2007年11月01日

先達のルアー回想録09 復刻版ラピッド

映画好きに言わせると、ストーリーモノの続編はイマイチな作品が多いという。
例外こそあれ、小説しかり、ドラマしかりなのだそうだ。
では道具ではどうか?
続編という言葉は使わないが、近いニュアンスとして改良品という言葉になろうか。
使い込まれる過程でその情報がメーカーにフィードバックされていくのだから、あまりネガティブな結果にはならないだろう。

話し変わって、リメイク・復刻。
ストーリーモノだと、『かつて使えなかったCGを…』とか、『自分なりの解釈で…』ということになろうか。
ただ、オリジナルの印象というのは結構強く、意外と複雑な心境をもたらす傾向がありそうだ。
ルアーにしてもしかり。
オリジナルでオイシイ思いをした思いでは、屁理屈を混ぜて過去を美化する傾向があるように思う。
特に製作者が関与していない量産品のような場合に、その傾向が強いように思う。
以前紹介したバルサ製のラピッドもその一つ。
プラ製品やゼペットブランドで形の違うラピッドが登場したが、やはり初代が『別格』扱いされていた。
もともと2000円台後半と、当時のルアーの相場からいってかなり高額だったのだが、それが最近までヤフオク価格で10000円越え。
ちょっとしたワンマンメイドのハンドメイドルアーよりも高くなってしまったのであった。
2006年に入り、Anglingの11月号にて『初代バルサラピッド製作』と冠したDVDを配布。
製作されたものはどちらかというと渓美(欲しいが持ってない)という限定販売ミノーに近かったように思う。
何度も初代ラピッド復活をにおわせる飯田氏のインタビュー記事をいくつか見ていたので、製作DVDの発表はラピッド復活の複線だと感じていた。

で、2007年初秋。
どこかで見たことのあるシェイプのミノーがネット上に流れた。
復刻版ラピッドの発表である。

Rapid45re.jpg
写真1.復刻版ラピッド45S

実際に手にとって見ると、やっぱりちょっと違う。
初代との違いをまとめてみる。

シェイプ…目の上の角が減って顔がほっそりし、全体的に厚め。
リップ…基盤リップに変更、差込みも深くなった。
ラインアイ…やや涙形に変更し、針金の径が太くなり、全てのアイ径も大型化。
アイ(目)…金縁の2重リングで、オニギリ型。

Rapid45re04.jpg
写真2.顔周り

Rapid45re03.jpg
写真3.正面

フック…デフォルトでバーブレスのシングル。
ホイル仕上げ…エラブタの切れ込みがなくなり、"唇"を表現するホイルが無くなった。
サイン…黒から金色に変更。

Rapid45re04.jpg
写真4.サイン

内部構造的な点でメーカーから発表されているのは、ウェイト(鉛→タングステン)とコーティング剤の変更くらいか。
なんとなく初代とゼペット時代の相の子のような感じである。
良いとこ取りということなんだろうか?

動きは…と書きたいところだが、この回顧録を書いている時点でまだ実釣を行なっていない。
まだ取材前ゆえ、後日紹介する予定だ。
とりあえず『初代信者による別物観』は拭えないが、潜在能力を感じさせる一品である。
あ、ついでに言うと、今回の復刻モデルは今月のAngling(2007年11月号)のインタビュー記事に期間限定と出ていた。
次回は45mmの継続でなく、60mmモデルを発表するのだとか。
とはいえ、売れ行き次第では変更するような気もするが。
またプレミア価格で扱われるんだろうか。
プレミア価格のシンキングミノーを藪の中に投げ込むってなかなか勇気がいりそうだ。
はてさて。
今回の復刻は吉と出るか凶と出るか…。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 23:12| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月29日

回想08 ハンドメイドルアー馬の助

製作は模写から始まる。

最近下火になってきたが、ちょいと前まで何度目かのルアー製作ブーム真っ盛りであった。
ルアー製作を始める理由の多くはほぼ3つに大別できる。
すなわち…
・市販の(使いたい)ルアーを買うのは勿体無いから
・自分にとって目指す動きのルアーがなかったから
・欲しいルアーが何らかの理由で入手できないから
…である。

