2005年09月23日

魚話その32 占いには念を入れて…

●鮎と鯰


先の連休で福島まで釣りに行って来た。 結果は…まぁおいといて、ニホンザル(と思われる)の頭骨を拾った。

サル右.jpg

サル左.jpg

サル正面.jpg

魚と違い、パーツががっちり結合しているうえに、なんか見た目もカッコいい。
魚フェチの僕であるが、いつか哺乳類の骨もモノにしてやろうと思っていた。
が、いかんせん魚以上に悪臭が出るので、哺乳類を自宅で処理するには限界がある。
したがって、今回のように白骨化したモノを拾えるのは、この上ないラッキーなのであった。

さて。
その喜びを大学時代の同期Y女史(カエルフェチ)に自慢したところ、登山を堪能し、さらに『鮎の塩焼き』を食すなぞという、日陰な生活を送る僕にとって至極健全かつ羨ましい返答があった。
なんか悔しいので、今回のネタはアユ…と思いきやナマズである。
その理由は読めば分かる…はず。

『鮎』といえば現在ではアユを指すが、江戸時代以前にはナマズを指していた。
最近『倭漢三才圖會(和漢三才図会とも書く)』という、江戸時代の百科事典の原書コピーを入手したのだが、ナマズのページに『鮎』と書かれていたのだ。
wakansansaizue.jpg

最初は誤写と思ったが、他の資料を調べてみたところ、どうも違うらしい。
体表が粘りけを帯びている魚→魚+占→ナマズという由来があるようだ。
他に『魚+夷(PCの辞書に入ってない)』という表記方法がある。
鯰は国字、『魚+夷』という文字は漢字であったため、当時キャッチーだった漢学系の書物では用いられていなかったらしい。

ナマズといえば地震を思い浮かべる人も多いと思う。
ナマズと地震を関連付けた記述は意外に古い。
天正地震(1586年)を体験した豊臣秀吉が、『ナマズの起こす地震に対しても堅固な城作りをするように!(意訳)』という書状を出していたようだ。
また、地震以外にもナマズを信仰の対象として崇める風習が報告されている。
熊本県阿蘇のナマズ信仰(治水を司る神として)や、アボリジニのナマズ信仰(輪廻転生の一環でナマズを経る)などだ。
他にも白ナマズ(白癜:皮膚病)の治癒祈願の対象としても祀られていたりするが、皮膚病とナマズ信仰の関連は不明のままだ。

最後に。
ナマズといえば、2本の長いヒゲが目立ち、ナマズのイラストでも2本しか描かれていない事が多い。
が、実際は下あごにも結構はっきりしたヒゲが2本生えているのだ。
しかもそのヒゲは、幼魚の頃はさらに2本多い。
ナマズのイラストを見かける機会があったら、確認してみるのはいかがだろうか?


今日の魚
アユ(Plecoglossus altivelis altivelis)
ayu.jpg

ナマズ(Silurus asotus)
ナマズ.jpg


参考文献
鯰-魚と文化の多様性- (滋賀県立琵琶湖博物館 編 サンライズ出版) 第1版 P29〜30,P34〜37,P86〜94 3次
和漢三才図会 第50巻 (寺島良安 長野電波研究所) 原本コピー※ 4次

※web用の画像資料として、所蔵元である長野電波研究所の了承を得ています。


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posted by osakana at 18:33| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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