2005年10月10日

魚話その36 オ・ト・ナの証

●ヒゲ何本?


髭が生えると大人になったんだなぁと思ったりする。それは人間での話。
魚の場合は味覚や触覚を担当していたりするので、大人にならないと生えてこないというのはちょっと困ったことになりそうだ。

ヒゲが生えている魚は結構いる。
例えばコイがそうだ。
人間でいうとこの上唇の辺りに左右に2本ずつ、計4本生えている。
フナやソウギョはコイとよく似ているが、ヒゲが生えていない。
水族館で見る機会があったら、口元を見てみるとすぐに分かる。
他にもいろいろ違いはあるが、とにかくヒゲの有無を見るのが手っ取り早い。

他にはドジョウもたくさんヒゲが生えている。
ドジョウは童謡に出てくるほどポピュラーな魚ではあるが、ドジョウの絵を描こうとすると、『?』となってしまう。
答えは10本。
人間に例えるなら、鼻と上唇の間に長めのヒゲが6本、下唇と顎の間に短めのが4本生えている。
ただしフクドジョウのように6本だったりホトケドジョウのように8本だったりするやつもいる。
が、下唇のヒゲの本数が他のドジョウと違っているのだ。
上唇の6本というのは基本的にキープされている。

海の魚でもヒゲが生えた魚はいる。
オジサンという、『変な名前の魚クイズ』などで出題されそうな魚の下顎には2本の長いヒゲが生えている。
また、海釣りで(本当はおいしいのに)外道として扱われてしまう可哀想な魚、ゴンズイにも上下に4本ずつ、計8本のヒゲが生えている。
余談だがゴンズイはナマズの仲間とされている。
しかしナマズの仲間は非常に数が多く、専門家の間でもどうやってグループ分けをすべきか頭の悩ませ所となっているらしい。

ああそうだ、ナマズで思い出したぞ!
『魚話その32』でも書いたが、ナマズのヒゲは4本である。
結構イラストとかを見ると、下あごに生えているヒゲが描かれていないことが多い。
手持ちの資料に掲載されている古い図鑑を見ると、結構本数はバラバラであった。
倭漢三才圖會(江戸中期の百科事典)、本草綱目(江戸末期の博物学誌)、地震世直草子(江戸末期の瓦版雑誌)では2本、訓蒙図彙(江戸前期の百科図鑑)、日東魚譜(江戸中期の魚類図鑑)では4本であった。
背側から描くとどうしても下顎の2本は省略されがちだが、訓蒙図彙では無理やり描き加えられていた。
またナマズのヒゲは、若い頃(数cmくらいまで)は6本である。
成長とともに2本消失するのだ。
大人になるとヒゲが減るっていうのもちょっと変な感じがするが、まぁ人間とは用途が違うわけで。

ちなみに僕は髭密度が小さいため、伸ばしてもまばらにしか生えてこない。
なんとなく服の下に隠れちゃう類のヒョロヒョロした毛がまばらに生えるのだ。
卑猥なことこの上ない。
だから、僕が髭を伸ばす時は、オデキができて髭が剃れないとか、なんかそういうしょーもないときだけである。
ま、そんなことはどうでもいいんですがね…。


今日の魚
コイ(Cyprinus carpio)
koi.jpg

ソウギョ(Ctenopharyngodon idellus)

フナ(Carassius gibelio)

マドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus)
madojou.jpg

フクドジョウ(Noemacheilus barbatulus toni)

ホトケドジョウ(Lefua echigonia)

オジサン(Parupeneus multifasciatatus)
ojisan.jpg

ゴンズイ(Euscaphis japonica)

ナマズ(Silurus asotus)
ナマズ.jpg


参考文献
日本の淡水魚 (川那辺浩哉 他 山と渓谷社) 第2版 3次
日本の海水魚 (岡村収 他 山と渓谷社) 第3版 3次
鯰-魚と文化の多様性- (滋賀県立琵琶湖博物館 編 サンライズ出版) 第1版 P87〜91 3次
和漢三才図会 第50巻 (寺島良安 長野電波研究所) 原本コピー 4次


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posted by osakana at 01:40| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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