2014年10月19日

旅モノその43 サメとホネと台風と… その3 〜けだものな夜〜

搬入当日の話.
出発時刻に余裕を持って起床→PCのメールチェック→ちょっとした事案発生→2時間ロス\(^o^)/オワタ

見事に館内見学ツアーを逃し,14時過ぎに会場に到着.

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大学時代の友人Mの手を借りつつ,ブース設営.

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展示数ダイエット作戦が功を奏し,夕方の研修(ミノルさんの皮鞣し口座)には無事参加.
魚は全身(いわゆる“マル”)で売られている食材ゆえホネや皮と結びつけやすいのだけれど,精肉しか触れる機会がないケモノの,初めて触る毛皮におっかなびっくり.
これまでホネ,ニク,ナイゾーまでしか扱ったことがなかったのだけれど,少し魚の皮も見てみようかなと思った次第.

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ホネサミ2011の研修(ウシガエルの骨格標本作製)が夜中まで続いてしまったことからの教訓か,どう頑張っても作業は完了しないのが明確なため,一通りの体験を済ませると,賢者モードの参加者が続出し,所定の時刻でサクッと終了.

出発前日に『ホネサミでいろいろな生き物好きが来るんで,我が家で呑まんかね?』なるお誘いを受けていたので,Mとともに木登りヤギらの根城,通称“けだもの荘”を訪問.
ウニ/ホネ/鳥好きらによるカオスな会話,なぜか訪問客が一品作るという謎のタスク(僕は豚肉とニンニクの芽の炒め物,Mはカルボナーラ),参加者が追加するごとに繰り返される自己紹介,医者をdisっているとしか思えない大量の卵ストック,天井の大運動会,殺ヒョウモントカゲモドキ未遂事件など,書きたいネタはわんさとあるのだけれど,個人宅での出来事なので写真と詳細な内容は割愛.
とにかく“けだもの荘”はTwitterから想像した通りの,楽しい場所でございました.

さて.
翌日も早いので1時頃に解散し,僕は24時間スパへ.

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行楽シーズンだからなのか,近場のホテルは1ヶ月近く前にほぼ埋まってしまったのだ.
『ハッテン場じゃないすよね?』と友人に言われたものの,普通のスパで一安心.
床寝や椅子寝は永い院生生活で慣れっこの僕にとっては格安の良い宿で,次のホネサミもここかな…と思いつつ大阪初日の夜は終了.
posted by osakana at 10:29| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月16日

旅モノその42 サメとホネと台風と… その2 〜さあヤク漬けの時間です〜

2014年6月頃の話.
前回のホネサミ展示の反省点は大きく2つあった.

1.展示数が多く,準備や片付けが大変だった
2.ホネへの導入例があまりないので,経過観察を報告する必要がありそう

これらを兼ね備えた展示にすればこちらの負担も減るはずだ.
ついでに,
3.複数の手法と比較ができるよう,同種の生物で異なる手法を適用したい
4.他の魚関係の出展者とは違うものを出したい
…も加えたくなり,サメの頭骨など,あまり博物館でも見かけない類のホネを軸とした出展内容となったわけである.

さて.
テーマを決めるのは簡単でも,展示物を作るのは本職の人と違って,プライベートな趣味でホネ取りをする僕のような人間にとって結構面倒くさい大変な作業だ.
透明標本よろしく薬品処理の時間が長いので,ホネサミに間に合わないのだ.
しかもプラスティネーションなる手法も新たに導入するつもりなので,時間的にはかなり厳しいのだ.
具体的な工程はいずれ『魚話』の方で触れるとして,今回は展示品作成を時系列に沿って紹介.

まずは手元にあったドチザメの胎仔とヌタウナギを使ってプラスティネーションのテスト.

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本体をカットしてみると,きちんと染み込んでいるようだ.
機材・薬品の関係で,人体の不思議展ほど大型のプラスティネーションはできないものの,肉モノ標本で歪まないなら軟骨でも歪まないじゃろ…ということで,バシバシ作り始める.

