2005年11月21日

魚話その46 九州急襲その3〜阿蘇?Ach so編〜

●阿蘇信仰とナマズ


さて九州話の最終回。
熊本に来たのに、福岡での話がメインになってしまった。

熊本といえばい草、馬刺、カラシレンコン、熊本城が有名だ。
しかし、それらを堪能することは無く、フラフラと九州をさまよっていた次第だ。

さて、前述した名物以外に、熊本には阿蘇という極めて有名な霊地がある。
そして、この地には阿蘇信仰という古くから伝わる信仰が存在する。
要は全国各地に存在する信仰の一種だと思ってもらえばよい。
狐様とか●●様とか、そんな感じで祭ってあるアレである。

で、阿蘇信仰と魚に何の関係があるのか?
阿蘇信仰では鯰が神として祭られているのである。
『魚話その40』で書いたように、鯰と地震を結びつける信仰は多いが、阿蘇信仰は違う。
皮膚病治癒祈願の神なのだ。
阿蘇信仰を信仰する神社では、白癜(しろなまず)という皮膚病の治癒祈願のための絵馬が奉納されているのだ。

阿蘇山まで行くのは大変だなぁとおもっていたら、『彦一とんち話』で有名な八代付近に阿蘇信仰系の神社が多数存在することが判明。
その中の一つ、豊葦原神社こと遥拝神社へ行ってみた。
遥拝神ミ.jpg

本殿を覗くと、確かに祈願の絵馬(というか願い事とイラストの入った紙)がかかっている。
きちんと鯰の絵も描かれている。
このテの奉納物を魚汁ごときが撮影・公開するのはアレなので、スケッチで。
絵馬.jpg

大きさは書道で使う半紙ぐらいだろうか?
近くまで寄れないので、サイズ感覚は大まかである。
それにしても、絵馬って神社の境内に沢山ぶら下がっているものだとばかり思っていたが、神に描いたものや、本殿の屋根の下に一個だけ置いてあったりすることもあるらしい。
う〜ん勉強になるなぁ。

さて、鯰と皮膚病治癒祈願のルーツはよくわかってないらしい。
そもそも阿蘇信仰における鯰は、カルデラに居ついた大鯰を、開拓時に追い払った事を詫びるために祭られている。
その名残で、阿蘇信仰エリアでは鯰を捕まえたり食べるのを禁じてきた。

現在もそうなのか確かめるべく、今回は人吉近辺の住人に聞き込を行なってきた。
とはいっても、駅〜神社の3kmで出会った人々に話しかけただけだが。
で、その結果が以下の通り。

まず出会った人々
地元の老人(男2、女2)
タクシー運転手(男2)
地元のコンビニ店員(女2)
阿蘇出身のキャバ嬢(1)
地元の高校生(女2)     …計11人

これらの人に阿蘇におけるナマズの立場を質問してみた。
Q1.ナマズを知ってるか?見たことがあるか?
Q2.ここら辺(八代)ではナマズが神様として祭られているが、何の神様としてか知ってるか?
Q3.ナマズを食べたことがあるか?または食べる話を聞いたことがあるか?

Q1〜3に対する回答は以下の通り
A1.はい(11)、いいえ(0)
A2.地震(7)、白癜(4)
A3.聞いたことはあるが食べたことは無い(8)、聞いたことも食べたことも無い(2)、食べられること自体を知らなかった(1)

時間の都合であんまり人数は稼げなかったが、どうやらナマズと地震を関連付けする人が多いこと、ナマズを食べる習慣は見られないことがわかった。
特に若い人ほど地震とナマズを結びつける傾向があった。
テレビでもナマズと地震を関連付けるような発言はある。
そもそも郷土史をどれくらい知っているかという問題もある。
僕だって魚が好きで、調べていたら阿蘇信仰の事を知ったわけだけれども、自分が住んでいる付近の郷土史には全く自信がない。
また、ナマズ食に関しては、食べないというより、食べられる事を知らないというほうが正しいかもしれない。
関東ではナマズとかウナギとかの料理屋があるので、僕にとっては新鮮であった。

今回初めて聞き込まで行なったが、個人的には興味深い結果を得ることができた。
今後もどこかでやろうかな…
ナマズ信仰を調べている中で、大阪に痔の神様としてエイを祭っている神社があるという情報を入手した。
じゃあ次の取材は…


参考文献
鯰-魚と文化の多様性- (滋賀県立琵琶湖博物館 編 サンライズ出版) 第1版 P86〜94 3次


おまけ
遥拝神社の横を流れている球磨川(魚は見当たらず…)
球磨川.jpg


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posted by osakana at 17:20| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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