2022年08月25日

魚話その214 シン・リアルタイム骨取りその8 〜支柱と台座を作るよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に


工作のターン!
支柱とか台座の材料や作り方は人それぞれなので,あくまで僕が趣味でやっている方法を紹介する.
僕はイベント出展時と自宅に飾る時とで什器を変えるので着脱ギミック付きだがが,家に飾るだけ/小さいホネであれば省略可能な部分も多い.
実は釣り好きからの派生で釣り具を作るのも好きで,工作も20年以上続く趣味の1つだったりする.
電動工具とかガンガン出てくるけれど,別にこれが必須というわけではなくて,各自で好きなように製作すれば良いと思う.
また,ホームセンターのみならず100均や模型店,彫金工具店にも素材や道具やヒントが転がっているので,ちょいちょい覗いてみるのもお勧めだ.
特に模型や彫金系の店は,ホームセンターや工作系通販サイトでも見かけないような小さめ金属素材や,痒い所に手が届く便利グッズと出会えるチャンスが眠っている.

さて.


1. バランス取り
落下に注意しつつ,バランスが取れる位置を探す.
頭骨が結構重いので,かなり前方でバランスが取れることが多い.
一度ホネを整形台等に戻し,工作時の埃や破損を避けるため安全な場所へ避難.
ダツやヤガラのように形状によっては頭骨のみでもバランス取りをすることもあるが,省略することも多い.

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Fig. 1 全身骨格のバランス取り
a) チカメキントキ, b) アカタチ, c) ノーザンバラムンディ
バランスが取れる部分を赤三角で示した.
脊柱等に補強金具が入ったりしているので,ホネだけのバランスと同一とは限らないことに注意.



2. デザイン
魚のホネは陸上の中〜大型哺乳類と比べものすごく軽いため,支柱のデザインに関してわりと自由度が高い.
最近は全身骨格も増えたのであれこれ作っているが,ちょい前までは全身骨格よりも頭骨や顎が多かったせいか,曲げた棒を後頭部の穴に刺したり,直に接着していた.
僕が作っているホネの飾り台は支柱,連結金具,台座の3つに分かれており(Fig. 2),支柱はホネから主軸への変換パーツ,連結金具は支柱と台座を着脱可能にするパーツ,台座は支柱を自立させるパーツとして考えている.

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Fig. 2 我が家の支柱の模式図(断面図)
各部位の名称はブログ用に僕がとりあえず付けただけなので,一般名ではないことに注意.



一応ホネに負荷がかかりにくい構造等をぼんやり意識はしているが,専門家ではないので,建築工学的計算に基づいた設計ではない(Fig. 3).
もしあれこれ調べたければ,博物館の骨格標本の展示を観察するのが良いと思う.
博物館で展示される骨格標本の什器は長期間の使用に耐えるような構造や支え方になっているので,いろいろ参考になる(Fig. 4).

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Fig. 3 我流の支柱
a) トクビレ頭骨用の支柱, b) トクビレ頭骨を装着, c) 頭骨用支柱に装着するシルエットプレート, d) ウチワフグ全身骨格の支柱, e) ウチワフグを装着
頭骨用の支柱は支柱の根元に全身のシルエットプレート添えたりもしていたのだけれど…糸ノコで毎回切り抜いていたので面倒だった.


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Fig. 4 博物館展示の支柱の例
a) 透明アクリル棒による支柱, b) パンチングメタルを活用した支柱, c) 壁掛け, d) 台座にネジ固定された金属製支柱, e) 台座にネジ固定された金属製支柱
a〜c: 茨城県自然史博物館, d: 須磨水族園 e: 千葉県立中央博物館



3. 支柱の製作
真鍮やアルミの細めの針金を使い,ホネの形状に合わせた試作品を基に,ホネを支えるのに良い感じの太さの真鍮やステンレス材を曲げたパーツを作る(Fig. 5).
パーツ同士の接続は,はんだ付けやロウ付け,接着剤,ねじ留めが僕にもできる手法なので,それらを適宜使い分けている.
耐候性や強度はねじ留めやロウ付けがダントツだが,加工が手間だったり焼きなましによる軟化が発生したりもするので,一長一短だ.
また,はめ込み部分は落下や離脱の危険が少ないので,作業の簡便さから2液性の金属用接着剤を多用している(Fig. 5a).
ライターやヒートガンで100度程度に加熱すると,強固な2液性接着剤も融けて外せるようになる(ホネではちょっとできない操作).

