2005年11月25日

魚話その48 吐瀉物鑑定

●胃の内容物を調べてみる


生まれて初めて顎が外れた。
諸事情で体の各所に出た皺寄せの一環だ。
体の抵抗力が落ちた影響で虫歯の治療痕が炎症を起こしたのだ。
で、その治療(患部は奥歯)をしている最中に大アクビをしたら、見事に外れたのだ。

さて。
ヘビも顎が外れる。
自分の胴周りに近い餌を飲み込む為、上下の顎関節を外せるようになっているのだ。
変な奴ら…。

でもこの『魚汁』でヘビは主役になれない。
本題はここから。
山奥の渓流にすむイワナは物凄く貪欲で、口に入れば何でも食べてしまうとも言われる。
実物を見た事がないので真偽のほどは定かではないが、ヘビを丸飲みにした話を聞く。
イワナの口からヘビの尾がはみ出し、肛門からヘビの頭が出ていたというのだ。
僕もイワナがヘビを襲っているのは見た事がある。
ただ、その時は胴体をつついてた気が…。
とにかく餌が乏しいからか、イワナの胃の中を調べてみると意外な生き物が出てくる。
逐一腹を捌かないと行けないのではない。
ストマックポンプという大型のスポイトを使って胃の中身を取り出す事が出来るのだ。

ストマックポンプ
ストマックポンプ.jpg

言うなれば強制嘔吐プレイ?(食事中の人ゴメンナサイ)

ちなみにコイには胃が無いので、胃内容物は存在しない。

さて一時期、件のプレイにハマって調べた事があった。
釣ったそばから胃内容物を取り出し、エタノール漬けの標本にしていったのだ。
気分はもう、筒井康隆の俗物図鑑に登場する、片目の吐瀉物鑑定士である。
同じような場所に放流されているヤマメ・ニジマスのサンプルも合わせると100本近い標本がある。
大体はヤゴみたいな形の水生昆虫やイモムシだ。
こんな感じ。
イワナの胃の内容物.jpg

イワナの胃から出てきたイモムシ.jpg

が、しかし、その中でも印象的だったのが二つある。

一匹は大学2年の時。
実習で大学の演習林内に行った際に釣った、異様に腹の膨れたイワナ。
この時は釣ったイワナを酒のツマミとして提供したので捌いたのだが、中からセミが丸々2匹出てきた…。
イワナの胃から出てきたセミその1.jpg

イワナの胃から出てきたセミその2.jpg
料理が出来上がった際に腹の中身を公開したのだが、それでもなお、イワナを食べる彼(彼女)らを見て、『ああ変人の巣窟だなぁ』と感心したものだ。
まぁ、皆酔っぱらっていたという話もあるが。

2匹目は大学近くの川で釣ったニジマス。
僕は普段ルアーでしか釣りをしない。
研究室と自宅の往復中に釣りをするから、身軽な方が良いのだ。
その日は小魚を模したルアーで釣りをしていた。
突然釣れたニジマスを見て唖然。
体長の三分の一はある小魚(アブラハヤ)を吐き出したのだ。
ニジマスの胃から出てきたハヤ.jpg
腹減ってないだろうに…
何かのスイッチが入ってしまったのかもしれないが、そんなニジマスを見て、飽食大国と言われる現状を考えてしまうのであった。


今日の魚
イワナ(Salvelinus leucomaenis f.pluvius)
iwana.jpg

ヤマメ(Oncorhynchus masou masou)
yamame.jpg

コイ(Cyprinus carpio)
koi.jpg

ニジマス(Oncorhynchus mykiss )


アブラハヤ(Moroco steindacheiri)
aburahaya.jpg


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posted by osakana at 01:31| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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