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PEG含浸標本もガシガシ作る.

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サメの頭骨は,置きやすい/観察しやすい方向が合致しないことが多いので,真鍮とステンレスの針金をロウ付けしつつ黙々と支柱を作る.

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どうせならネームプレートも真鍮で…と,思いついてしまい,F式エッチングで黙々と作る.

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頭骨しかないので,魚に詳しくないお客さんが分かりやすいよう元の姿のシルエットでも作るか…と,余計なことを思いついてしまい,1mm厚の真鍮板を糸鋸で黙々と削る.

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分解/組立てができたら,搬送で嵩張らないな…と,さらに余計なことを思いついてしまい,ダイスとタップで黙々とパーツのネジを切る.

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余計な思いつきで忘れていたが,ブースから離れると説明ができないことを思い出し,慌ててIllustratorで掲示物を作り,関係者各位に文章と内容に不備がないか確認してもらう.

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こうして突貫作業は進み,全ての展示品が揃ったのは,出発2日前のことであった.

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旅モノその41 サメとホネと台風と… その1 〜序〜

2011年10月10日,大阪
第2回ホネホネサミット帰りの電車で,軟骨標本の薬品処理ネタの経時報告をするため,第3回への参加を誓う.
PEG含浸処理法のフォローアップのため,ブログで解説記事を投下.


2012年
今年は開催しないなと思い,PEG含浸標本に専念.


2013年
今年開催かな…と心待ちにしつつ,団長と会った際に『今年は無いわ〜』と言われ,悶々と過ごす.


2014年2月8日,関東某所
ワンフェスのために上京していたイワシ金属化のH氏,AtelierΦのN氏を自宅に招き,大雪の中でホネ好きオッサン三人の宴.
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夕方撤収したH氏は帰宅難民に,夜までいたN氏は車を出せず,我が家に泊まることに.
酒も回った深夜のダベりで,プラスティネーションの話で盛り上がる.


2014年3月31日,関東某所
ブログのアクセス解析をしていたら,『軟骨魚類の骨格標本に関する質疑』からのリンクが張られているのを発見.
『せっかくの骨格標本もホルマリンに漬けたのでは意味が無いです』と書かれており,来年度は軟骨魚類のホネ取りに注力することを決意.


2014年4月1日,関東某所
ぼ〜っとPCを眺めていたら,第3回ホネサミ開催のツイートが.
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エイプリルフールネタと思いつつ,念のためホネ団団長にメール,ネタでないとの返信.


2014年5月13日,関東某所
ホネサミの公募が出たので,休日のイベントが重なっていないことを職場に確認した後,即応募.

そして怒涛の準備と試行錯誤が始まる…
posted by osakana at 21:35| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月10日

ホネサミ2014も出ます(続報)

以前参加を表明したホネサミ2014ですが,とうとう明後日となりました(出展者的には明日から).
台風とか若干気になりますが,用意できた軟骨標本達を展示皆さんとお話しできたらな,と思っております.
あ,ガラスの精神力なんで,いじめないでください…
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posted by osakana at 17:45| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 筆者からの連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月15日

ホネサミ2014も出ます

3年ぶり,第3回目のホネサミが開催されるとのことで,早速参加申し込みしました.
前回の様子はこちら
ホネサミ2011で紹介したPEG含浸による軟骨標本話の後始末をしつつ…というか,3年間経っていろいろ見えてきたことを紹介できたら良いな,と思っております.

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魚話その193より

あ,ついでにプラスティネーションの作製も始めました.
なかなか楽しいです.
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ちなみに,透明標本とは相性が悪いですね.
薬品同士干渉して白濁することはなかったのですが,表面の凹凸をそのまま残してしまうプラスティネーションは,クシャクシャにしたサランラップのようにいろんな角度に光を反射しまくるので,凄く見づらいです.
予想通りではありますが,先人の方々はアホ臭くてやらないのか,実物を見てみたことがなかったので.
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始めたばかりで試行錯誤中なのですが,PEG含浸と比較しつつ展示紹介できたらな,と思ってます.