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Fig. 5 支柱の製作の様子
a) 我が家で良く使う材料, b) 試作, c) 丈夫な素材で置換, d) ロウ付け, e) 完成
最近ニシンやドラド,ノーザンバラムンディといった,体の後方に腹ビレがある(=筋肉中に腰帯が浮いている)を扱っていたせいか,腹の輪郭をイメージしたラインの支柱が個人的に流行中.



材料はFig. 4からもわかるように真鍮やステンレス,鉄,木,プラスチック等,様々な素材が使われている.
僕は加工性や錆びにくさから真鍮とステンレスの丸棒と針金を選定しており,特に主軸は硬めのステンレス丸棒を多用している.
これは連結金具と主軸をイモネジ固定しているため,柔らかい素材だと主軸が潰れたり傷がついて抜けなくなる恐れがあるためだ.
また,ステンバネ鋼線は便利だが,長すぎる/細すぎるとビヨンビヨンと揺れてしまう.
ちょっとした振動でしょっちゅう揺れるようなら,ホネへの負担やパーツ紛失のリスクも上がるので,仕様を見直す必要がある.


4.連結金具の製作
支柱の太さに合わせ,真鍮丸棒を旋盤で加工し,中心と側面に穴をあけ,側面と底面にねじ加工をしている(Fig. 6)
台座に穴をあけ,支柱の主軸を直接差し込むのでも全然構わない.
イベント出展時の輸送の利便性と,自宅に飾る際は地震や風などによる落下防止のため飾り棚にしっかりねじ固定した金具に移し替えることがある(Fig. 7)ため,連結金具を用いて着脱可能にしてあるだけだ.

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Fig. 6 連結金具の製作の様子
a) 模式図(断面), b) 旋盤加工の様子, c) ねじ加工の様子, d) 完成



サイズによっては木材や市販の商品(フランジ接手やフランジ金具というものがある)でも代用可能で,そもそも旋盤は必須ではない.
なんなら真鍮製のハトメだって木に埋め込むと良い感じになる.

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Fig. 7 自宅の棚に支柱を固定する金具
a) バショウカジキ全身骨格を柱に固定する金具, b) アカヤガラ頭骨を棚板に固定する金具
固定金具を赤三角で示した.



5. 台座の製作
材木やアクリル板に穴をあけ,カンナやトリマーなどを使って縁取り加工し,オイルや蜜蝋,ニスなどを塗って仕上げる.
暗色の台座が好みなら,ステインを併用するのもありだ.
僕は連結金具とねじで台座を挟み込むようにして固定するので,底面から沈めフライスや段付きドリルと呼ばれる刃でねじ頭を埋める穴もあける(Fig. 8).

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Fig. 8 台座の製作
a) 材木カット, b) 穴あけ加工, c) 縁取り加工, d) 仕上げ材塗り前後の比較(右が塗った後), e) 完成


単に見た目の問題なので切りっぱなしの木片でも構わないのだが,僕は工作用の材料と勘違いして使ってしまうこともあるため,塗装や装飾をつけるようにしている.
少し面倒だが,例えば半身骨格用に半分ずつ仕上げを変えたり,淡水魚用にリバーテーブルの技法を導入したり,魚の名前に合わせて木材を選定して遊ぶこともある(Fig. 9a〜c).
加工が面倒であれば,飾り台用の加工が施された木材をホームセンター等で入手可能だ(Fig. 9d).
チークやアガチス製(たぶん)で,暗めの仕上げ材を塗れば格好良くなる.

