2007年02月18日

魚話その110 食指は動くよいつまでも

●魚の味覚


味音痴である。
自分にとって好きなか嫌いな味かは判る。
が、同じ料理で、普通/ちょっとおいしい/おいしい/すごくおいしいの違いはもうアウト。
まぁ、『おいしい』の守備範囲が広くて、個人的には得をしているんじゃぁないかと思うのだが。

『食指が動く』という言葉がある。
ご馳走にまつわる中国の故事が起源だが、現在は『食欲がそそられる』とか『興味が湧き上がること』といった意味になっている。
で、コレを地で行っているような魚がいる。
それがホウボウ。

ホウボウ正面
図1.ホウボウ正面

パッと見何か虫のようだが、れっきとした魚である。
指(虫なら脚か)のような部分は鰭の一部(遊離軟条と呼ばれている)であり、底の餌を探すのに使っているのだ。

(※以下の動画とその説明文は2007年11月25日に追加)
先日ホウボウが遊離軟条を動かしながら底を這って(?)いる様子を撮影することに成功したので、ここで紹介。




ホウボウ背面
図2.ホウボウ背面

真っ二つの写真で少々申し訳ない。
2006年末に職場近くの飲み屋でホウボウの刺身を注文した際に、皿に乗っかってきたのを拝借したのである。

人間の場合、舌に点在する味蕾(みらい)と呼ばれる場所にあるタンパク質(味覚受容体)を介して『味』を認識している。
味覚受容体はいろんな種類があり、人間でいうところの『甘味』や『苦味』など各々に対応している。
逆に魚に『味覚受容体』があれば、何らかの『味』を感じている可能性がある。
さらにいろんな『味』を与え、受容体が反応すれば、『○○味を感じている』という可能性が高い。
もっとも『味』が一体どこまで人間と同じように解釈できるのか疑問だが。
有害/無害を判別するための有益な手段としても味覚は使われるわけで、ネコに対する葱のように、人間がおいしいと思っても、ほかの動物には有害なこともあるわけだ。
そんなわけで『我々が甘いと感じている物を認識することができる』という表現のほうがいいのかもしれない。

専門の人に言わせると『そう簡単にいくかい。もっと細かく書けや。』と怒られそうで怖いが、とりあえず味覚に関して個人のブログレベルで書いて良さそうなのはここらへんまでなのだ。
論文ではアレコレ出ているけど、調べるのが面倒だし、なにより論文は結構高いのだ。
和文書籍が出版されたら細かく書こうと思う。

味を感じていると言えば、ヒメジやドジョウといったヒゲ(触髭;しょくしょう)などにも味蕾が存在する。

ドジョウのひげ
図3.ドジョウのヒゲ


(※以下の動画とその説明文は2007年11月25日に追加)
ホウボウの動画同様、ヒメジがヒゲを動かして餌を探しているシーンも撮影できたので、ついでに紹介。




いや、もっと他にもいるんだけど、我が家の冷蔵庫にあり、自前の写真で用意でそうなものがこの2種しかなかったのだ。

種類によっても感じる味が違うということが言われている。
ここら辺の研究は、大学や病院のみならず、釣り餌業界も独自のアプローチをしているようだ。
はてさて、気になるアノお魚は何味がお好みか…

今日の魚
ホウボウ(Chelidonichthys spinosus)
ヒメジ(Upeneus japonicus)
ドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus)


参考文献
魚類生理 (川本信之 恒星社厚生閣)第1版 P482-487
Finger TE., 2000, Ascending spinal systems in the fish, Prionotus carolinus, J Comp Neurol.


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posted by osakana at 23:27| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ああ、懐かしや、ホウボウ。
煮て食べると更に美味しいですよね。

それにしてもドジョウのヒゲにも味蕾があったとは。。。
Posted by まゆ at 2007年03月25日 00:22
コメントお久しぶりです。
ホントは他にも文献で面白い魚が出ていたんですけど、写真が無かったんですよね。
僕が面白いと思っても、やっぱり写真を載せないと、一般向けのネタにはなりませんからね。
Posted by osakana at 2007年03月25日 00:55
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