さて,前回の続き.
意外に平気だったシュールストレミングのニオイだが,味は予想を超えるものであった.
トマトやらタマネギなどの食材をきちんと準備すれば美味いのだが,とにかくそれらを打ち消すほどに単品で食うと塩辛いのである.
塩辛さの主たる要因である食塩の濃度を,身近な魚類製品中の数値とともに示したのが表1である.

表1.身近な魚類食品中の塩分濃度
驚いたことに,シュールストレミングは通常の食品よりも高い数値を示している.
確かにこれでは塩辛さが目立つわけである.
添え物として用意するトマトはナトリウム排出の促進も行なうと言われており,相性が良さそうだ(巷で噂のカリウム濃度は他の野菜とそんなに変わらない).
前回ベタ褒めしたタマネギの効用については未だ分からないのだが,とにかくタマネギ抜きでは塩味とにおいが目立つので,タマネギ中の何らかの成分が干渉しているはずである.
加えて,飲酒はアルコール分解に伴う利尿作用が起こり,同時に塩分を失う.
宴会の帰り道にラーメンが欲しくなるアノ現象は,生理的に合理的だったりするのである(ラーメン汁の脂肪分は良くないけれど).
順序は違えど,アルコール摂取で失う分位はシュールストレミングから補充できているんじゃなかろうか.
ただし,ビールやサワーなどの炭酸飲料はゲップが出る.
すると,胃からのニオイがこみ上げてくるので,酒が苦手な人は,むしろ炭酸系の弱い酒を飲むよりは牛乳などを飲めば良いとされている.
というわけで,シュールストレミングで準備する酒や野菜の類は非常に合理的な品々であった.
そうだ.
テレビに登場するシュールストレミングは,膨れ上がった缶が紹介されることが多い.
要は非加熱殺菌の缶だから,嫌気状態を好む細菌が増殖して,ガスを発生させることにより,缶がパンパンになるのである.
しかし,現地ならいざ知らず,少なくとも国内の輸入店から購入した段階では膨らんでおらず,しかも,指示通り冷蔵庫で保管すれば,賞味期限ギリギリになっても,ほとんど変形は見られなかった.
確かにテレビでインパクトを与えるには効果的なのだろうが,暖かい場所で保管するなど,意図的に細菌活動を活発にしない限り,パンパンになることはなさそうだ.
ただし,缶が破裂するということはあるようで,飛行機持ち込みが禁止されている理由の一つなのだろう.
破裂よりも中身の飛散を考慮してのことだと思うが.
ちなみにシュールストレミングの枕詞として『世界一臭い缶詰』やら『世界一臭い食品』が使われることがあるが,ギネスブックには記載されていない.
発酵食品の大家,東京農業大学の小泉武夫教授が臭度測定器で測定したところ,表2のような数値を得たという報告もあるが,臭度計は硫化水素(温泉とか卵の腐ったようなニオイ)などの硫化物の測定が得意なようだ.

表2.様々な食品の臭度
もちろん製品により異なるのだろうが,『臭さ』を感じるには,臭度測定器で測れる数字以外の要素もあるということか.
興味深いことに,『ふなずしは食べられないけれど,シュールストレミングは平気』と言う人も意外といる.
これもまた,表2には出てこない要素によるものではないだろうか?
そういえばニンニク料理の後は口臭を気にする人がいる.
シュールストレミングの場合,翌日のオナラと便もシュール臭がする.
明朝布団の中でオナラをした日にゃあ…
お粗末!
引用文献
魚の発酵食品 (藤井 健夫 ベルソーブックス)第1版 P107-112
五訂日本食品成分表 (食品成分研究調査会 医歯薬出版株式会社)P136-189
海洋生物の機能 (竹井祥郎 他 東海大学出版会) 第1版


毎度です。
例の奴
エポキシで作って今調整中。
ちなみに
MIXIで年賀状送ってますから
MIXIで受け取りしてください。
こちには住所とかはわからないんで(w)
住所はミクシ管理です。