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Fig. 9 a) 半身骨格の作品に合わせた台座(フィギュア用の製作依頼品), b) リバーテーブルの手法を応用した台座, c) タチウオの頭骨用に鉄刀木(タガヤサン)で製作した台座, d) 市販の飾り台


6. ラベル製作
工作趣味から派生して真鍮製のラベルを作製している.
少し前まではF式エッチングと呼ばれる,真鍮板の表面を溶かして文字や模様を浮き彫りにする方法で作製していた(Fig. 10).

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Fig. 10 F式エッチング法によるラベルの作製
a) レーザープリンタでマスキングを作製, b) 真鍮板に転写, c) 薬品処理, d) エッチング後の真鍮板, e) 塗装, f) 研磨, g) 穴あけ・曲げ加工・表面コート等をして完成
cは中和の様子で,エッチング液は暗色溶液で中の様子が見づらかったので割愛した.
F式エッチングは模型や電子工作関係で完成された手法なので,興味ある人はこちらのサイトを参考にして欲しい.
エッチングに伴う廃液処理法等も載っている(廃液は銅イオンを大量に含むため,排水口への廃棄は法令で禁止されている),



エッチングは廃液処理の問題もあり,2022年に入ってからCNCフライス盤という自動削り機で削る方法にシフトした(Fig. 11).
細かさはエッチングに劣るが,僕が住んでいる自治体ではエッチング廃液の処理法がかなり厄介なことが判明したため,引っ越しを機にCNCフライスへの移行を決意,7年後にようやく実現した.

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Fig. 11 CNCフライス盤によるラベルの作製
a) デザインした図柄をCNC用のデータに変換, b) 切削, c) 切削終了, d) 塗装, e) 研磨・穴あけ・曲げ加工・表面コート等をして完成



ちなみにどちらの手法も文字や模様を浮き彫りないしは溝彫りすることで下地との高低差を作り,塗装後に表面研磨することで特定の部分のみ真鍮が浮かび上がるようにする手法だ.
完成したラベルは,適当な長さにカットした虫ピンと接着剤を併用して台座に固定している(Fig. 12).

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Fig. 12 a) 虫ピンとラベル, b) 台座に固定した様子


真鍮製ラベルは高級感マシマシだが準備に時間がかかるため,複数魚種のホネが溜まってから作ることが多い.
その都度作るなら,金色シールに自分で印刷して厚紙やプラバンに貼り付けたり,コーヒー染めしてアンティーク調にするのもありだ(Fig. 13).

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Fig. 13 コーヒー染めした紙で作製したラベル
ネットで検索すればいくらでも方法は出てくる.
スペースに余裕があれば,モノクロレーザープリンタを買うのもありかもしれない.
トナーは少々高いが印刷可能枚数は多いし,本体は1万円台で買えたりするので…



7. ケースの製作
自作しても良いし,フィギュア用のケースに入れても良いし,Fig, 2cのような固定法で額装しても良い.
僕も依頼品に対し特製のケースを製作することもある(Fig. 14)が,自分用のはコレクション棚に入れて埃と虫への対策としている.
現在は剝き出しのホネもあるが,将来的には前面に着脱式のパネルを設け,埃対策を施す予定だ.
チカメキントキに関しては棚に収納予定なので,ケース作製は省略.

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Fig. 14 ドラド全身骨格用に作製したケース


代案を細かく書いたらキリがないので工作パートはおしまい.
というわけで完成したチカメキントキ全身骨格はこんな感じ(Fig. 15).
寸詰まりの魚ゆえ腹椎2点支持は厳しかったので,腹椎と尻ビレの棘で支える方式にしてみた.
台座はパドックという赤い木で,チカメキントキの鮮やかな赤色を意識してみた.