生温かい目で見守っていただければ幸いです.
posted by osakana at 22:35| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 筆者からの連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月04日

魚話その200 osakanaさんは心配性

●取扱注意なホネ取り用の薬品


本記事は骨格標本作製時の事故防止を目的としており,有害物質製造の幇助のつもりは一切ありません.
また,悪用目的で検索されそうなキーワードを避けるため,具体的な物質名が一部掲載されていない場合がありますが,ご了承ください.
僕も素人なので作業に伴うトラブルは一切取れません.
自己責任でお願いします



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晩酌のコップが結露する季節だ.
卓上の水滴を見て,“無色透明の一滴のこぼれた液体が,失明に繋がる(魚話その176)” という一文を思い出した.


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図1.無色透明の液体 a)滴下直後,b)傾けて放置
原液の場合,アセトンはさっさと蒸発,グリセリンは粘性が高くて垂れない.
とは言うものの,濃度によっては他の溶液と見た目では区別できない.
家族や同居人は判断できないと思った方が良い.



そんな経緯もあり,我が家の標本呑み会で薬品取扱い等の勉強会(?)もやってみた.

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図2.いつもの呑み会Power Pointを使った勉強会


今回はホネ取りに絞り,『化学や法律に疎い僕が,事故防止のために注意している点(解決策ではない)』を紹介したい.
化学的な原理等,書いていないその項目は大量にあるけれど,必要だと思ったら各自で積極的に調べて欲しい.

注)名前が異なる複数の製品があったりするので,ここに対象薬品を掲載し,以降は省略した(字数節約).
毎回含まれていると思って欲しい.

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1.単品での注意が必要な物質

文字が多いので,最初にまとめの表を載せて,後から補足.


表1.単品での注意を要するホネ取り薬品等の例
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・市販のパイプ洗浄剤および家庭用漂白剤(塩素系,酸素系ともに)
組合せにより有毒ガス等が発生する危険性(後述)もある.
また,時間経過で濃度が変動することがある.
例)塩素系漂白剤の場合,半年で次亜塩素酸の濃度が約半分になる [1].

・過酸化水素水
爆発性や人体への影響が強く,劇薬だ(普通は10倍希釈して使用)[2, 3].
徐々に分解されてガスが出るため,原液の容器にもガス抜きの穴が開いている.
使用後の溶液をペットボトル等の密閉容器で保管すると,破裂するので危険.


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図3.a)手に付着した状態,b)35%過酸化水素水の容器の蓋にあるガス抜き穴,c)使用済オキシドールを容器に詰めて半日後
0.1mlもついてないのに,手に付着すると数分でヒリヒリ(苦笑).
対処法はSDS(後述)で各自調べましょう.
オキシドールは過酸化水素水に換算すると,わずか10分の1の濃度.
にもかかわらず,半日でこんなに膨張.
絶対に密閉容器に入れない.



・有機溶剤(アセトンやベンジン)
健康被害に加え,気化・引火しやすいため,要換気&火気厳禁[4,5].
衣服の静電気でも引火・爆発することがあるようなので,冬場は特に注意.

・固定液(ホルマリン)
シックハウス症候群で有名になったホルムアルデヒド,この水溶液がホルマリンであり,有毒[6].
液浸標本や透明標本を作製している人は要注意.

・魚由来の物質
フグ等,釣り場で簡単に入手できる有毒種がいる.
特にテトロドトキシンやシガトキシン等,一般の加熱調理では無毒化できない魚毒もある.
アイゴやゴンズイ等,毒の棘を持つ魚種にも注意が必要だ.
また,熱湯で除肉する人も,野外で拾った腐りかけの魚を扱う際には蒸気の吸引に注意.


