あまり凹まない』といった程度で分類する形質は,断定しづらいことがある.
両者を同時に並べ,自分の中で一度比較できれば分かるのだけれど,一般陣として入手できる魚の種類には限りがあるので,片方しか入手できないことも多々ある.
今回はシュモクザメという,比較的分かりやすい特徴を持った種のはずだったのだが,まんまと引っかかってしまった(悔しい).
今後は迷ったら,頭骨を取ってみようかなと思う次第である.

余談だが,図4aに示したように,シュモクザメをシュモクたらしめているパーツは鼻殻と呼ばれ,鼻のパーツとなる.
それだけでも結構不思議生物なのだが,よく見ると鼻の穴が他のサメのように正中線近くではなく,眼の側にある(図6).
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図6.アカシュモクザメの鼻の位置 a)生体,b)骨格

かなり変わった場所にあるので,シュモクザメのイラストを描く時に注意して欲しい.

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図7.a)シュモクザメで間違いがちな鼻の位置,b)一般的なサメ・エイの鼻の位置


そういえば,ファインディング・ニモのシュモクザメことアンカー,鼻の位置がちょっと気になる.
いや,そういう野暮なことを言ったらつまんなくなっちゃうから,追求しないけれどね.
おや…?
誰か来たようだ….


本日の魚
アカシュモクザメ:Sphyrna lewini (Griffith & Smith, 1834)
シロシュモクザメ:Sphyrna zygaena (Linnaeus, 1758)


参考文献
日本産魚類検索 (中坊徹次 編,東海大学出版会)第3版
Mara, K., R. (2010) Evolution of the Hammerhead Cephalofoil: Shape Change, Space Utilization, and Feeding Biomechanics in Hammerhead Sharks (Sphyrnidae). University of South Florida(恐らく学位論文)
三重県水産研究所 おさかな雑録
posted by osakana at 02:55| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月07日

今更ながらTwitter始めまして…

過去に遡りづらいので,基本的にTwitterはあまり好きではないんですが,ブログネタにするにはちょっと足りない写真が結構あって,ジャンルもバラバラなので,それらの供養のために始めることにしました.

https://twitter.com/osakanabanashi

炎上は勘弁ですが,まったり絡んでもらえれば幸いです.
posted by osakana at 18:22| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 筆者からの連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月12日

旅モノその45 サメとホネと台風と… その5 〜そして誰もいなくなった〜

ホネサミ最終日.
24時間スパをチェックアウトし,空を見上げると,地面は濡れているものの台風はどこへやらといった空模様.

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このままイケるのでは…と思いつつ準備を行う.
初日の屋外ブースから屋内へ移動したため再セットアップしていると,Galvanicの骨オヤジさんから電話.

『暴風警報が出たので,中止になったらしいっす…』

これが開場15分前の出来事.

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どうやら大阪自然史博物館は,『大雨洪水警報では休館にしないけれど,暴風警報は休館』という方針のようで,雲間から微妙に青空が覗く不思議な天気の中,撤収を開始.
JRは夕方からの運休を決定していたので,ちょうどよかったのかなと考えることにし,ダラダラ片付ける.

今回はお留守番代行という,ソロ出展者にとって非常に助かるシステムがあったのだけれど,台風や休暇日程の関係で来客は初日に集中すると予想し,あまり出歩かなかった.
そんなわけで,片付けしつつ他のブースを見学(スタッフの人ごめんなさい).

沖縄生物標本(S君いつもありがとう)
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透明標本クリスタル
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甲羅区(の中の人)
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魁!!骨塾
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他のブースは早々に切り上げてしまっており,結局撮影できず.
気になる人は『集え骨好き! 第3回ホネホネサミット、2014年10月12、13日に開催決定!!!『ホネホネサミット2014、はっじまっるよー☆』『もういくつ寝るとホネホネサミット2014』『ホネホネサミット2014 台風との戦いの記録』あたりがお勧め.
で,夕方前には帰宅.
そんな感じのホネサミ2014だった.