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Fig. 15 完成したチカメキントキ全身骨格


繰り返しになるが,個人趣味では特に決まりごとがあるわけでもないので,予算と場所と時間と相談しつつ好きなように作るのがいいと思う.
廃材利用で材料費0円でも200万円の銘木仕様でも自由だ.
「素人魂のブログで支柱は真鍮とステンレスで作らないといけないって書いてあったので,どの太さの棒を買ったらいいか教えてください」とか言われても僕は困る…というか文章がちゃんと読んでもらえてなくて悲しいし,多分ホームセンターの人は困る.
そんなわけで,シン・リアルタイム骨取りの作業パートはこれでおしまい.
(もうちっとだけ続くんじゃ)


posted by osakana at 18:53| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月16日

魚話その213 シン・リアルタイム骨取りその7 〜組立と整形するよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に

ちまちまちまちまちまちまちまちましたクリーニング作業も飽きてきてなんとか終わり,ようやく組立.
たまに接着剤について聞かれるが,僕はアロンアルファ等のシアノアクリレート系瞬間接着剤を愛用している.
硬化後も瞬間接着剤用の剥がし液やアセトンで溶かせるのが最大の理由.
自宅系骨格標本の組立で紹介されがちなホットボンドは手軽だが湿気や経年劣化で剥離するので,仮止め以外では使っていない.
また,2液性のエポキシ接着剤も硬化後の除去が厄介なので,支柱や台座の製作以外では使っていない.

さて.
作業スタート.
1. 組立
1-1. 整形台の作製
水中に浮かんでいる魚は,ヒレが上下左右に伸びているため,卓上にベタ置きするとパーツの末端が破損してしまう.
最終的には飾り台に乗せて浮かせるが,作業中の悲劇も防ぐべく,ここ数年は整形台を用いることが増えた.
台とはいっても,スチレンボードを垂直に組み合わせた簡易なものだ(Fig. 1a).
最近は大きめの魚を扱うこともあり,そもそも毎晩のように魚のホネをいじっているので,もう一つの趣味である工作も兼ね金属製の整形台を作ってしまった(Fig. 1b)が,小魚であればスチレンボードを組み合わせた簡便な整形台でも問題ない.
気分転換がてら同時並行で別の魚の整形をすることも多いので,整形台はいくつあっても困らないのである.

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Fig. 1 整形台
a) スチレンボード製, b) 金属製
魚種によって形状をアレンジすることはあるが,大体こんな感じ.
スチレンボードはダイソーのカラーボード(450 x 300 x 10mm)の黒を愛用している.



そこそこの重量がある魚を扱いたい場合は,通販で実験スタンドを買ってきて改良したり,ホームセンターで適当な木材を買ってきても簡単に作れると思う.
繰り返しになるが,僕は工作も趣味なので金属で作っただけだ.


1-2. 脊柱の補強
まずは脊髄が通っていた穴に針金を通し,脊柱を補強する(Fig. 2).
脊柱のカーブがきつい魚種の場合は,柔軟性が残っている粗整形の段階で針金を通すこともある.
元々カーブを描いていた脊柱がまっすぐになると違和感が半端ないので,除肉時に撮影した写真を参考にカーブを決める.
尾椎の奥まで針金を差し込んだら,右側面(左向きに展示する場合)から数ヶ所瞬間接着剤を入れ,針金を接着する.
材質は真鍮屋ステンレスで,魚種やホネの重さ,形状に合わせてなんとなく使い分けている.
ただし鉄製は赤錆の色がホネに移ることがあるので,使わない.
整形作業で水によるふやかし作業があり,また,飾っている際にも微妙な結露やらで錆びたりする.

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Fig. 2 脊柱に通した針金
a) カーブに合わせた真鍮針金, b) 脊柱に通した様子
赤三角は脊柱に通した針金を示す.


