2007年08月23日

魚話その123 リアルタイム骨取りその5 〜脱脂〜

●魚の全身骨格標本を作る

警告!
骨取りに使う薬品は家庭用品ですが,普通の使用方法ではないのでむちゃんこ危険です,
最悪の場合,失明・死亡事故も起こりうるガスが出たりするので,作業の度に5分以上流水ですすいでください.
今回は爆発性の液体も使います.
ガスが出る仕組みがよく分からない人はやらない方が良いですが,それでもやりたいという方は自己責任でお願いします.
また,今回は脱脂にアセトンではなくベンジンを使用した場合のホネ取り法を説明しています.
アセトンは薬品の組み合わせ(不十分なすすぎなど)と,偶然の薬品混入によっては爆薬を生じることがあり大変危険なので,注意が必要です.


更新を忘れてた。
ええと、今日は脱脂…と思ったがその前に前回の補足。
『ホルマリンによる固定』の話をチョロッとしたが、廃液の問題以外にもまだあった。
『脱灰作用』というもので、長期間ホルマリンを含む溶液に浸しておくと、カルシウムが溶け出してしまうのだ。
骨取りでは長期間ホルマリンに浸すということはないけれど、『どうせただの固定作業だから、放置しても大丈夫だろ…』と思って半年ほど漬けたりすると影響があるかもしれないし、ホルマリン漬けの珍しい魚の標本の骨格を取る際にも、液浸期間を気にする必要があると思う。
それと、メダカのような超小型の骨格標本を作る場合には、一日でも肋骨の端っこの方などが欠けたり脆くなったりする気がする。

話を脱脂に戻そうか。
まず、ベンジンを準備。


リアルタイム骨取り29.jpg
図1.ベンジン


中毒になる恐れがあるのと、発火の恐れがあるのとで屋外でやった方が良い。
『火花でも爆発する』と注意書きにあるので、周囲に火の気がないところでやった方が良いのは言うまでもない。
それから、タッパーの材質によっては恐らく溶けるか変形してしまう可能性がある。
ポリプロピレンの容器は溶けたり穴が開いたりはしてないものの、少々歪んでしまった。

除肉で使った容器の中に骨を入れ、ベンジンをヒタヒタになるまでる注ぐ。


リアルタイム骨取り30.5.jpg
図2.ベンジンを入れたところ


揮発性が高いので、タッパーを使用している人はフタをし、ペットボトルで作った容器の人はアルミホイルかサランラップでフタをする。
で、3〜6時間ほど放置。
最後にベンジンから引き上げ、ティッシュで軽く液体を拭き取り、本整形の時同様に風乾する。


リアルタイム骨取り30.jpg
図3.乾燥中


本日の作業は終了。
次回リアルタイム骨取りの最終回。



補足。
ティラピアはそんなに油っぽくないので、この工程を省いても目立った影響はないのだが、例えばブリなどで脱脂を行なうとこれくらい変わる。


脱脂前.jpg
図4.脱脂前


脱脂後.jpg
図5.脱脂後


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posted by osakana at 23:18| 埼玉 ☔| Comment(3) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。はっぱともうします。
すごい。とても勉強になります。
私も記事を参考にさせて戴きながら、鯛っぽいシカタイ?という魚で作ってる途中です。
今日の所は最初の除肉を終えた所です。
脱脂にはアセトンを使う予定です。
そこで質問なのですが、本漂白というのはどうやるのでしょうか。
Posted by はっぱ at 2010年11月27日 23:29
はっぱさん

初めまして.
ブログを書いているosakanaです.

本漂白は過酸化水素を使用します.
『魚話その124』にざっと書いてみたので,もしよろしければ覗いてみてください.
ブログのアップの順番上,2個後が124になります.

漂白は脱脂同様に骨を痛める(破損しやすくなったり,突起や薄い部分が溶ける)ので,やり過ぎるのも危険です.
それと,塩素系との相性が最悪なので,どの作業を行うにしても,必ず流水で5分以上すすいでから次の工程に移ってください.
有毒なガスが発生するので大変危険です.
密閉した部屋だと,下手すると死にます.
Posted by osakana at 2010年11月28日 02:27
osakanaさんありがとうございます。
124の記事拝見致しました。オキシドールがすぐ手に入りそうなので、それでやってみます。
この骨取りの記事は写真入りで丁寧に説明して下さっているので、すごくわかりやすいです。
最初ミルワームを使う方法で骨取りをしようと思っていましたが、そんなに頻繁にやるわけではないし、使った後の始末に困りそうだったので、洗浄剤を使う方法を詳しく書いてある記事を探していたんですよ。
キッチンペーペー等に洗浄剤をしみ込ませる部分所肉の方法を使えば、小骨の消失を最小限に抑えられそうですね。
完全防備としっかり濯ぎで安全に気をつけ作業をしてみます。
Posted by はっぱ at 2010年11月28日 10:54
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