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図4.有毒魚の一例 a)オオカマス,b)ソウシハギ
毒魚=フグの印象かもしれないが,有毒魚は他にもいる.
地域限定の場合もあるが,触らぬ神に祟りなし,手を出さない方が賢明だ.



2.混ざると危険な物質


表2.混合に注意を要するホネ取り薬品等の例
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過酸化水素+アセトン[4]
失明・指が吹っ飛ぶレベルの深刻な爆発事故の恐れあり.
実際にはもう1ステップ必要だが,万一に備え,絶対にこれらの接触の接触を避ける.
特に漂白時の過酸化水素水がホネに残留する可能性があるので,最初に脱脂,十分乾燥・揮発した後に漂白を行う.

過酸化水素+特定の金属[2, 3]
鉄や銅,銀等があると急激に分解が進み,ガスが大量に出るため,これらの材質の密閉容器に入れた場合,爆発する恐れがある.

塩素系漂白剤+アセトン[7, 8]
トリハロメタンの1種(超有害)が発生し,摂取・吸引する危険性がある.
また,エタノールでも同様の反応の危険性がある.

塩素系漂白剤+酸性の物質[1, 9]
塩素ガス(有毒)が発生し,非常に危険.
また,次亜塩素酸と過酸化水素を混ぜても酸素しか発生しないようだが,不純物まみれで濃度不明なホネ取り作業では避けるべきだろう(ハイターを用いた硬骨魚類のホネ取り論文でも塩素ガスの注意喚起をしている[10]).


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図4.pHによる次亜塩素酸の挙動(資料9より引用・一部変更)
洗濯/台所用品として販売されている塩素系漂白剤は塩基性に調整されている.弱酸性にて殺菌力が強くなるが,誤操作で塩素ガスが発生するリスクも高まるので,絶対にやらない.



・塩素系漂白剤+特定の金属[11]
アルミや鉄等の容器は腐蝕されるので,容器には不向き.
過酸化水素水でも触れたが,容器の材質は要吟味.

・臭気止めトラップでの混合
下水側からの臭気が上るのを防ぐための,水道管パーツ.
トラップはただの水溜まりなので,ここで薬品が混ざってガスが発生する危険性がある.
流し台等で作業する時も要注意だ.


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図5.臭気トラップの例
実際には様々な型があると思うけれど,とりあえず代表的な形状を.
とにかく水が溜まっている部分が鬼門.



3.事故防止に向けて
化学系の人から見たら『この程度で起きないって』とか言われる可能性もある(その逆も).
ただ,ネットで情報を得た人が,どんな解釈・条件下で作業するか分からないし,洗浄剤・漂白剤のような混合液で,しかも肉や脂等の不純物が溶け込んだ状態では何が起きるかわからない.
ブログで全体公開する以上,安全側にシフトさせて書いている.


表3.安全策および想定される事故の例
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・生活空間と分ける
新鮮な魚でも,調理とホネ取りの器具の共用は避ける.
また,拾った魚の死骸や薬品の保管も誤食や揮発性物質による食品汚染のリスクがあるので,専用に冷蔵/冷凍庫を用意する.

・保護具の着用
実験用の試薬は当然として,『一般入手できる家庭用品だから安全でしょ?』という先入観も捨てる.
実際かなり強烈な薬品はあるし,使用目的がメーカーの想定外なので,ほぼ確実に使用者の責任だ.
保護メガネや解剖手袋の着用等,安全に配慮した格好で作業する.
特にコンタクトレンズは跳ねた薬品によって眼球とレンズが貼り付く危険性もあるので,より注意が必要だ.
その際,保護具の耐薬性も調べておくこと[11].

・換気の徹底
有機溶剤等の有毒ガス対策としての換気は当然として,鮮度が悪い魚を扱う際も要換気.