1-3. 頭骨と肩帯の組立
後頭部に残しておいた肩帯のパーツを頼りに肩帯を接着(Fig. 3).
薬品処理や乾燥時に角度が変わっている可能性もあるので,必要に応じ角度調整後に接着することもある.
また,肋骨や肉間骨と近いため,胸ビレ/腹ビレの末端と接触破損することも多いので注意.

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Fig. 3 肩帯との連結
a) 左右非対称にパーツを残した肩帯の様子, b) 頭部との連結



1-4. 頭部と胴体の組立
神経頭蓋と第1脊椎骨の連結部分は大きな穴が開いているだけで位置を決めにくい.
そのため頭骨側に数個脊椎骨を残しておくと,位置決めしやすい…と除肉の際にドヤって書いたのに,すっかり忘れているのが素人魂クオリティ….
負荷が大きく落下しやすいので,整形台に乗せる際は眼窩に標本針を通し,頭部も支える.

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Fig. 4 頭部との連結
a) 連結部位の様子, b) 連結後の保持の様子
魚のホネは全体的に軽く,そこまで負荷がかかるもんでもないとは思っているけれど…
接着不備で落下すれば今までの努力が水泡に帰すので,慎重に…慎重に…



1-5. 腰帯の組立

除肉時に撮影した情報を頼りに,腰帯先端部を肩帯に接着する(Fig. 5a, b).
肩帯と連結したままの場合は省略.
また,腰帯が頭部から離れ,接着では対応できない魚種(ナマズとかコイとかホネ取り対象になりやすい魚でも結構多い)の場合は,支柱作製時に合体(Fig. 5c).

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Fig. 5 腰帯の連結
a) 連結部位の様子, b) 連結後の様子, c) 腰帯が後方にある場合(ニシン)
赤三角は接着部位.



2. 整形
とりあえず全体をざっと見て,気になる部分をピックアップしていく.
今回のチカメキントキは粗整形の工程である程度ポーズも決まってしまい,ちょっと整形の効果が分かりにくいため,過去に撮影したミドリフサアンコウの全身骨格を例に気になる部分のピックアップと整形後を載せてみた(Fig. 6).

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Fig. 6 気になる部分のピックアップと整形後(ミドリフサアンコウ)


パーツの大半を連結したまま作業を進めてきたのは,関節をふやかすことでポーズを微調整できるため.
一度にまとめて整形しようと全域をドボンと水に浸すと,乾燥時の腱等の収縮で歪んでしまうので,慌てず複数回に分けて整形していく(特に頭部).
整形の順番は特に決めているわけではないのだが,今までの記事を踏襲して一応番号を振ってある.
強いて挙げるとしたら,ヒレのようなボリュームが増すようなパーツや末端のパーツ,動きが小さい部位は最後の方に回すとかそんな感じ.
また,既にいい感じになっている部分の整形は省略することも多い.

整形に使用する針は昆虫針でも竹ひごでも何でも使うが,鉄にメッキを施したまち針だけは使わないようにしている.
理由は前述した脊柱の補強と同様だ.
最近はステンレス製の長い針を入手することもできるようになり,厚みがある魚の整形作業もとても楽になった(Fig. 7).

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Fig. 7 整形で使用している針の比較
a) 剥製針, b) 自作のステンレス針, c) ステンレス製まち針(クローバー製), d) 昆虫針(志賀昆虫製)
最近は剥製針を購入しているが,かつては釣具店で購入したステンレスバネ鋼線(天秤仕掛け自作用)で自作していた.
柔らかいスチレンボードに刺すだけなので,適当に研いだ自作針でも十分使える.



さて気を取り直してチカメキントキの整形.

2-1. 頭部の整形
大きく動く/動かすパーツを先に修正している.
関節付近を程よくふやかし,乾いたキムワイプや針,スチレンボード等を使って保定・乾燥するととで整形する.
僕が気にしているのは,鼻骨の位置(Fig. 8a),鰓条骨の間隔(Fig. 8b),顎の開き具合と上顎パーツの連動(Fig. 9),鰓蓋骨の開き具合,眼下骨の歪みあたりで,雑に整形すると結構目立つ.

