2005年08月04日

魚話その17 背に腹は代わりまくり

●ウナギの蒲焼小話



『魚話その5』でも書いたが、関西に行くというので思い出した。

ウナギの蒲焼の作り方にも関東風・関西風が存在するのは有名だ。
関東風は、
  背開き→頭をとる→白焼き→蒸し→蒲焼
関西風は、
  腹開き→頭を残す→白焼き→→→→蒲焼
となっている。
なぜ背開き腹開きに分かれるのか?
一つ興味深い話がある。
江戸時代、関東では侍が多く、切腹につながる腹開きを嫌ったため、背開きが一般化した。
関西では商人が多く、より効率よく作業を進めるため、内臓を取り出しやすい腹開きが一般化した。
ただし、腹開きには『自腹を切る』というイメージがあるから、関西で腹開きが好まれる理由にならないという指摘もある。
また、九州地方では背開きが好まれるということもあり、ウナギの調理法がどのように範囲を拡大していったのかは、僕の手元の資料(微々たるモンだけど)には出ていなかった。

さて、文化的背景をさらに突っ込んで。
『蒲焼』と言う言葉が初めて文献に登城したのは、1399年の鈴鹿家記とされる。
当時の調理法では、ウナギを筒切りにして串に刺していたため、その様子が蒲(ガマ)の穂に似ていたことから、『蒲焼』と呼ばれるようになったとされる。
ちょっと気になるのは、『魚話その5』でも書いたように、ウナギを食す習慣は700年代からあるわけで、文献に蒲焼が登場するまでの600年余り、どのような調理法がなされていたのだろうか?
生のままでは、血液にイクチオトキシンという有毒成分が含まれているためだ。
加熱で簡単に壊れるため、蒲焼を食べても問題はないのだが…
当時の調理法は気になるところだ。


今日の魚
ウナギ(Anguilla japonica)
unagi.jpg

参考文献
ウナギの科学 (小澤貴和 他 恒星社厚生閣) 第1版P2〜3 3次
魚料理のサイエンス(成瀬宇平 新潮選書) 第1版P46,48 3次


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posted by osakana at 01:05| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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