・すすぎの徹底
魚体やホネに残留した薬品のことは見落としがちだ.
魚のサイズや残肉量が異なるので一概には言えないが,僕の場合15cm程度の魚ならば流水で15〜30分,30cm程度だと何度も水を新しいものに替えながら数時間〜半日はすすいでいる.
それ以上のサイズはバラしてしまうので,パーツのサイズによりけり.

・容器の吟味
長期保管なのか,一晩使うだけなのかで違うけれど,薬品と相性の悪い組合せは把握しておくこと.
様々な樹脂の耐薬性をまとめたサイトもあるので,参考に[11].

・SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)による事前チェック[12, 13]
要は薬品の取扱説明書(日本語版あり)で,『薬品名+SDS』で検索すれば簡単に入手できる.
既に所有している薬品は当然として,購入検討中の薬品も要チェック.
ハイター等の台所用品はSDSがないこともあるが,成分表の化学物質をSDSでチェック.
メーカー側もトラブル防止のため,『このSDSを読み,全項目を理解するまで薬品を使用しない』と書いている.
また,同じ薬品でも複数のメーカーから販売されていることがあり,濃度や添加物が異なる場合もあるので,購入したメーカーのSDSを確認する.


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図6.SDS掲載項目の例
赤字は掲載が必須,黒字は必要に応じてメーカーが書き足せる項目.
メーカーによって微妙に表記が異なるかもしれないが,基本的に一緒.
というか,海外のSDSも似たような体裁になっている.



※かつてはMSDS(Material Safety Data Sheet:化学物質等安全データシート)と呼ばれていたが,2012年にMSDSからSDSへ名称が変更された.
生物系出身なのでSDSって別の試薬でなじみ深いから,紛らわしい…

・薬品の処理
自治体によってルールが異なる.
有料で業者回収が引き取ってくれる場合もあるので,各自SDSを読みつつ,薬品購入前に自分が住む自治体の担当者に問い合わせよう.
廃液処理の目途がつかないのなら,ホネ取りしない.

以上ダラダラと書き連ねたが,少年漫画で『これで最後だと思うなよ!』とザコ敵が吐く台詞と同様,いくらでも薬品事故のネタは出てくる.
とりあえず,『このブログに書いてないから安全だと思った』ではなく『いろいろ危ないことがあるみたいだから,自分でもっと調べよっと』と考えてもらえれば幸いである.


魚話もようやく200話かつ10周年.
実はSeesaaブログは2代目のブログで,MSNスペース(サービス終了)で2004年に書き連ねた駄文を移植した.
正確な日時は覚えていないが,たしか大学院に入った後の蒸し暑い時期だったので,この際7月スタートにしてしまおう.
この10年で大学院を卒業し,就職したりしたのだけれど,やっていることはあまり変わっていないような気がする.
今後ともゆるくお付き合いくださいませ.


本日の魚
アイゴ Siganus fuscescens (Houttuyn,1782)
オオカマス Sphyraena putnamae Jordan & Seale, 1905
ゴンズイ Plotosus japonicus Yoshino and Kishimoto, 2008
ソウシハギ Aluterus scriptus (Osbeck, 1765)


参考資料
[1] 製品Q&A 次亜塩素酸ナトリウムについて(高杉製薬株式会社)→リンク
[2] 過酸化水素水のSDS(昭和化学株式会社)→リンク
[3] 過酸化水素水のSDS(宇部MC過酸化水素株式会社)→リンク
[4] 平成22年度 化学物質取扱者のための安全衛生講習会(筑波大学 配付資料)→リンク
[5]アセトンのSDS(三協化学株式会社)→リンク
[6] ホルムアルデヒドのSDS(昭和化学株式会社)→リンク
[7] Wikipedia(ハロホルム反応)→リンク
[8] 山崎昶先生が答える 化学質問箱 第38回(化学同人)→リンク
[9] 次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力とpHの関係(株式会社クレオ)→リンク
[10] 骨魚類の骨格標本作製法(佐々木 彰央,岡 有作)海・人・自然(東海大博研報),2010,10,51-57
[11] 耐油性・耐溶剤性・耐薬品性(共和ゴム株式会社)→リンク
[12] SDS制度(経済産業省資料)→リンク
[13] 化管法におけるMSDS制度の概要(環境省資料)→リンク
posted by osakana at 13:14| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月22日

魚話その199 地名水族館

●日本には魚の地名がいくつあるのか?