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Fig. 8 頭部パーツの整形の一例
a) 骨の整形, b) 鰓条骨の間隔の調整
鼻骨は左右の開き具合と高さが揃うよう調整.
どちらも小パーツかつ連結部分も点付けなことが多いため,クリーニング中に紛失しやすい.
位置が決まったら目立たない部分に接着剤を多めに流している.


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Fig. 9 顎の開閉と概要(マダイを例に)
主上顎骨・前上顎骨・下顎パーツの内外関係や開き具合を調整.
魚種によって上顎パーツの動き具合が変わるので,除肉時に確認しておくと良い.
また,主上顎骨と下顎パーツの内外関係が入れ替わったままの写真をネットで見かけることが多い.
違和感がパないので,きっちり直しておく.



2-2. 肋骨の整形
付け根を軽くふやかして針で固定する(Fig. 10)…だけなのだが,左右でずれていると気持ちが悪い.
ねじれが発生していることもあるので,1本の肋骨に対し複数の針を使用して修正することもある.
また,外れてしまった肋骨は,前後の肋骨の位置関係が決まってから接着したほうがいい感じになることが多いので,数本であればこの段階で接着することが多い.

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Fig. 10 肋骨の整形
a) 接続部をふやかしているところ, b) 乾燥時の保定の様子



2-3. 鰭条の整形
肋骨同様に個々の鰭条を広げて針で固定する(Fig. 11a).
作業に夢中になって気づかぬうちに先端に触れていることも多いので,作業中の破損に注意している.
鰭条を平面的に広げたいときは園芸ネットで押さえながら乾燥させるときれいに整う(Fig. 11b, ネットの表裏に注意).

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Fig. 11 鰭条の整形
a) 保定の様子, b) 園芸ネットを使用した保定



2−3. 仕上げクリーニング
担鰭骨の薄膜に残った軟組織などをクリーニングしきってしまうと,脊柱の形状が確定しないと整形作業中に外れてしまうことがあり,意図的に残しておくことがある.
組立が完了していれば脊柱などはもう大きく動かすことはなく,担鰭骨の位置調整もほぼ終了していることが多いので,担鰭骨-神経棘間の連結を軟組織から接着剤に置き換えたりしている(Fig. 12).

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Fig. 12 背鰭後半部担鰭骨の仕上げクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後


整形はとても好きな作業なので延々と続けてしまうのでが,適度なところで切り上げる必要がある.
一度全体像を撮影してみると,肉眼で見た時とは別の違和感に気づいたりすることもある(Fig. 13).

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Fig. 13 整形後の様子


前回のクリーニング同様,ちまちました作業が多く,ちょっと時間がかかってしまった.
作業の途中で部屋の改装が入ったり,なんやかやと別の用事も挟み込まれ遅延に遅延を重ねた結果でもあるが,リアルタイム更新ということで勘弁してほしい.
そんな感じで今回はおしまい.
posted by osakana at 21:25| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月02日

魚話その212 シン・リアルタイム骨取りその6 〜クリーニングするよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に

ここからはちまちま作業のターン!
軟組織が残っている部分を濡らしたキムワイプでふやかし,ピンセット等でちまちま除去していく.
準備する道具では書き忘れた触れなかったが,ホームセンターで手に入る有機溶剤対応の細筆(コシが強めのやつ)の先端をカットしたブラシも軟組織を浮かせたり剥がしたりするのに便利だ(Fig. 1).


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Fig.1 クリーニングで使用する器具
先端がしっかり合うピンセットがあると,作業効率が断然違う.
僕が学生の頃の実習では,「先端が精密なピンセットを曲げたら切腹するくらいのつもりで大事に使ってください」と言われたりした…



全身をふやかすのではなく,1ヶ所選択(例えば尾ビレのみとか)→ふやかし→クリーニング→一晩乾燥→別の場所を…といった感じで作業している.
また,作業に夢中になって周囲が見えず,あちこちにぶつけてしまい軟条の先端を破損してしまうこともある.
ここまで来て破損するのは絶対に避けたいので,僕はスチレンボードに固定し,繊細な部分を保護するようにしている.

