2009年10月21日

魚話その158 スピィド違反?

●バショウカジキを撮影してきた


こまめにチェックしているサイトの一つに,非公式水族館ガイドというサイトがある.
日本各地の水族館の新着ニュース情報をまとめて公開しているサイトで,企画展や新公開などの情報を収集するのに重宝するのである.

シルバーウィークなる連休の直前,そのサイトにて,以前このブログでも紹介したことがある『アクアマリンふくしま』でバショウカジキ公開の情報が.
バショウカジキといえば,鋭く伸びた吻(口先)と大きな背ビレを持っている,ちょっと変わった魚だ.
イラストやテレビなどでカジキの仲間は目にする機会が意外とあるのだが,実は生きたままの状態で飼育するのは大変難しいようで,アクアマリンふくしまが恐らく世界初の長期飼育成功らしい.
というわけで半日の休暇を工面し,コンデジ片手に眠い目を擦りながら始発列車に乗り込み,片道4時間弱,撮影時間3時間の取材に出かけたのであった.


SB15800.jpg
図1.バショウカジキ(クリックして拡大)


さて.
バショウカジキといえば遊泳速度が非常に速い魚としても知られているが,実は遊泳速度の表現方法がいくつも存在する.
まず人間に置き換えるところの,短距離ダッシュと徒歩.
水族館の魚もそうだが,フラフラと泳いでいる時と,餌や敵などを見つけたときのダッシュする時とで泳ぐスピードを変えている.
専門用語では前者を突進速度(もしくは瞬間最大遊泳速度),後者を巡航速度という.
他にも維持速度やら耐久速度やらあって,専門のヒトの間ではきっと厳密な区分があるのだろうけれど,ここでは概要なので省略.


動画1.通常の遊泳


動画2.捕食時の遊泳(結構レア?)


全速力で泳ぎ続けるのは体力消耗につながってしまうのだ.
そして,もう一つが速度の表現方法.
人間と違い,体のサイズがミリメートルからメートルに渡る魚では,『●●cm/sec(秒速●●cm)で泳ぐ』と言う一律表現方法が使いやすい場合とそうでない場合がある.
例えば,『メダカとジンベイザメ,どちらが効率よく泳ぐのか?』を表現したい場合,数センチのメダカが一動作で進む距離とジンベイザメのそれとでは大きく違う.
そんな時便利なのが,BL/sec‘体長あたり’と言う表現方法.

テレビ番組で人間vs. 動物の能力比べみたいな企画をやる時に,全部人間サイズに合せたりするが,要は同じ理屈である.
難点としては,1体長あたりという表現は相対的な表現なので,相手に伝わりにくいことがあると言うことか.
ちなみに,実際に計算するとしたら,体長や体表面の構造も異なるため水の抵抗や粘性も異なるだろうから,実際はどちらが効率よいのか知らないが,あくまでイメェジということでご勘弁を.

最後に.
コンデジでまともに撮影しようとすると,バショウカジキやマグロなどの『泳ぎ続ける系』の魚は結構難しい.
鉄道写真好きも使う手法で,流し撮りといって手動でカメラを動かし,魚にピントを合せ続ける方法もあるが,手ブレと同行者の視線がネック.
しかし,アクアマリンふくしまではバショウカジキの撮影スポットを見つけてしまった.
それが図2のスポット.
(注:もちろん日によって異なる可能性が高いことは言うまでもない.)


SB15801.jpg
図2.バショウカジキお奨め観察スポット


どうも壁側から水流が来ているのか,単にターンの為なのかは不明だが,一旦スピードを落とし,背鰭を広げてからターンしてくれる.
人目さえ気にしなければ,結構いい確立で背鰭まで観察できると思う.
願わくは長生きして欲しいものだ.


引用文献
魚類生理学の基礎(会田 勝美 編 恒星社厚生閣)第1版 p113-114


今日の魚
バショウカジキ( Istiophorus albicans
メダカ(Oryzias latipes
ジンベエザメ(Rhincodon typus


参考サイト
アクアマリンふくしま
非公式水族館ガイド
posted by osakana at 21:58| 埼玉 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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