2005年11月22日

魚話その47 類は友を巻き添えに…

●いろんな友釣り


久々の休暇。
なんか(知人の)授業に使えそうな面白いネタはないかな〜と高校理科の教科書(僕は図説の方が好きだった)をめくっていたら思いついた。
そういえば『動物の行動』とかいう単元で『アユの縄張り行動』なるネタがあった。
初夏〜夏のアユは縄張りを作り、そのエリアに入ってくるよそ者のアユに体当たりをして追い払おうとする。
この習性を利用したのがアユの友釣りである。
たしか教科書にはそんな感じの説明がされていると思う。
実際のところ、釣り糸にオトリアユと針をくっつけて縄張りの中へ送り込む。
で、体当たりしてきた縄張り主のアユが針にかかる。

オトリアユは川の近くに住む釣具屋や民家の人がそれ用に飼育しているのを売ってもらうのだが、『釣りキチ三平』という漫画で興味深い話を見つけた。
オトリに使うアユは別に生き物でなくってもいいんじゃないか?
要は自分の縄張りへの侵入者追い払う行動が起きればよいわけで、魚っぽく動く別のもので代用できるならそれに越したことは無い。
毎回オトリアユを買わなくても済むし、オトリを弱らせないように気を使う必要も無くなる。
そんな発想のもと生まれたのがオトリルアーのストーリーであった。
ルアーといえば、最近何かと話題の(ブームは去ったようだが)ブラックバスを思い浮かべる人が多いはずだが、魚の習性を利用して釣れる人工物は何でもルアーと言える。
実際、漫画の中だけだと思っていたこのアイデアは商品化されて実績を上げている。
使用方法はオトリアユを使った場合と同じで、縄張りの中にオトリルアーを送り込んで泳がせてやるだけ。
縄張り主のアユが体当たりをしてきて釣れるわけだ。
ただし、オトリルアーによるアユ釣りは禁止されている河川もあるので注意が必要である。

『縄張りから侵入者を追い払う』
それがアユの友釣りの仕組みであることは既に述べた。
じゃあその逆は無いだろうか?
思わず魅惑されてしまう。
それが本来の目的で使われているルアーであり、これは食欲に訴えかけている。
しかし調べてみると他にもあった。
繁殖相手を利用した友釣りがそれである。

繁殖期を迎えたウグイのメスを捕まえ、アユの友釣り仕掛け同様に釣り糸の先にメスウグイと針をくっつけてやる。
そのメスウグイを群れの中に放すと、オスが寄って来て針に引っかかるというわけだ。
紀州の魚本に思い出話として出ていた。
そういえばこれってヒキガエル釣りに似てるなぁ…。
確か糸の先にコンニャクをぶら下げて繁殖期のヒキガエルの群れの中に放すと、オスが抱きついてくるのだ。
オスとコンニャクというなんか淫靡な組み合わせだが、程よいサイズと抱き心地がメスに近いのだろう。
気に入らないオスに対しメスは拒絶の合図を出すが、コンニャクは拒絶をしない。

そういえば人間界でもありそうだ。
きれいなおねーちゃんに誘われてフラフラついて行くと、こわ〜い男の人が奥で待ち構えてて…合掌


今日の魚
アユ(Plecoglossus altivelis altivelis)
ayu.jpg

ウグイ(Tribolodon hakonensis)


参考文献
紀州熊野さかな歳時記 (福井正二郎 はる書房)第1版 P26 5次


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posted by osakana at 01:27| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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