2005年08月03日

魚話その16 1尾で2度美味しい〜フグの話〜

●フグゲノムプロジェクト


大阪へ行くことになった。
ある高価な実験装置を借りるため、大阪へ行くのだ。
さて、大阪といえばテッチリ、そう、フグである。
食味もさることながら、2001年を越えたあたりからトラフグはかなりアツい魚となっている。
21世紀に入るか入らないかの頃、ヒトゲノムプロジェクトという研究が進められていた。
人を細か〜く見ていくと細胞の集合体になっており、それらには全てDNAが入っている。
DNAは4種類の『塩基』と呼ばれる物質から出来ており、4種の塩基(A:アデニン,T:チミン,C:シトシン,G:グリシンという)の並び方が遺伝情報となっている。
例えば、ATGTGTAGGCTATGTATGTGT…(いい加減な配列です)という感じで並んでいるのだ。
DNAは一部の細胞を除き、すべて塩基の並び方は一緒である。
で、この配列を全部読みとって解読してやろうというのが、そのプロジェクトの目的である。
これにより、難病の原因がわかるのではないかと期待されている。
が、人のDNAの配列をすべて読むと言っても、塩基を30億個読まなければならない。
A,T,C,Gからなる30億文字分の配列を読まなければいけないのだ。
これも、いろんな技術革新・アイデアの導入によって解決された。

で、フグはどう関わっているのか?
フグはヒトの7分の1のDNA量しかないにも関わらず、ヒトとほぼ同じ機能を備えていることがシドニー・ブレナーという老科学者(実物は元気だったが)により分かったのである。
何故こんなことが起こるのか?
DNAの塩基配列は9割近くは遺伝情報を持たない不要な配列であるとされている。
最近では異論も出てきているが、とにかく、この『不要な配列』をフグはあまり持たないため前述したような現象が起きているのだ。
必要な配列の割合が多いので、ヒトのDNA配列と比較をすることで遺伝子解読の効率化が期待されている。
また、現存する脊椎動物で最多数派は硬骨魚類である。
その進化の道筋も明らかになるかもしれない。
等々、フグは食味に限らず、美味しい物をいろいろ持っているのである。


今日の魚
トラフグ(Takifugu rubripes)
torafugu.jpg


参考文献
海洋生物の機能 (竹井祥郎 東海大学出版会) 第1版P160〜165 3次


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posted by osakana at 07:32| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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