2008年12月09日

魚話その145 地震とよっちゃん

●鯰絵と地震


どうも締め切りギリギリが好きらしい.
口では嫌がっていても,肉体(からだ)は潜在的な焦燥感ジャンキーなんだろうか?
今回,東京大学の図書館で開かれた『かわら版と鯰展』なる企画展に行ってきたのだが,やはり最終日だったりするのである.
それにしても,一ヶ月は短くないか?
愚痴っても仕方ないので,とにかく東京大学に潜入.


akamon.jpg
図1.赤門


普通の図書館とは明らかに異質の装飾が壁や柱を覆う.
1928年に再建(図書館自体は1877年から続く),80年前のそのままの歴史が詰まっているわけだから,当然か.
『アンティーク風』なのではなく,ホントに齢を重ねているのである.


sougoutoshokan.jpg
図2.総合図書館


今回の展示は東京大学地震研究所2代目所長の石本巳四雄教授(18911940)の蒐集品.
そういえば,テレビで地震のイメージ図で鯰絵が出ることがあるけれど,『東京大学地震研究所提供』と表示されることも多い.
展示品は,マルチメディア展示会のサイトで閲覧可能(便利な時代ですなぁ)だが,やはり実物を見てみたいのがホントのところ.
地震研共催ということもあり,かわら版に登場する地震のデータや規模なども展示しており,なかなか興味深い展示であった.
大学図書館の企画ということで,製本された資料が無料配布されていたのにも満足.
もちろんこれらもウェブで閲覧できるのだが,やはり僕は紙媒体が好きなのだ.


siryou.jpg
図3.配付資料


で,この企画展のタイトルにも使われているように,ナマズは地震と結びつけられることが多い.
安政大地震直後のかわら版が鯰絵流行の発端とされ,世直しを匂わせるという理由で摘発行われたりと,様々な逸話も残っているせいで安政大地震後とナマズのつながりが注目されがちだが,『魚話その32』『魚話その40』で紹介したように,豊臣秀吉の時代から,ナマズと地震を結びつけたエピソードが残っている.
果たして何が地震とナマズを結びつけたのか?
個人的な素人妄想だが,室町時代の作品,瓢鮎図(ひょうねんず:国宝→イラストへリンク)のもととなった『ヌルヌルするナマズをいかに瓢箪で抑えつけるか』という禅問答が,いつしかナマズが『抑えつけるコトが難しいもの』に転じ,さらに制御不能な天災の地震と結びつけたことで,ナマズと地震のイメージ融合の起源となった可能性はないだろうか?
この場合,要石は瓢箪の代わりである.
巨大なアメマスと地震を結び付けた北海道のアイヌ伝説もあるわけだし,ナマズが大地を揺るがすほどに巨大化していくという発想も,決して突拍子もないコトではないような気がする.
あれこれ調べてみると,鯰絵の専門書には『竜が日本列島をぐるりと囲んでいて,それが地震を引き起こす』,『ナマズは淡水魚の王であり,いずれは竜になる』という記述がある.
僕の妄想もひょっとしたら…?

昭和の時代に入っても,ナマズを含めた動物の地震予知能力に関する研究は進められており,それらの研究成果が一般向けの書籍で数冊発表されている.
ただし,『大地震の前に動物が騒ぐ』かもしれないが,『動物が騒いだ=大地震が起こる』とは言えないというのが,共通の見解のようだ.
控えめな表現にしておかないと,天災だけに混乱を招きかねないということか.

ちなみに,タイトルのよっちゃんというのは,僕が大学四年生の時に長野県の千曲川で捕まえたナマズの名前である.
世話と命名は研究室の同期M君で,僕は卒論と平行して(勝手に)やっていた自由研究で捕獲したアブラハヤ(の死体)をあげていた.


yocchan.jpg
図4.アブラハヤを食うよっちゃん


その後研究室の教授に引き取られていったのだが,今,よっちゃんはどうしているだろうか….


今日の魚
ニホンナマズ(Silurus asotus)


参考文献
鯰絵―震災と日本文化 (宮田登 他 里文出版)
ナマズ地震感知法 (末広恭雄 祥伝社)
魚の地震予知 (小田淳 叢文社)
東京大学総合図書館の歴史に関する資料
かわら版と鯰絵展の公式ウェブサイト
京都国立博物館
posted by osakana at 01:35| 埼玉 晴れ| Comment(1) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
人間でも感度がいいと地震の前に地殻から放出される 
電磁波を感じる人いるみたいです 
アメリカでアースシグナルと言われているようです 
詳しくは 
2006年10月号の「ムー」という
オカルト雑誌に記事が載っています
Posted by 獄鳥 at 2008年12月09日 18:53
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/110931454

この記事へのトラックバック