2006年08月11日

魚本その12 Fish Skulls: A Study of the Evolution of Natural Mechanisms

■構成
大まかに分けると3部構成になる…と思う。
分類群ごとにタイトルがつけられており、それにしたがって分けると細かくなりすぎてしまうのだ。
第1部 魚の頭蓋骨の概論
第2部 各分類群における代表的な魚の頭蓋骨
第3部 まとめ&要約


■凄いとこ
深海魚や古代魚などを始め、とにかく掲載魚種が凄い。
専門書なので当たり前なのだが、各部位の名称が書かれており、異種間での比較がしやすい。
白黒イラストなので、写真よりもコントラストがはっきりし、骨の特徴を捉えやすい。
洋書だが、各魚の頭骨の説明は記載的文章の繰り返しなので、何種類か読んでいるうちに慣れる。
きちんと版を重ねており、新品を入手できる(読む時の取り扱いがとてもラク)。


■物足りないとこ
初版(1930年代)を踏襲して版を重ねているので、少々イラストが見づらい。
手書き文字で骨の名称が記されていることが主な原因か。
また、同じサイズの図であるにもかかわらず、番号の大小とレイアウトが逆になっていたりする。
例えば、Fig.Aが下でFig.Bが上など。
PC編集とはまた違う『味』といえばそれまでなのだけれど。

入手が困難。
amazonで入手可能だが、ちょうど1ヶ月かかった。
他の洋書と比べると、早めの対応の気もするが、和書(特に新書)感覚で購入するとイライラする。

いかんせん魚類骨格研究者向けへ作られているので、普通の辞書には掲載されていない単語があったりする。


■雑感
魚話でもしばし登場する魚の骨格。
僕は魚の骨格の専門的な研究をしているわけではないので、ゆる〜い感じで骨をやっており、やはり見た目もキャッチーな頭骨に目がいってしまう。

実はこの本との出会いは、必然ではなく偶然であった。
ある日睡魔との闘いに勤しむべく、図書室という名の戦地へ赴いたのだが、ただ寝るわけにもいかない。
カムフラージュ用の本が必要なのだ。
そんな不純な動機で見つけたのが、この本だったのだ。

ちなみに僕が出会ったのは1959年出版バージョン。
僕が購入したのは2002年出版バージョン。
具体的にどこが違うのか?
その類のチェックは好きなので、同じタイトルの魚本でも、版が変われば可能な限り購入している。
で、結論を言ってしまうと、装丁と出版部署が変わっていた。
まだ一言一句を比較するには至ってないのだが、引用文献を見た限りでは、特に更新されていないようだ。
そんなわけで、当時の雰囲気ムンムンの情報に触れることができると言えそう。


『立ち読みしてから購入』推進派の僕としては、ぜひともどこかで購入前に一度読んで欲しい。
特に骨好きの人。
この感想文を読んで、購入を即決定という人はいないと思うが。

魚の骨格って、パーツが多い上にバラバラになりやすいので、意外とやってる人が少ない。
趣味では『難しそうだからいいや』で済むかもしれないが、本職のホネ屋さんにとっては死活問題。
そんなわけで、当然の如く本気で情報を盛り込んでいる。
種類が違えば顔の形も違うわけで、当然中身(ホネ)の形も違ってくる。
それでも系統立てて分類することができるのは、筆者の努力の賜物と言えよう。
高い出費になるが、専門書と言う観点から見ると、わりと平均的な価格である。
ちなみにこの本、洋書店でも売っているのを見たことが無い。
それでも、図書館巡りをするなどして一読する値打ちはあると思いますゼ。


■書籍情報
Fish Skulls: A Study of the Evolution of Natural Mechanisms (Transactions of the American Philosophical Society, V. 23, Pt. 2)
William K. Gregory
Krieger Pub Co (2002年)
ISBN:1575242141
$79.50(15000円くらい)
posted by osakana at 02:31| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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