2006年05月07日

魚本その9 和漢三才図会(原本コピー電子版)

いやはや…僕のブログの内容に多大な影響を与えた本である。
『魚本その4』で紹介した本の原本である。
正確に言うと、原本をスキャナーで取り込んで、それを電子ファイルとして保存したものだ。
出所は長野電波技術研究所という、長野県内の研究機関。
貴重な古書を手軽に閲覧できるようにと、研究所の蔵書を電子ファイル化し、有料で販売しているのだ。
本来このような貴重な画像をブログに掲載する場合、いろいろ手続きをしないといけないのだが、研究所に思い切ってメールを送ったところ『このブログに限るのなら。』と、快諾をいただいた。
このように、僕のブログは、様々な人の理解に支えられて成立しているのである。

で、その内容。
できれば別ウィンドウで『魚話その32』あたりに掲載した和漢三才図会を見ながら読んでいただくと分かりやすい。
百科辞典だけあって、表記もかなり体系化されている。
最初にイラストがあり、次に国内での詠み方、国字表記、語源(万葉仮名での表記)、中国での読み方と続く。
本文は『本草綱目』などの国内の同系の文献や中国の『三才図会』などの引用から始まり、△マーク以降が筆者のコメントとなる。
紹介した内容に同意したり否定したりと、その時々によって異なるが、判断基準が個人的経験に基づいている場合と伝聞に基づいている場合があるため、その根拠が一定の信頼基準を満たしていたのかは疑問だ。
しかし、複数のソースに基づいた判断を行なっているため、できるだけ信憑性を高めるための努力をしていたことも伺える。
当時のITと現在のITとのギャップということを加味すれば、相当な労力を使ったものだということは想像に難くない。
文章の最後には、余談というか、雑記のようなものが記されている。
書かれている内容は、食べ方だったり薬効だったりと、種によってさまざまだ。

編者の寺島良安は大阪の医者で、師の和気仲安から『医者はいろんなことを知らないとダメだ(意訳)』と言われて和漢三才図会の編纂をはじめたらしい。
中国の文献で王圻(おうき)が編纂した三才図会に倣ったもので、和漢三才図会も項目ごとに複数の著者がいるとのことだ。

この本に出会ったことで、僕のブログは古書に手を出すことになったといっても過言ではない。
かつて本の虫こと荒又宏が『いやあ、活字になっているだけましですよ』と言ったことがあるらしいが、初めて和漢三才図会を読んだ時にその言葉の意味を痛感した次第である。
現在、同研究所より『重訂本草綱目』を購入した。
和漢三才図会にどのようなカラミがあるのか、それを検証するのが今から楽しみである。


今日の魚本
和漢三才図会 巻48&49セット(河湖有鱗魚&江海有鱗魚) 
寺島良安 
長野電波研究所(1712年)
ISBN:
2400円

和漢三才図会 巻50&51セット(河湖無鱗魚&江海無鱗魚) 
寺島良安 
長野電波研究所(1712年)
ISBN:
2400円
posted by osakana at 14:51| 埼玉 ☔| Comment(1) | TrackBack(1) | 魚本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは はしぐちです.
ワイルドライフアートの人から情報をいただきましたので垂れ流します(とうにご存じかもしれませんが).杉浦千里氏も影響されたのか?・・・と思わせるような十脚目も居ます.

---以下,メイル引用
川原慶賀の見た江戸時代の日本
http://www.nmhc.jp/keiga01/kawaharasite/top2/top2.html

川原慶賀は江戸時代に活躍した絵師で、
シーボルトの絵を担当した、日本最初といってもいい
近代科学的なサイエンスイラストレーターです。
標本画を正確に描くために西洋画法を取り入れ、
観察に基づいて多くの絵を描きました。
Posted by 松葉画舫 at 2014年09月26日 09:02
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Excerpt: アクセス解析をしながらサイトへのリンクを確認していましたら 大変丁寧というか、素敵な紹介文を見つけまして、 感謝の意味も込めまして、トラックバックさせていただきました。 時々ですがブログのほうも..
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Tracked: 2006-05-14 17:58