2005年10月13日

魚話その37 殿様@目黒

●サンマの話


食欲の秋だ!
秋と言えばサンマである。
僕はサンマが大好きだ。
日本人全員がサンマ好きに違いないと錯覚できるくらいサンマが好きだ(←意味不明)。
とにかくそれくらいサンマが好きである。

『サンマは目黒に限る』なんて殿様は語っとるが、サンマは北に限る。
サンマは海流に乗ってズンズン南下しており、南へ行くにしたがって体内の脂肪分は減ってしまう。
脂肪分は断熱材(耐寒用)、エネルギー源として用いられているようだ。
旅の目的はというと、産卵や成長のためである。
サケの産卵のようなダイナミックさはなく、浮遊している海草に産み付ける。
産卵数を調べた人がいて、資料に掲載されていた。
1gの海草あたり平均400個弱(隠岐の集団)。
南下中に産卵する集団と北上中に産卵する集団がいるので、全ての集団に該当するとは言い切れないとは思う。
また、春生まれの集団と秋生まれの集団に分かれ、回遊のルートが違っているらしい。
ちなみにサンマは一年で命のサイクルを終える、一年魚なのだ。

江戸時代中期の資料によると、冬〜春に紀州、泉州、西海で獲れるという記述があり、サンマは下賎な魚であるとも書かれていた。
現在食べているサンマの漁獲地(北海道)よりもずっと南方であり、脂の乗り方に差があったために旨みを感じなかったのかもしれない。
また、江戸時代は大トロよりも赤身が好まれたという。
現在とは嗜好がちょっと違ったのかもしれない。

さてさてちょっと脱線して、コイの話題。
コイは食欲旺盛で、水中のタニシなども食べてしまう。
しかし、コイの口には歯が生えていない。
どうやって食べているのかというと、ノドの奥の方にある咽頭歯という特殊な歯によって噛み砕いているのだ。
で、なぜ突然コイの咽頭歯の話題が出てきたのか?
それは、サンマにも咽頭歯があるからである。
ちょっと魚が好きな人や釣りにのめり込んだ人だったら、コイのノドの奥に歯があるというのは聞いたことがあるかもしれない。
しかし、あの歯(咽頭歯)がサンマにもあるのだ!

最近は頭と内臓が取り除かれてしまったサンマが販売されているのが目に付く。
咽頭歯はエラの辺りにくっついているので、断頭サンマでは観察できない。
確かにサンマの口でビニール袋に穴があき、買い物袋が生臭くなるかもしれないが…
たまにゃあ、頭つきのサンマを買って、家族にサンマのウンチクを語ってみたらどうでしょうか?
『サンマはノドの奥に歯があるんだぞ!』ってね。


今日の魚
サンマ(Cololabis saira)
コイ(Cyprinus carpio)
サケ(Oncorhynchus kisutchなど)


参考文献
和漢三才図会 (寺島良安)巻51 4次
金目鯛の目はなぜ金色なのか? (佐藤魚水 新人物往来社)第1版P90〜92 5次
すしの魚 (末広恭雄 平凡社)第1版P22 5次
骨の学校3 (森口満 木魂社) 5次
新版魚類学 (松原喜代松 恒星社厚生閣)第1版P584〜597 3次


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posted by osakana at 07:00| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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