そのような背景があるため、程度の多少はあれど『叩き台』となるルアーが存在することが多い。
もちろん作者の中で独自に解釈され、アウトプットされていくのだろうし、『思いついたのはオレが先で、アイツがマネをした』とか言い出さない限りは特に気にする必要はないと思うのだけれど。
使う人が良いと思えばそれで良いのだし、何よりほぼ全ての人にとってルアーは遊び道具なのだから、『○○のルアーは△△のルアーに似ているから使わない』などと、小難しい考えを万人に浸透させる必要はないと思う。
そもそもこれまで紹介してきたルアーだって、興味のない人から見れば大して変わらずに見えるだろう。

そんな中、独自路線を進む人々がいる。
それが今回紹介するブランド。
魚を模したルアーが多い中、虫型ルアー中心のラインナップは、それだけで異色のブランドだと思う。
魚と違って足のある動物は凹凸が多く、手間がかかる。
ハンドメイドルアー馬の助の作者は、その壁を乗り越えてしまった人の一人だと思う。
もちろん他のブランドでも虫型ルアーを作っているが、僕が知りうる中で虫型ルアーをラインナップの中心にしているのは、ハンドメイドルアー馬の助と福士ルアーのみである。

『魚以外にもいろいろ食ってんだから、魚にこだわる必要ないじゃん。』といった声がムンムン聞こえてきそうな氏のルアーをご堪能あれ。


ホンスズメ01.jpg
写真1.ホンスズメ(側面)


ホンスズメ02.jpg
写真2.ホンスズメ(背面)


ホンスズメ03.jpg
写真3.ホンスズメ(腹面)


ラインナップを見ると、虫系、特にハチが最も多い(氏はハチ好きなのだ)が大半を占めるのだが、それ以外の動物もモチーフになっている。


ピエ〜る01.jpg
写真4.ピエ〜る(背面)


ピエ〜る02.jpg
写真5.ピエ〜る(側面)


ピエ〜る03.jpg
写真6.ピエ〜る(腹面)


ピエ〜る04.jpg
写真7.ピエ〜る(正面)


生裸 糸代01.jpg
写真8.生裸 糸代(なまら いとよ)(側面)


生裸 糸代02.jpg
写真9.生裸 糸代(なまら いとよ)(背面)


う〜ん。
こういうルアーはいろんな角度から見ていて楽しい。

ルアー製作ではボカシ表現がしやすいことからエアブラシと呼ばれるスプレー型の塗装方法がよく使われる。
しかし、氏のルアーは『エアブラシを使うと均一な製品になってしまう』ため、全て筆で手塗りをしているとのことだ。
確かに色のパターンが魚とは違うとは言え…いや…魚型ルアーでも氏はエアブラシを使っていないようだ…
こういうルアーを見ると、ルアー製作にはまだまだ盛り込める技法があるんだなぁと思う次第である。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 21:40| 埼玉 ☔| Comment(1) | TrackBack(1) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月13日

回想07 オープンマウスミノー(ヘミング工房)

さて、ヘミング工房のルアーはスーパーヘミングだけではない。
他にもオープンマウスやバブルポッパーなどのルアーがある。
価格的、対象魚種というのもあるのだが、僕が初めて魚を釣ったヘミング工房のルアーは、オープンマウスベイブという、45mmのミノーであった。

hmng open mouth minnow 01.jpg
写真1.オープンマウスミノー (上から)60mmワカサギカラー、45mm(別名ベイブ)ヤマメカラー、カワムツカラー、金黒