つい先日の話.
出張で京急線に乗っていたところ,鮫洲駅なる駅を通過した.
ボ〜っと外を見ていると,今度は鮫浜小学校なる学校が.


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図1.鮫洲駅の切符


今から10年ほど前,東北へ出張した時にも『鮫』なる名前の駅を発見し,たものの,時間がなくて行けなかったことを思い出した.
そうだ,今回は国内に散らばる魚の地名をピックアップすることにしよっと.

さて,地名を調べるにあたり,日本郵便のウェブサイトから郵便番号データをダウンロードし, 12万超のデータから『魚』が付く地名を黙々と探すことにした(暇人).
検索した文字は図1の通り.


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図2.検索した『さかな』の漢字一覧
スペース的な問題で,魚的に意味が通じそうな読みに絞って掲載.


本当は『釣』や『網』といった関連国も調べたかったのだけれど,別の意味を指す可能性も高く,今回は魚が含まれる漢字に限定した.
鯨や漁など,魚以外の生物や,魚にちなんだ事象まで含まれているが,漢字の中に『魚』がいるということで.
世の中皮肉なもので,データ検索の終了直前に『7桁郵便番号検索サービス』なる素敵な地名検索サイトを発見してしまい,念のため2回目の探索を行った(暇人).
見つかった魚種は図2に示すようにかなり多く,比較的ありそうな『鮎』や『魚』のみならず,鱸(スズキ)や鰍(カジカ)など,想像以上にバリエーションに富んでいた.


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図3.検索の結果ヒットした『魚』の割合


さて,集計結果.
どう集計したものか迷った結果,最も生データに近い状態である郵便番号でとりあえず集計してみると,新潟,富山,福井の北陸3県が断トツに多いことが分かった.
魚沼や魚津,鯖江など一度は耳にしたことがある地名の郵便番号が異様に多いためで,全体の半分近くを占めているのだ(図4).


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図4.郵便番号に占める県別の『魚』数(クリックで拡大)
カッコ内の数値は,『魚』の郵便番号数を示す


ただし,郵便番号は同一市町村であっても大字等が異なるために複数カウントしてしまうことがある.
そこで今度は地名の中に含まれる魚の漢字をピックアップし,『魚』種の多様性を評価してみた(北陸の牙城を崩せるかもしれないし…).


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図5.地名に占める県別の『魚』種数(クリックで拡大)
カッコ内の数値は,市町村,町大字中の各『魚』数を示す(重複を除く).


郵便番号カウントでは出てこなかった愛知県や青森県,宮城県などが浮かび上がってくるのが興味深い.
全国的に見ても,太平洋側で,アジやサメ,カジカなど『魚』種のバラエティーに富む傾向にある.
郵便番号の日本海,多様性の太平洋でしためでたしめでたし…と綺麗に終わるかと思いきや,新潟県は,『魚』種数も8種類とトップで,郵便番号数,多様性ともに『魚』にちなんだ土地柄として王座に君臨していることが分かった.
ちなみに,駅名も探したものの,約1万ある駅のうち,魚が含まれる駅は23で,これまた新潟が上位に食い込んでいた(図5).


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図6.駅名に占める県別の『魚』種数(クリックで拡大)
カッコ内の数値は,駅名中の各『魚』数を示す.


