2006年06月10日

魚本その10 五百種魚体解剖図説

■構成
全五巻からなり、内容構成は以下の通り。
図版(一)…外観及び、解剖図、横断面
図版(二)…同上
解説版(一)…図版(一)の図の解説、形態と習性、習性と漁法に関する記載
解説版(二)…図版(二)の図の解説、形態と習性、習性と漁法に関する記載
別冊…消化器、心臓の図及びその解説

■凄いとこ
魚類の解剖図として、かなりの種数が掲載されている。
図版に限るなら、未同定種を含め522図が掲載されている。
正確には魚類ではないが、ヤツメウナギやメクラウナギの解剖図まで掲載されているのは嬉しい。


■物足りないとこ
このテの本に多いのだが、図版と解説版が別々なので見辛い。
できれば臓器の英名も入れて欲しい。
頭部以外の解剖図が乏しい。
また、第一巻と他の巻の入手の容易さに雲泥の差がある。
第一巻は数千円で入手可能だが、全巻揃えると19万円ほど。
この差を埋めて欲しい。

■雑感
古書はどこからが古書なのだろうか?
情報が更新されない場合、見た目が古書であってもそれは立派な最新情報であることは否めない。
科学文献を調べていると、数十年前の著書が最新…というかそれ以降研究がなされていないことがあったりする。
その逆も然り。
数年前に出版されたはずなのに、更新に次ぐ更新であっという間に古情報。
情報化社会と言われて久しい昨今、本業(研究業)では必要不可欠だが、日常には入り込んで欲しくない類の慣習である。

本書は昭和40年代の出版であるが、既に古書としての部類に入る気がする。
手描きで、データベースもない時代に500余種の解剖学的な情報を編集したのは非常に凄いことだと思う。
しかし、情報に偏りがあるため、付属として記載した情報が古さを感じさせる。
それが災いし、折角のメイン情報もなんとなく古みを帯びてしまっているのが残念だ。

ちなみに僕は19万円払って全館をそろえたクチではない。
図版(一)は持っているが、その他は大学の図書館で閲覧している。
しかし、出来れば学術的なイミも含め個人所有したい。
残り四冊を格安入手できないものか…

■書籍情報
五百種魚体解剖図説
渋沢敬三・富永盛治郎
角川出版(昭和40年)
189000円(古書価格)
posted by osakana at 20:45| 埼玉 ☔| Comment(3) | TrackBack(1) | 魚本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本持ってます。
こんなに高いとは知りませんでした。
1巻とその解説と、その他がまとめられ、A3版の段ボール箱(表にタイトル)2個に入っています。段ボール箱は傷んでいてそのコーナーはガムテープを貼られた跡が残ることと、1巻の本に付属する蝋紙が破れていますがその他は新品同様です。恩人からもらったのですが、こう高いと欲が出ますね。
Posted by nakano at 2016年05月24日 11:25
>nakanoさま

管理人のosakanaです.
こういう類の書籍って,揃っていると価格が急に上がったりすることありますよね.
和漢三才図会のような古文書も全巻セットだと非常に高額ですが,バラ売りはとても安かったり.
五百種魚体解剖図説については,そもそも2巻以降をバラ売りしているの,見たことがないのですが…
Posted by osakana at 2016年05月25日 08:41
(一)(二)はA3版程度あり箱付きで表紙も厚く立派ですが、それ以降はA4版程度で表紙も薄い。
サイズや装丁違うため知らない人が見ればワンセットではないと思うからでしょうか。
きっとどこかに眠っていると思いますが、、。
Posted by nakano at 2016年05月26日 09:11
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