当時(大学に入ってすぐの頃)、渓流釣りにハマっていた僕はオープンマウスベイブを多用していた。
この時代は基本的に初代ラピッドに傾倒していたのは前述の通りだが、その対極にある、45mmのルアー(=ルアー自体がものすごく動く)も探していたのだ。
45mmというのは、当時僕が高い信頼を寄せていたサイズである。
背面からの写真を見ると分かると思うが、ヘミング工房のミノーは基本的にエラが張り出している。
ここが1つミソで、このようにエラを張り出させると動きが少々複雑になる。
これは僕が自分でいろんな形のルアーを作った際にも実感しているのだが、エラの部分が張り出している『へ』の字形ルアーは、リップがなくても結構動くのだ。
詳しい原理はよく分からないんだけど。

hmng open mouth minnow 02.jpg
写真2.背面

ところで、ギジー誌での解説によると、オープンマウスミノーは『岩にぶつけても折れないリップを持つミノー』というテーマがあると紹介されていた。
これは非常に重要なことなのである。
と、いうのも当時多用していた初代バルサラピッドのリップは極めて折れやすく、1シーズンで何度も直さなくてはならなかったのである。
リップはルアーに動きを与える重要なパーツのひとつであり、リップが破損するとあっという間に動きが変わってしまうのだ。
少なくとも折れる前の動きは出せなくなる。
釣りに出かける時は、出来るだけ荷物を軽くするため少数精鋭のルアーで出かける必要に迫られることもある。

hmng open mouth minnow 03.jpg
写真3.顔のアップ

そんなわけで『リップの折れないミノー』も探していたのだ。
岩にぶつけても折れないのがどれだけメリットになるのか、改めて思い知らされた次第である。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 00:04| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月12日

回想06 スーパーへミング(ヘミング工房)

1800円/cm…
こんな売り方は近所の古い釣具屋で売られている高級和竿でしか見たことがなかった。
主婦の友社より出版された『淡水のミノープラグ大図鑑』巻末のハンドメイドルアー特集ページに掲載されていたそのルアーには、確かに冒頭のような記述がされているルアーがあった。
それがヘミング工房との出会いである。

当時、ハンドメイドルアーこそ持っていなかったものの作成はしていたので、資料としてハンドメイドルアーが掲載されている書籍には結構目を通していた。
だから市販のプラスチック製ルアーが1500円くらいであり、木製のハンドメイドルアーは7000〜8000円することもあるということも知っていた。
しかし!である。
1800円/cmはあまりにも法外かつ常識を外れた値段の表記ではないか?
大型のミノーを注文したら一体いくらになるのか…?

hmng super hmng 01.jpg
写真1.スーパーヘミングミノー (上から) 80mm、60mm、45mm

外観もなんとなくグロいというか、妙な生々しさがあった。
きめ細かい塗装とは程遠い、荒々しい塗装とでも言おうか。
怪我してボロボロに傷ついた魚を塗装で表現しているような感じであった。

hmng super hmng 02.jpg
写真2.顔のアップ

しかし当時のリアルミノーと比べるとかなり異質で、明らかに多い凹凸や荒々しい塗装を『雑』の一言で敬遠してしまう人も少なくなかった。
確かに塗装のダマ飛びやリップの歪みなどあったが、実際に使ってみれば支障はない(商品だから当たり前か)。
気になる動きは、蛇行系とでも言おうか。
『へ』の字型と尻下がりの姿勢が生み出す周期の長いウネウネ系の動きは、なかなか同サイズのルアーでは見かけない。

hmng super hmng 03.jpg
写真3.背面

先述した1800円/cmのミノーは、ヘミング工房の中でも特に高額な『スーパーヘミング』だったわけだが、これも今となってはヤフオクで半額以下で購入できたりする。
というより、ヘミング工房自体が結構な数の商品を販売しているので、ヤフオクでもプレミア価格が付きにくいのだ。
便利な時代になったもんだ。
僕が購入したのも、3000円くらいだったと記憶している。

プレミア価格が付いたルアーを買うくらいなら、値引きされて同じ価格になった高級ミノーを使ってみたかったのだ。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 23:40| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

回想05 Raytune (レイチューン/上原徹也)

このルアーがあったら、食糧難があっても乗り切れるんじゃないか…?
実際は無理だが、そんな妄想を抱かせるほど釣れるルアーが2つあった。
少なくともその妄想は、遭難するかもしれない山中での研究活動を共にさせるだけの駆動力であった。

