2005年07月23日

魚話その005 変な名前1

●名前のつけ方
 

図鑑をパラパラめくるとさまざまな名前の魚が出てくる。
しかし、実際に釣りをしていて聞く名前とは違ったりする。

生物の名前のつけ方にはいくつかあり、『学名』『和名』『通俗名』という3つに大まかに分けられる。

『学名』
世界共通で通用させるためにつけられた名前だ。
コレのおかげで、一つの名前は一つの生物を示すことが出来る。
日本語だと個別に名前がつけられているので需要がないかもしれないが、英名などでは、重複した命名はいくらでもあるのだ。
そんなわけで、情報を共有しあうために学名は必要なのだ。
で、学名は斜体のアルファベットで記述されると認識されていることが多い。
間違いではないが、正確に言うと、『本文の書体と区別できる文字を用いる』ということにある。
したがって、全部斜体の文章だったら、ブロック体で学名を書いても良い。
そうでなければ、学名の下に線を引くのでも代用可能だ。
ラテン語もしくはラテン語化した言葉が用いられる。

『和名』
日本国内で情報を共有するためにつけられた名前だ。
図鑑に出ているのがこれ。
よく『学名』と『和名』がゴチャゴチャになっていることもある。
これら2つはそれぞれ、原則として1つの生き物に対して1つしかついていない(間違いによる重複はある)。

『通俗名』
地元で呼ばれている言葉で、これは地方ごとで違ったりする。
例えば、ヤマメという魚がいるが、北海道では『ヤマベ』、東京では『マス』、九州では『エノハ』と呼ばれていたりする。
これらのうち、ヤマメが『和名』、『学名』はOncorhynchus masou masou、『通俗名』
は例に挙げたヤマベとかエノハとかである。

で、よくクイズ番組に出てくるオジサン、これ、和名だから珍妙である。
だが、もっと変な名前の魚がいる。
それがウッカリカサゴ。
なんと、これも和名だ。
命名の由来は『見た目が似てて、うっかりするとカサゴと間違えてしまうから』。
この魚の味も『無難な味』として紹介されていたりする。

ウッカリカサゴの命名をしたのは魚類分類学者の阿部宗明博士(1911〜1996)である。
阿部博士は築地魚市場にやってくる外国の魚に和名をつける仕事もしており、『新顔の魚』という雑誌を作成していた。
ちなみに彼は、机の上が汚いことでも有名な人だったようだ。
卓上は論文や資料でゴチャゴチャ、足元は標本でゴチャゴチャ。
10年間で1度しか片付けてないというエピソードもあるほどだ。
その1度というのが、東大博物館(博士の研究机があった)への行幸啓の前だけだったらしい。
僕が持っている参考文献は雑誌版『新顔の魚』を集めて製本したものだが、当時のページ番号(通し番号になってる)と、製本時のページ番号がずれていてものすごく見づらい。
それも片付けをしない博士の名残なのか・・・?


今日の魚
オジサン(Parupeneus multifasciatus)→FishBaseの画像

ヤマメ(Oncorhynchus masou masou)→FishBaseの画像

ウッカリカサゴ(Sebastiscus tertius)→FishBaseの画像


参考文献
新顔の魚 復刻版(阿部宗明 まんぼう社)第一版 P94,P300 4次


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posted by osakana at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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