2005年10月29日

魚話その42 鈴木一族の野望

●魚の分類とスズキ目


さて、先日負った指の怪我も無事に治り、今は一部の後遺症が残るのみとなった。
神経がちょびっと切れたので、指先の一部に無感覚エリアがあるのだ。
まぁ、ルアー製作も実験もなんら支障が生じていないので、特に問題はないだろう。

(使いまわしネタではない)復帰第一弾はスズキの話。

サイズや地方によって名前が変わるが、とりあえず日本共通の名前はスズキ。
奉書焼や洗いなど、一風変わった調理法でも有名だ。

さて本題。
魚に限らないが、我々は見分けがつけられる違いを元に分類を行っている。
共通の認識を持てるので便利なのだ。
地域集団とかを除くと、一番小さなカテゴリーが『種(しゅ)』である。
ヤマメやコイなど、普段我々が名前で呼んでいる魚はそれぞれ別々の『種』である。
特に似通っている『種』を集めたグループが『属(ぞく)』、似通った『属』を集めたグループが『科(か)』、似通った『科』を集めたグループを『目(もく)』と呼ぶ。
例えば、コイ目というグループで図示するとこんな感じだ。


コイ目---ドジョウ科---Misgurnus属---マドジョウなど
    |       |
    |       --Cobitis属-----シマドジョウなど
    ---コイ科-------コイ属--------マゴイなど
         |
         ----フナ属--------ギンブナ・ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)など
         |
         ----タナゴ属------ニッポンバラタナゴ・ヤリタナゴなど

スペース不足ゆえ、ごく一部を書いただけであり、この図は不十分すぎて使い物にならない。
要は小さなグループが集まって、さらに大きなグループができるという状況を示したかったのだ。
また『似通っている』のは外観だけとは限らない。
成長段階のある時期の特徴だとか、DNAの配列だとか、いろんな要素によって『似てる・似てない』を決めている。
だから、今でもちょくちょくグループ分けは変更されることがあるのだ。

で、この『目』というグループも複数存在する。
そんな中で圧倒的多数派を占めているのがスズキ目なのである。
全世界に魚類は25000種類ほど存在すると考えられているが、スズキ目にはそのうちの3分の1強を占める9300種ほどが所属している。
とはいうものの、例えばコイ目やサケ目、ニシン目、ナマズ目、フグ目のように外観からしてかなり異なる特徴を持ったグループとは異なり、スズキ目の魚類は実に様々な外観を持つ。
どんな魚が属しているかというと、名前の元となったスズキ、オオクチバス(ブラックバスね)、ベラ、サバ、ライギョ、キス、チョウチョウウオ、ハタハタ、クロマグロなど、とにかくスーパーに並んでいる魚の多くがスズキ目といっても過言ではないんじゃなかろうか?
なんか他の『目』にグループ分けできなかったから、集めちゃいましたっていう印象すら感じる。
で、実際このスズキ目を細分化したほうがいいんじゃないかという考えも出ているようだ。
僕は分類学者ではない(魚類に関する研究ではあるが…)ので、最先端の情報はすぐには入らず、若干のタイムラグが生じるが、そこは勘弁願いたい。

日本人の名字でもトップ3に入る鈴木だが、奇しくも魚の世界でもスズキは多数派であるようだ。
残念ながら、タナカ目やサトウ目の魚はいないのだが…


今日の魚
スズキ(Lateolabrax japonicus)
マドジョウ(Misugurnus anguillicaudatus)
シマドジョウ(Cobitis japonicus)
マゴイ(Cyprinus carpio)
フナ(Carassius gibelio langsdorfi)
ゲンゴロウブナ(Carassius auratus cuvieri)
ニッポンバラタナゴ(Rhodeus ocellatus kurumeus)
ヤリタナゴ(Tanakia lanceolata)
オオクチバス(Micropterus salmoides)
ベラ(Choerodon sp.)
サバ(Scomber japonicus)
ライギョ(Channa argusなど)
キス(Sillago japonica)
チョウチョウウオ(Chaetodon sp.)
ハタハタ(Aroctodcopus japonicus)
クロマグロ(Thunnus thynnus)


参考文献
魚の分類の図鑑 (上野輝彌 他 東海大学出版会) 第1版 3次


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posted by osakana at 03:08| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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