以前紹介した初代バルサラピッド4.5cmハヤカラーと、レイチューンミノー5cmサスペンド(1999年モデル)がそうである。
釣れ具合と仕上がりの美しさ、さらにその使い心地のために知名度が上がり、最近では入荷即売り切れ状態らしいのだが、僕がこのルアーに出会った1999年はあまり知名度が高くなかったように思える。
ちなみに前回紹介したホットショットを製作していた故松本氏とは『師弟関係』にあると誌面で書かれることが多いが、上原氏のブログを見ていると、何かもっと言葉では表現しきれないつながりがあったのではないかと感じる。

さて。
このルアー、今と違って都内の某ショップでは、ごく普通に並んでいたし、価格も結構安かったと記憶している。
情報誌化する釣雑誌にやられてルアーに対する感情が鈍磨してしまい、『ああ、レイチューンが売ってる…』という程度の感想しかいだかなかったのだ。

で、なんとなく購入。
即実釣りかと思いきや、実際に使い始めたのは、それから2年後の事。
ラピッドが販売中止になって以来、僕はいろんな店で蒐集し、希少さと釣果の相乗効果でラピッドしか使わなかったのだ。
レイチューンを初めて使ったのは、僕が大学2年の時。
生態学の授業での発表会があり、テーマは自由。
そこで渓流魚を扱おうと思い、初めてレイチューンをキャスト…驚嘆…

raytune ts50.jpg
写真1.Raytuneミノー 50mm 金黒

恐ろしく軽いのに、しかも僕が使っているのは、バス用のライトタックルなのに、レイチューンのミノーは良く飛んだ。
しかも適度な抵抗があって、動かしているのが分かりやすい。
これが、製作者上原氏の目指した『使い心地のいいミノー』ってことなのか?
見た目もかなりヤバい。
よく見ると、ウロコのピッチが後ろへ行くにつれて細かくなっている。
ウロコ模様転写板を特注したという話だ…
怪しいチャクラが開きかけた頃、禁漁期間を迎えたため、アッチの世界へ飛び立たずに済んだ。

それからというもの、レイチューン(1本しか持ってなかったけど)を持って様々な場所へ釣りに出かけた。
一番印象深いのは、大学の研究の一環で、白神山地(世界遺産)のコアゾーン(一般人は入っちゃいけない場所)で釣りをしたことだ。
いくつかのテーマを同時並行で進めていたのだが、その中に釣りの影響を調べるというのがあったのだ。
下っ端として連れて行ってもらうことになった僕は、出来るだけ荷物を減らせという命のもと、レイチューンとラピッドを1本ずつ持って行ったのである。
釣果は言わずもがな。

製作者である上原氏は、誌面で『常に進化し続ける』というようなことを語っており、実際僕が1999年に入手したものと2002年のものとでは見た目がかなり変わった。
が、それでも『心地よく釣れる』ことには変わりはない。

raytune tt55.jpg
写真2.Raytuneミノー 55mm オイカワカラー

raytune ts55.jpg
写真3.Raytuneミノー 55mm ナチュラルカラー

raytune md90.jpg
写真4.Raytuneミノー 90mm ナチュラルカラー

raytune streamarmor.jpg
写真5.ストリームアーマー

TT55.jpg
写真6.Raytuneミノー 55mm 赤ヤマメカラー

さて、冒頭に登場した金黒のミノーだが、魚種を問わず100尾以上の魚を釣った後、今は現役を引退している。
しかし、今でも釣行の最後にはこのルアーをラインの先に結び、『確かにこの場は僕には釣れない』事を確認してから帰るのである。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 18:29| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

回想04 ホットショット(竿菊オリジナル)

