2007年08月18日

魚話その122 リアルタイム骨取りその4 〜本形成と固定〜

●魚の全身骨格標本を作る

警告!
骨取りに使う薬品は家庭用品ですが,普通の使用方法ではないのでむちゃんこ危険です,
最悪の場合,失明・死亡事故も起こりうるガスが出たりするので,作業の度に5分以上流水ですすいでください.
ガスが出る仕組みがよく分からない人はやらない方が良いですが,それでもやりたいという方は自己責任でお願いします.
また,今回は脱脂にアセトンではなくベンジンを使用した場合のホネ取り法を説明しています.
アセトンは薬品の組み合わせ(不十分なすすぎなど)と,偶然の薬品混入によっては爆薬を生じることがあり大変危険なので,注意が必要です.



仮整形が終わったら、今度は本整形だ。
別に一気にやっても良いのだが、整形した部分を支持しながら乾燥させる必要があるため、場所を絞って整形したほうが良い。
作業としては局所除肉と同じで、今度は水に浸した紙を使用する(図1)。
水を加えれば、まだ関節は動かせるのだ。


リアルタイム骨取り26.jpg
図1.局所整形の様子


リアルタイム骨取り27.jpg
図2.整形し終えたところ


整形する部位によっては、支えながら乾燥させる必要もある。
今回の例で行くと、右側肋骨は寝かせたまま乾燥させると、左半身の方に寄ってしまう。
そのため、針を脊椎骨に引っかけ、魚が普段泳いでいるような姿勢にして乾燥させる(図3)。
この方法をヒレの整形・乾燥時に用いると、ダランとだらしなく下がってしまうので、紙で支え台を作るなどの工夫が必要である。


リアルタイム骨取り28.jpg
図3.肋骨整形後の乾燥の様子


乾燥を待つのが面倒ならば、姿勢を維持したまま100%エタノールに浸して脱水してしまうというテもある。

さて。
ここまででかなり骨格表本ぽさが出てきたんじゃあなかろうか?
僕の場合、骨を観察したいだけの場合ここで終了してしまうこともある。
が、長期保存を意識していないため、骨の内部に残った脂分が原因で黄ばみ(脂焼け?)を形成することがある。
そこで必要なのが、後日行なう予定の脱脂や本漂白という工程。
ただし、この工程もやりすぎると骨が脆くなるので注意が必要。

まず最初に本整形で作った状態を維持するために軟骨その他の骨格支持パーツをエタノールで固定してしまう。
ホルマリンの方が固定力は強いのだが、液の取り扱い、廃液処分等を考えると、エタノールの方が圧倒的にラクなのだ。

と、いうわけで、70〜100%のエタノールに半日ほど漬ける(図4)。
写真を撮りやすいように解放した容器に入れているが、密閉した容器に入れてこの作業を行なう。
そのままだとエタノールは揮発したり、水分を吸収して濃度が下がしたりと良いことはないのだ。
70%エタノールの固定力が最も高いと言われているが、実際に用いる魚の骨が湿っていたりするので、そんなに厳密に70%にする必要はない。


リアルタイム骨取り22.jpg
図4.エタノールで固定


取り出した骨をペーパータオルで拭いて軽く液体を拭き取り、半日乾燥させる。


リアルタイム骨取り30.jpg
図5.固定後の乾燥


というところで気力が尽きたので、本日は終了。


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posted by osakana at 20:09| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
参考にさせていたたまいています、質問なのですが魚の異臭の取り方はどうやったらよろしいのでしょうか?
何度徐肉作業に取りかかっても全然とれなくてとてつもなく臭いです…。
Posted by 名無しさん at 2017年03月17日 22:36
初めまして,素人魂〜特濃魚汁〜です.

ええと,魚の臭いが残っているとのことで,気にする気にしないは個人差があるものの,我が家の100以上ある魚のホネ部屋(https://twitter.com/osakanabanashi/status/594853320545542145)に客を招待しても魚臭の指摘を受けたことがないので,たぶん消せているんだと思います.
そこで,いくつか確認したいことがあります.

1.ホネ取りしている魚のサイズ
2.ホネ取りしている魚の鮮度
3.省略している工程(脱脂や漂白など)の有無
4.現在のホネの色

スーパーで売っているマダイの頭(要は掌に乗るサイズの頭)とかで,かつ,十分新鮮,かつ,脱脂等もしている場合であるにも関わらず,ホネが茶色っぽい場合,肉取りが不十分もしくは脱脂が不十分で臭いが残っている可能性が高いです.

「脱脂は危険なので避けたいっ!」という場合は,可能な限り丁寧に肉を取り除くのが大事で,奥まったところの肉や,頭骨の中の脳なども綺麗にするのが重要です.

また,除肉の後に乾燥を挟むと思いますが,乾燥場所に肉汁のような物が溜まっていると,腐敗臭が残ります.
特に夏とかに,いつまで経っても乾かない状態が続くと,異臭が残りやすくなります.

ちょっと憶測でしか書き込めてないのですが,参考になりそうでしょうか?
Posted by osakanabanashi at 2017年03月17日 23:08
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