2005年08月14日

魚話その20 Who are you?

●名前を考えるその1


以前、ウナギの初期の呼び名と思われる、大伴家持の和歌を紹介した。
これが元というわけでもないが、結構語源や関連情報を調べるのも面白いと思えるようになったのは事実である。

事例1.サメ
『サメ』の語源は万葉集の『狭(さ)目(め)』に由来するという説(新井白石の説)がある。
あの目つきの悪さからきているのだろうか?
また皮がざらついているという意味から転じた『沙(さ)肉(み)』が語源という説(松岡静雄の説)、 体に斑点のある魚という意味で『斑(いさ)魚(み)』が語源という説(榮川省造の説)もある。
漢字の鮫には『くねくねと交わるようにして泳ぐ魚』『交尾をする魚』などの数説がある。
また、サメと同義の鱶(フカ)という漢字にも『胎内で子供を養う魚』 が起源とする説がある。

事例2.ニベ
ニカワという物をご存知だろうか?
日本画などに興味のある方はご存知だと思うが、動物の骨や皮を煮詰めて作る接着剤である。
これにニベという魚が使われることが多い。
で、その接着剤が作れない→くっつくことができない→取り付くシマもない→『にべもない』の語源になったという。

事例3.ドジョウ
童謡『春の小川』にも出てくるあれである。

『魚話その5』で紹介したように、ドジョウにも学名がついている。

Misgurnus anguillicaudatusというのだが、anguillicaudatusはanguilla(ウナギ)+caudatus(尻尾)という意味になる。
確かにほそっちぃし、和名でもそうだが、ほそっちぃ魚には『ウナギ』が名前に付いたりすることが多い。
でもMisgurnusってのはどういう意味なんだろう…?

余談だが、脊椎動物で初めて単離された『ソデフリン』というペプチドフェロモンがある。
こちらも和歌と関連している。
額田王の和歌
茜(あかね)さす紫野行き標野(しめの)行き野守(のもり)は見ずや君が袖振る
で、繁殖期のオスイモリ繁殖行動と額田王の前夫の大海人皇子が袖を振っている様をかけて『ソデフリン』と命名したのだ。
ソデフリンは10個のアミノ酸が結合して出来ているのだが、オキナワシリケンイモリで発見された『ソデフリンと似た効果を持つ物質』は、ソデフリンのN末端のアミノ酸配列がSIPからSILに変化していた。
で、シリケンとSILをかけて『シリフリン』…
なんとなくイメージは尻振りん…
ソデフリンはロマンチックだったのになぁ…


今日の魚+α
サメ(Chondrichthyes)
ニベ(Nibea mitsukurii)
ドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus)
madojou.jpg

イモリ(Cynops pyrrhogaster)
オキナワシリケンイモリ(Cynops ensicauda popei)


参考文献
魚のエピソード (尼岡邦夫 東海大学出版会) 第1版P235 4次
骨の学校3 (森口満 木魂社) 第1版P54 5次
BE-PAL (小学館) 2002年10月号P110〜111 5次
Oxford Latain Dictionary (P.G.W.GLARE Oxford)


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posted by osakana at 12:07| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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