さて冒頭の鮫州,現在は住所としては既に廃止されてしまったようである.
代わりに地名の由来を調べるため鮫洲駅近辺を散策したところ,打ち上げられたサメの腹から木像が出てきたためという説を鮫洲八幡神社で発見した.
他にも諸説あるようだが,ここでは割愛.


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図7.鮫洲八幡神社


なぜ急にこんなことを書いたかというと,たった一ヶ所でもこのような由来があり,このブログではとても紹介しきれないため(決して手抜きではない).

漁獲量や年間消費量など,様々な『魚の本場』を示すデータはあるが,たまにはこんな変わりフィルターで覗いてみるのも面白いかもしれない.


参考文献
日本郵便…郵便番号データ(csv形式)の提供
7桁郵便番号検索サービス…魚の付く地名を検索
ジョルダン 乗換案内・時刻表・運行情報サービス…魚の付く駅名を検索
Wikipedia…駅名と路線のチェックに使用
鮫洲八幡神社横の公園の掲示板…鮫洲の語源の解説
角川漢和中辞典


生データをアップロードしておいたので,興味のある人は見てくださいな.
急いで集計したので,数え間違いはごめんなさい…
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posted by osakana at 02:34| 千葉 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月16日

深海魚鍋オフの景品なぞを作りました

何の奇縁か,変態ホネ好きatelierΦさんが近所に住んでいることが発覚して依頼,トントン拍子で進んだ深海魚鍋オフ(2/22@横浜)でプレゼント企画の魚の頭骨を黙々と作っております(誰得なんだろう?).
残念ながら闇ルートでの入手(?)とかそういうのではなく,鮮魚店で購入した魚の残りか,漁港等で拾ったものばかりです.
来週は発表会やら何やらがあって,これから準備をしないといけないので,たぶんこれ以上種類が増えることはないと思います.
後は整形と台座作り…

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景品用のホネとか


左上から反時計回りに,ミシマオコゼ→ホウボウ→キホウボウ(全身)→ザラガレイ→マエソ→トウジンsp.→ワラスボ→ワラスボ(サイズは一緒に写っている綿棒を参照にしてください).


鍋の具材,メインはトウジン属魚類で,他に深海魚ではないですが,カワヤツメとワラスボなぞも用意.

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トウジンsp.(捌く時間しかなかったので,種同定はしてません)


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トウジンsp.のウロコを落としたところ


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ワラスボ


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カワヤツメ


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カワヤツメの頭部


2kg位のタカアシガニも1尾用意しましたが,カニアレルギーの人がいるとアレなんで,別の鍋で塩ゆでにでもして出そうかと思います.

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タカアシガニ



30人集まるとはいえ,虫,爬虫類&標本クラスタの人が多そうなんで,いや,魚クラスタでもこのブログを知っている人はまずいないのだけれど,ひっそり告知をしてみたり.

もしご存じな方がいましたら,優しく話しかけてください.

あ,残った頭もホネにしたい&ホネにしたい人から予約が入ってるんで,一部持ち帰らせてもらいます(笑)

何か気になることがございましたら,メッセージなり,メールなりいただければ返信できると思います.
osakanabanashi(a)hotmail.co.jp
※(a)を@に変換してください
posted by osakana at 01:54| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 筆者からの連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月28日

深海魚鍋オフやります

もう締め切っちゃった…というか幹事は僕じゃない(元凶ではある模様)んですが…

https://twitter.com/TakahiroNezu/status/421635411350257664

食用の深海魚+タカアシガニ,何かの景品用にワラスボの頭骨とミシマオコゼの頭骨を持って行きます.
参加者でこのブログ読んでる人がいたら面白いんだけどなぁ…
posted by osakana at 02:21| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 筆者からの連絡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

魚話その198 中の人

●大学構内で見かける人々

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大学教授はどのようなイメージなのだろうか?
白衣を着た白髪の爺さんが,終夜実験している光景だろうか?
周囲の人と話をしていると,そうでもないらしい.
ついでに大学構成員を観察した結果,結構多様なことが分かったので,すごく簡単に書いてみたいと思う.
学生時代の記憶に基づくので,最新/詳細情報まではご勘弁.