ルアーの見た目は重要か?
ハンドメイドルアーを作る人の中には、動き重視を売りにする人は多い。
もちろん釣れてナンボの世界なので当然の事であろう。

が、最近はちょっとその事情も変わってきた感がある。
ヤフオクを始めとするネット上での個人販売が可能になったため、実際に卸して使ってみた店員に質問するという事を経ない購入パターンが出てきたように思える。
で、目立ってきたのが綺麗なルアーを作るということ。
個人販売のホームページで綺麗な商品を載せている方が購買意欲をそそるようである。
僕はこの『見た目重視』という傾向を軽視できないと思う。
少なくとも『綺麗に作る技量は持っている→他の部分にもその技量は活かされているかも』と思わせるだけの魅力がある。
デジタル世界から現実世界へシフトして、初めて使われるための条件が整うのだ。

まぁとにかくそういう小難しいことは抜き!
『緻密』『精密』こんな言葉が似合うこのルアー、ブランド名をホットショットという。

hotshot 40.jpg
写真1.ホットショット 40mm ハヤカラー

hotshot 90.jpg
写真2.ホットショット 90mm 金黒

『にっぽんのハンドメイドルアー大図鑑-トップビルダー72人の仕事-(1999年 エイ出版社)』という本がある。
ハンドメイドルアー図鑑としてかなり完成度の高いこの本、残念ながらホットショットは掲載されていない。
しかしレイチューンの掲載ページに『メディア嫌いのため、認知度はそれほど高くないが…(以下略)』と、ホットショットが紹介されている。
レイチューンの紹介ページだったため、ホットショットのルアーは出ていなかったのだが、実はそれ以前にメディアに写真が掲載されていたのだ。
現在もなお活躍中のRod and Reel誌の中でも名作の誉れ高い1998年11月号(表紙はともさかりえ)の特集、『バス釣り10大都市+東京』でホットショットの写真が出ている。
お持ちの方は124ページの右上、タイガー釣具店のコーナーを見ていただきたい。
ここに竿菊オリジナルと書かれたルアーがある。
当時は確信が持てなかったのだが、3年後の2001年にTroutistという雑誌にホットショットが(僕の知る限り)初めてきちんとした形で掲載された。
そこのホットショット作者の松本氏の連絡先と竿菊釣具店が同時に掲載されていた。
これでホットショットと竿菊オリジナルルアーは同一であることが分かった。
ただそれだけなんだが、そういうことをマニアックに調べるのも好きなのだ。

さて、このホットショットルアー。
僕は2本持っているのだが、そのうちの1本は4cmしかない。
それでいてこの精密さである。
それだけではない。
よく見てほしい。
ホットショットウロコ.jpg

これは背中の拡大写真であり、一緒に写っている棒はシャープペンシルの芯(直径0.5mm)である。
ハンドメイドルアーに用いる背中のウロコ模様は手芸用品のチュールをマスキングして使うことが多い。
そのサイズは約直径1.5mm、網戸のネットと同じくらいと考えてもらえばいい。
それと比べると、ホットショットのウロコパターンといったら…
僕は入手した当初、このウロコパターンに気付かなかった。
それほどに細かい模様なのだ。

ここまでやるのか?
そう思う人もいると思う。
でも、最初の話に戻るが『ここまでやれる人ならきっと何か持っている』そういう期待を抱かせるのである。


にほんブログ村 科学ブログへ
にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 14:50| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

回想03 相馬ルアー(オープンマウスペンシル)

『このルアーは口から水を取り込み、鰓から前方向へ水を排出する。今までにない動きがスレた魚を魅了する…』
そんな感じの文章で紹介されていたこのルアーをご存知だろうか?
今から約10年前、学研から出版されていた『つりトップ』のプロショップ紹介コーナーの一押しルアーとして掲載されていたものだ。
確か毎号4軒ずつ紹介されており、各プロショップからプレゼント(つりトップのプレゼントとはまた別扱いだった)が用意されていた。
そんな感じのコーナーだったはずだ。

冒頭の文章は、山形県のプロショップ『ポイント』のものだったと思う(違ったかも)。
10年以上前の記憶であり、手元に雑誌がないので、あんまり定かではないのだが、紹介されていたルアーは明らかにこれまで見た事のあるものとは異質であった。
まずリップがない。

soma open mouth pencil 01.jpg
写真1.オープンマウスペンシルの側面

バイブレーションでもミノーでもなさそうな、スリムな体型。

soma open mouth pencil 02.jpg
写真2.背面

soma open mouth pencil 02.jpg
写真3.開口部

soma open mouth pencil 04 new.jpg
写真4.流路(:入水、:出水)