全体的に,興味を持ってブースに来てくれるお客さんは長時間話していく人が多く,直前まで悪あがきした甲斐はあったと感じた.
また,今回はブログと同じようなデザインで掲示物を作製したため,『ブログ見てますよ〜』と声をかけてくれる人もちらほらおり,プチオフ会の様な気分にもなった.
ネットでは上手く書けない微妙なニュアンスも,スケッチを交えての対話でかなりスムーズに進むので,基本的には展示ブースでの対面やり取りは大好きだ.
ただ,失敗した方のシュモクザメしか気付いてもらえなかったりと,展示スペースにもう少しゆとりを持たせた方が良かったかなとは考えている.
もし次ホネサミに参加することがあれば,その辺を改善したいところだ.
posted by osakana at 13:27| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月27日

旅モノその44 サメとホネと台風と… その4 〜あらしのまえのしずけさ〜

目が覚めると,台風はどこへやらといった感じの天気.
前回のようなギシアン的事案もなく,すこぶる快調.

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さて.
限られた時間で効率よく何かを見る/見せたい時,詳細に全てを見渡すのは至難の業である.
そんな時に大事なのが『差を観察する』という概念.

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僕のブースは,薬品処理で軟骨のゆがみを緩和したホネの展示なので,複数個体が入手できた場合は成功例と失敗例の両方を並べ,キャプションにも成功/失敗の別を表記することにした.
こうすることで,漫然と眺める以外に,注目するべき場所を絞ることができるのだ.
…と偉そうなことを書いたものの,ホネ同士のスペースにゆとりがなく,比較対象よりも別のホネに目が行ってしまう場合が多かった.
歪みを抑えたシュモクザメの頭骨もそれなりにレアだと思うのだけれど,失敗したシュモクザメの方が大型で目立つせいか,そちらばかり注目されてしまい,半数近くの人が成功したホネに気付かなかったのではないかと思う.
もし,次回も出展することがあれば,改善したいところだ.

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とりあえず供養のため,展示したホネをここで掲載しておこうか.

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ヌタウナギ/成功/プラスティネーション/薬品代:700円

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シロシュモクザメ頭骨/失敗/風乾/薬品代:0円/※頭蓋の傷は包丁傷

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シロシュモクザメ(?)アカシュモクザメ頭骨/成功/プラスティネーション/薬品代:4,000円

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ドチザメ頭骨/失敗/風乾/薬品代:0円

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ドチザメ頭骨/失敗/PEG含浸/薬品代:700円/全体が浸らず吻軟骨が乾燥

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ドチザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:700円

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ドチザメ頭骨/成功/プラスティネーション/薬品代:2,500円

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ドチザメ顎骨/失敗/風乾/薬品代:0円/熱による歯の脱落(左)

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フトツノザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:700円

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ノコギリザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:700円

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トラザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:500円

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トラザメ顎骨/成功/風乾・PEG含浸/薬品代:500円/※含浸の検証用

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ネコザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:700円

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イタチザメ顎骨/成功/PEG含浸/薬品代:500円

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カスザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:1,000円

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淡水エイ全身/成功/PEG含浸/薬品代:1,200円

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ギンザメ頭骨/失敗/PEG含浸/薬品代:700円/全体が浸らず吻軟骨が乾燥

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チョウザメ頭骨/成功/プラスティネーション/薬品代:2,500円

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ヘラチョウザメ頭骨/成功/PEG含浸/薬品代:200円

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メダカ頭骨/成功/風乾/薬品代:0円

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アカグツ全身/成功/風乾/薬品代:0円

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ホテイウオ頭骨/失敗/PEG含浸/薬品代:700円/未脱脂なので,台座の塗料が色移り

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マダイ鰓弓/成功/プラスティネーション/薬品代:2,500円/左:肉付き,右:ホネ

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コブダイ顎骨/成功/パラロイド塗布/薬品代:50円

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ハコフグ全身/成功/風乾/薬品代:0円



17時をもって1日目の展示が終了,翌日の台風に備え,屋外ブースは館内へ避難.
で,懇親会に参入.
相変わらず凝ったメニューが並ぶ.
そういえば自己紹介が途中でうやむやになっていたようだけれど,大丈夫だったのだろうか?

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台風を懸念してか,前回のような駅前での二次会もなく,館内の茶話会のような感じで終了.
で,再び24時間スパに戻る.

そんな感じのホネサミ初日.
posted by osakana at 02:19| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする