2005年07月25日

魚話その7 タナゴの匍匐前進

●這いずるタナゴ


日本の淡水魚でタナゴという魚をご存知の方は多いと思う。
貝に卵を産む魚として有名だ。
メスのタナゴが産卵管を用い、カラスガイなどの大型淡水二枚貝に産卵する。
産み付けられた卵は貝のエラの中で孵化し、外敵から身を守ることが出来るのだ。
さて、貝は入水管と出水管を殻の外に出して水の出し入れを行なっている。
タナゴはこの貝の管に産卵管を突っ込んで卵を産み付けるのだが、ここにキモがある。
入水管は体内に異物が侵入してくるのを防ぐため内側の壁に触手があり、何かが触手に触れると殻を閉じてしまう。
産卵管を触手に触れずに突っ込むのは難しそうだ。
で、どうするか?
出水管に卵を産み付けるのである。
精子の方はというと、入水管の付近で放精する。
こうすることで入水管が水を吸ったときに精液をエラの方に運んでくれるのだ。
うまくできてるなぁ。
でもそれだけじゃあない。
稚魚だってすごい。
バラタナゴをはじめ、多くのタナゴは春〜夏に産卵するのだが、秋に産卵するタイプのタナゴもいる。
イタセンパラ、カネヒラ、ゼニタナゴの3種が秋産卵するタナゴである。
春〜夏産卵を行なう種と違い、孵化した仔魚はそのまま貝にとどまって冬を越す。
かなり長い間貝の中にいるわけだが、この仔魚達、貝から吐き出されないようウジ虫のように這いずる。
管から外に出されそうになると、ウジウジモゾモゾ動き、元の場所へ戻るのだ。
ケナゲ…。

タナゴが貝に卵を産み付けてノウノウと暮らしているだけなのか?
いやいや、そんなことはないのですね。
よく調べてみると、貝もしたたかで、貝の幼生をタナゴのエラにくっつけて運搬してもらっているのだ。
それによって生息エリアの拡大を図っているらしい。
別の機会に書く予定だが、タナゴが産卵に使う二枚貝には淡水真珠が取れる種類もいる。
タナゴを増やすには貝が必要だが、淡水真珠を取るための貝を増やすにもタナゴが必要。
ということはマネーも動き…


今日の魚(+α)
バラタナゴ(Rhodeus ocellatus)
baratanago.jpg

イタセンパラ(Acheilognathus longipinnis)
itasenpara.jpg

カネヒラ(Acheilognathus rhombeus)
kanehira.jpg

ゼニタナゴ(Pseudoperilampus typus)
zenitanago.jpg

カラスガイ(Cristaria plicata plicata)


参考文献
貝に卵を産む魚 (福原修一 トンボ出版)  第一版P9〜10,P15 3次


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posted by osakana at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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