一体どんな動きなんだろう…
そんな衝動が、僕をルアー自作へと駆り立てる第一歩となった。

そう、今は亡き相馬勝幸氏により立ち上げられたブランド、ウォーターラビットである。
恐らくこのルアーの写真がウェブ上で公開されるのは2例目だと思う。
HMKLがルアー自作の第一歩になったという方は多いと思うが、ウォーターラビットが最初という方はなかなかいないのではないか?
とにかく、当時中学生であった僕に衝撃を与えるには十分すぎるほどの外観だった。

soma open mouth pencil 05.jpg
写真5.当時作ったルアーと

時は経ち、数年後。
メガバスのようなリアルで綺麗なルアーを作るのに夢中になり、ウォーターラビットは忘却の彼方へと押しやられていた。
ちょうどその頃、主婦の友社より『淡水のミノープラグ大図鑑』という本が出版された。
要は国内で販売されているミノープラグの図鑑なのだが、巻末に国内の代表的なハンドメイドルアーも特集されていた。
そこで僕はウォーターラビットと再会したのである。
つりトップとは違い、フルカラーの写真で掲載されたウォーターラビットはさらなる驚きを与えたのである。

アルミホイルが貼ってない!

そう、ウォーターラビットのルアーは魚の銀色の部分をアルミではなく、塗料で表現していたのであった。
フルカラーの写真で特に心を奪われたのが、和鯰と呼ばれるルアー。
ウェブ上では画像公開されていないし、僕も持っていない。
しかし、生まれて初めて鯰をモチーフにしたルアーを見た瞬間でもあった。

こんな特殊なルアー、実物を手に入れて使ってみたい!!!

しかしその欲求は満たされることなく、僕が大学に入る頃、釣り雑誌に小さく訃報が掲載されていた。
相馬氏はモーリスというマスプロの元でベジタブルシリーズを発表、また、独自に『クーロン』というブランドを立ち上げてすぐ後にこの世を去ったらしい。
雑誌にもなかなか登場しない人であった。
バスワールドのハンドメイドルアー製作者紹介コーナーと、Rod&Reelのハンドメイドルアーを作ってみるという企画に出ていたくらいだ。

さらに時が経ち、ヤフーオークションに手を染めて2年目が経とうとしてた頃だろうか?
とうとうチャンスがまわってきた。
高鳴る鼓動を抑えつつ入札。
滅多に出回るものでもないし、競り合いを心配したが、レアすぎて誰も入札してこなかった。

妄想の中で育っていった個人的プレミア価格とは裏腹の2000円…当時のメガバスよりも安かった。
してその動きは…?
動かない…
しかし、それを狙ってのことらしい。
微妙に生じる水ヨレが効果的なんだそうな。

なんとも微妙な値段で落札されたそのミノー達は、かつて僕が中学生の頃から思い続けてきたそれとは別の次元の代物であった。


にほんブログ村 科学ブログへ

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 14:44| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

回想02 ラピッド以前とラピッド以降

ラピッドの生産中止は、僕に2つの影響を与えた。
1つはルアー作りの本格化。
もう1つはハンドメイドルアーのルーツを探る楽しみである。
特に後者は、1998年に出版されたトラウトギジー8月号の『実績ルアー誕生秘話』によるところが大きい。
記事の中でラピッドの写真が3本写っていたのだが、どうも一番奥のワカサギカラーだけエラブタやラインアイの形が微妙に違うのだ。

water doctor.jpg
写真1.ウォータードクター

そんな疑問を解消するために、いろいろ調べて判明した。
ラピッドの生みの親、飯田重佑氏はその前からウォータードクターというラピッドの原型となるミノーを製作していたのだ(もう一個あった気がするけど、名前を忘れた)。
どうしても入手したかったが、結局僕のタックルボックスの一員となったのは、それから3年後の事だった。
シュリや3代目ラピッド(2代目はプラ製)の登場で、初代の人気が落ち着いた頃に安く購入したのだ。

