2005年07月30日

魚話その12 本場の熱血野郎!?

●魚の体温


連日の蒸し暑さによる夏バテで心なしか体が軽い。
測ってみたら体重が9kg減っていた。
さて、我々と違って変温動物と呼ばれる魚類だが、一体どのような仕組みで周囲の温度と同調させ(しちゃっ)ているのであろうか?
1.熱エネルギー産生量が少ない。
  体重1g当り、マウスは24時間で239カロリー、キンギョは21カロリーの産生が報告されている。
  ちなみに、1ccの水を1℃上昇させるために必要な熱量が1カロリー。
2.断熱材がない
  我々は脂肪や毛、羽毛といった断熱層を持っているが、魚類ではほとんど持っていない。
3.熱発散性が高い
  我々と違って『口から吸って口から吐く』という往復方式ではない。
  一方通行で新鮮な周囲の温度の水がエラを通過する。
しかも魚類のエラは体表近くにあり、血液がエラの血管を通過時に熱は水中へと放散される。
  つまり、エラの血管がラジエーターの代わりをしちゃっているのだ。
こうして魚は周囲の温度と体温を同調させ(しちゃっ)ている。

さて、魚の体内では血合筋(ブリの切り身とかについてる赤黒いアレ)での熱の生産量が極めて多い。
普通の魚では、血合筋を通過する際に温められた静脈血は、先ほど挙げた3つの理由により冷まされてしまう。
しかし、マグロ・カツオ・カジキといった大型で素早く泳ぎ続ける魚の場合はちょっと違う。
血合筋の中に動脈と静脈が密に並行して、奇網と呼ばれる形状をとっている。
これにより、血合筋を通過した静脈血は、すぐにエラへ血液が運ばれず動脈血を温めることが出来る。
ごみ焼却炉の余熱をクリーンセンターの温泉に再利用しているのをイメージしてもらったら分かりやすいだろうか?
こうして温められた動脈血が全身を駆け巡るため、周囲の水温よりも14℃も高い体温を維持しているという報告もある。
周囲より高い温度を保つことで活発に動くことが出来るのだ。


今日の魚+α
キンギョ(Carassius auratus)
kingyo.jpg

マグロ(Thunnus obesus)
maguro.jpg

カツオ(Katsuwonus pelamis)
katsuo.jpg

カジキ(Tetrapturus audaxなど)
bashoukajiki.jpg

マウス(Mus molossinus)


参考文献
魚類生理学概論 (田村保 他 恒星社厚生閣) 新版P76〜79 3次


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posted by osakana at 00:46| 埼玉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
金魚で思い出したけど、金魚すくいも夏っぽくて話題にしやすいかもね。書くことあったらまたよろしく!
Posted by 香山哲 at 2005年07月30日 16:33
なるほどね!
たしか手元にそんな感じの書籍があったはず。
見つけて、かつ、この書き込みが忘れられる頃に上げる予定です。
Posted by osakana at 2005年07月30日 18:58
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