・一般の人
学生についてきた親戚や友人など様々だ.
構内が一般開放され,ジモティー(死語ですな)の散歩コースになっていることもある.
散歩中の老人だと思ったら,馴染みのない研究室の教授だったりすることもあるのが怖いところ.

・民間企業の人
警備員,薬品や機器の販売や修理に携わる人,学内コンビニの店員など,探すと結構多い.

・共同研究の人
大学内で研究しているのだけれど,本籍は別の大学や機関にある人.
今風の言葉で言ったら,コラボしてる人.
研究は,必要に応じて外部に出向することもあるのだ.

・職員
事務系と技術系に大別される.
事務系は,いわゆる事務室の人達で,経理・書類手続きなどでお世話になるはず.
技術系は実験や研究に関わる人達で,学生〜教員とともにあれこれ実験や管理を行ったりしている.

・学生
僕(理学部)の話をすると,最初の4年間がいわゆる『大学』で,『大学生』または『学部生』と呼ぶ.
進学すると『大学院』となり,学生は『大学院生』または『院生』と呼ばれる.
大学院は『修士課程もしくは博士前期課程(2年間)』と『博士課程もしくは博士後期課程(3年間)』に分かれ,各課程での審査をパスすると修士号や博士号を取得できる.
分野の制限はなく,例えば理学部から水産学部の大学院に進学して博士号を取れば博士(水産学)となる※1.
ただし,医学の博士号と医師免許は別物なので,医学部以外の学生が医学博士号を取得しても,開業できるわけではない.

・ポスドク
博士号取得後の,いわゆる武者修行時代に相当する.
博士号取得すぐに教員になることは難しく,何年かポスドク時代を送る人が多い.
学生〜ポスドクの辺りの話題は書き出したらキリがない.
『ハカセといふ生物』という漫画(連載ブログで閲覧可能)がイメージを掴みやすいので,お勧めだ.
実際には作中には出てこないダークな部分がきっとあったり,分野固有ネタもあるのだろうけれど,生物の実験系ラボであれば,『こんなエピソードありそう…』と感じることが多いと思う.

・教員
かつては助手,講師,助教授,教授と分かれていたのだが,助手,助教,講師,准教授,教授に名称が変わった※2.
さて冒頭に出てきた教授であるが,会議や授業が非常に多い印象がある.
学生視線で『実験の相談をしたいのに,また会議なのか…』程度の理解ではあるのだけれど,『教授を探して実験室で発見』というパターンは案外少なかったし,爆発して髪の毛がチリチリ…というのも見たことがない.
また,他者の論文の査読や書籍の執筆・監修,学会の運営等を受け持つことも多く,様々なデスクワークに時間を取られている印象が強い.
ついでなので,小学校に入学してから教授になるまでのフローを図にしてみた(図1).


sb19801.jpg
図1.教授になるまでのフロー
途中で退職する人や,全然異なる業界から教員になる人など,例外は多々あるが,とりあえず理系の場合,多くはこんな感じではないだろうか?


このように,一見多様性が少なそうな大学の中にも様々な人がいる.
もちろん他のギョーカイでも同じことが言えるはずだ.
シラス干しを食べながら,そんなことを思ったのであった(やっと魚).

※1.●●博士という表記も聞いたことがあるかもしれないが,1991年の学位規則改正で博士(●●)という表記に変更になったようだ(下に掲載).
※2.こちらは学校教育法の改正で2007年に表記が変更されたようだ.
詳しくは,Wikipediaの解説を参照(下に掲載)して欲しい.


参考文献
研究者マンガ「ハカセといふ生物」→リンク
Wikipediaの『博士(●●)』に関する記載→リンク
Wikipediaの教員名に関する記載→リンク
posted by osakana at 01:33| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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