shuri.jpg
写真2.シュリ

rapid 3rd haya.jpg
写真3.3代目ラピッド

それからしばらくは初代ラピッドの価格は落ち着いていたのだが、やはり形が違うので、初代を使いたがる人が増えて再度値段は上がり…
2006年9月に発売されたギジーは、初代ラピッドの作り方(実際は少々違っていたが)をDVDで90分にわたり解説するという偉業をやってのけた。
当然僕もDVDを入手したが…
ラピッド熱が再発しそうである。

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 14:34| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

回想01 初代ラピッド(アングラーズリパブリック)

とにかくトゥウィッチングのために作られたこのルアー…』
『シンキングミノーとは思えないほどのキビキビしたアクション』
1990年代中盤、こんな謳い文句が掲げられていたミノーといえば、あのルアーしか思い浮かばない。
そう、湘南系ブランドのアングラーズリパブリックから発売されていたラピッドである。
プレミアが付いてしまった今となっては一個8000円近くで取引されることもあるが、当時は人気がなく、2000円を切ることもあった。
僕がこのルアーとの邂逅を果たしたのは、やはり当時の小〜中学生釣り人の味方といえば『つりトップ』によるものだ。

『つりトップ』で王様こと村田基氏が毎号執筆していた記事の中で、毎回その季節にお勧めのルアーを紹介していた。
そんな中にラピッドが紹介されていたのだ。
『シンキングだが、トラウト向けで軽く、ベイトではキャスティングが難しい。スピニング向き』見たいな事が書かれていたと思う。
なんでわざわざそんなことを書いてまで紹介するのか?
おぼろげながらそんなイメージを抱いていた。

半年ほど経ち、原田佐敏氏がメッキアジを狙うという記事が掲載されていた(これもつりトップ)。
文章が簡易で読みやすかったのもあったのだが、ラピッドを使った『湘南トゥイッチ』なる技を使ってメッキアジを釣るというのに衝撃を受けた。

メッキアジは冬の風物詩で、南の海から黒潮に乗って流されてくるGTの子供達…
その引きは一度味わったら、もう病みつき…

頭の中にはそんな文章が呪文のように付きまとい、ラピッドっていろんな魚に使えるんだなぁと。子供心ながら思ったのだった。
一時、個人的に全くルアーで魚がつれない時期があり、いろんなルアーを試していたのだ。

で、高校の入学祝金を握り締めて近所の釣具屋へ。

購入後の初釣行となる福島県でいきなりヤマメの入れ食い。
季節や天候のせいもあったと思う。
それでも、入れ食いは何度も体験した。
『ラピッドさえあれば、食糧難が来ても生き延びてみせる』
そんなホラが吹ける位、僕に釣果をもたらしたのであった。

rapid 45 60 haya.jpg
写真1.ハヤカラーのラピッド60S(上)と45S(下)

rapid 45 60 wakasagi.jpg
写真2.ワカサギカラーのラピッド60S(上)と45S(下)

シンキングミノーゆえに根がかりが多かった。
もっとも、僕が使うタックルはバス用のライトロッドなので、無理やり引っ張れば回収できた。
ただ、リップが折れやすいのには閉口した。

どことなく無表情な顔。
僕は鉄仮面と呼んでいたが、同じような呼び方をしている人が意外に多くておどろいた。
顔の作り(黒地にアルミを貼る)にはかなり影響された人がいるのではないだろうか?
収斂現象なのかもしれないが、僕を含め結構ラピッドっぽい顔の作りを見かけたりする。

今になって考えると、かなり店の選択運が良かった。
当時僕の近所ではその店でしか扱ってなかったのだ。
一発で見つけるとは、やっぱり運命的だったのかもしれない。
生産中止となった現在、そんなことを考えたりもする。

にほんブログ村 釣りブログ トラウトフィッシングへ
posted by osakana at 14:24| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 先達のハンドメイドルアー回想録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。