2005年08月10日

魚本その1 魚と伝説

いきなり内容が変わったように思われる方もいるかもしれないが、もともと設けていたコーナーなので、気にしないでください。
で、第一回目は、我らが友人カヤマテツより送られてきた魚本、『魚と伝説』の紹介。

著者は、お魚博士で有名な、故・末広恭雄先生によるサブワークの集大成ともいえる本と思われる。
大まかにいうと、全国津々浦々で見聞きしてきた伝説を魚類学者の視点から語っていくというもので、結構夢がない文である。
が、あくまでこの人の解釈というように割り切って読んでいけば、歴史的資料中に存在する魚の伝承集としても用いることができる。
もともと伝承は、魚の話をするために作られているわけではないので、伝承の中から魚の話をピックアップするだけでも大変である。
また、古典・漢文・美術作品などからの情報からも魚情報をピックアップしており、魚と人間の文化的背景を考えるうえで、非常に『ベンリ』な一冊といえる。

各魚種にまつわるいくつかのエピソードと、それに対するコメントからなっている。
身近な魚種ほど伝承が多いが、その一方で、漁村と高級料亭でしか目にかかる機会がないような魚の伝承も掲載されており、情報量は多い。
『釣りキチ三平』を読んだことがある方はピンと来るかもしれないが、片目の魚のエピソードなど、伝承モノのストーリーの回の内容が本書と重複していることがある。
参考文献にしていたのだろうか?
ただし、『伝承を科学で解明する』ことが根底にあるようで、ちょっと残念。
伝承や民俗学と魚の関わりに関しては、矢野憲一氏の解釈の方がすんなりくることも多い。

しかしまあ、魚本の中でも科学読み物を多く読んできた僕にとって、この一冊は新たなジャンルをもたらしてくれたといっても過言ではない。


今日の魚本
魚と伝説 
末広恭雄 
新潮社版(1964年)
ISBN:4101222010
294円
※1964年当時の価格


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posted by osakana at 00:40| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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