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Fig. 2 クリーニング時の破損防止用の保定


1. 脊柱
脊柱が緩んで体軸が歪むのを防ぐため,軽く絞ったキムワイプで表面の肉だけをふやかす.
神経棘や血管棘の間の膜や脊髄,血管,周辺の膜もこの時に除去する.
必要に応じて歯間ブラシなども併用すると綺麗になる.
神経局や血管棘の間の膜は担鰭骨と見分けづらいこともあるが,ふやかすと硬さに差が出るので,落ち着いて選別したい.
魚種によっては脊椎骨の強度に不安が残る事もあるので,脊髄クリーニングの確認がてら脊髄が通っていた穴に針金を入れ,補強を行うこともある.

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Fig. 3 脊柱のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後



2. 肋骨&肉間骨

脱脂と漂白まで済んでいれば接着剤が効くので,肋骨との連結部位を確認・撮影し,肉間骨は作業の関係で外してしまうことも多い.
一方で肋骨はバラして再接着するよりも接続したままクリーニングを完了させることが多い.
完成時に変な方向を向いていると目立つことが多く,全長30cm程度の魚であれば接合部に残った軟組織くらいならほとんど目立つこともないので,ふやかして角度を何度も微調整できる利を採ることが多い.

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Fig. 4 肋骨および肉間骨のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後


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Fig. 5 クリーニングのため一時的に外した肉間骨
肉間骨の角度はアセトンを染み込ませたキムワイプで緩ませることにより再調整可能(換気注意).



3. ヒレ
末端部が破損しやすいので,慎重に作業する.
まずは作業対象となるヒレの鰭条をすべてふやかし,1本ずつほぐす.
軟条は(左右の結合まで)過剰に分離してしまう恐れがあるので,ほぐしすぎには注意(Fig. 4).
メス等の刃物を使うと軟条を切断してしまう可能性があるので,柄付針などでほぐすのが安心だ.
鰭条がほぐれたら,ちょっと精密な(ギザギザ系ではない)ピンセットを使い,色が付いた皮を丁寧に剥がす.
白色や半透明で目立たぬようであれば,無理に攻め込まず,ほどほどのところで切り上げ.
鰭条の付け根付近は軟組織多く変色しやすいので,ピンセットを使ってワシワシと除去していく.
冒頭で触れた毛先カット筆で鰭条の流れに沿って撫でると,残った皮や膜が浮いて掴みやすくなる.

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Fig. 6 軟条の構造(マダイの左胸ビレ軟条を例に)
軟条は柔軟性確保のため多数のパーツが連結している.
また,左右のパーツが1本ずつ中心で組み合わさって1本の軟条を構成しているので,ほぐしすぎには注意が必要.
あくまで膜を取るだけにしたい.


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Fig. 7 ヒレのクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後



4. 肩帯&腰帯
擬鎖骨の凹みに肉が,鰓と接している側に厚めの皮が残りがちなので,きっちり除去する.
鰓蓋骨同様,薄い膜部分が破けやすいので注意.

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Fig. 8 肩帯および腰帯のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後
赤矢印が除去対象となる軟組織.



5. 頭骨
全体的に凹凸が多く,特にくぼんだ部分に貼り付いた皮が取りづらい.
鼻骨周辺や神経頭蓋の内側に有色の皮が残ってたりするので,ふやかしつつ丁寧に除去する.
特に神経頭蓋の内側(脳が収まっている空間の天井部分)は見落としがちで,外側をいくら擦っても色が落ちない時は,内側のクリーニングで改善することも多い.
小さく丸めたキムワイプや歯間ブラシで擦ってみて色が落ちるようであれば,がっつりクリーニングしておく.
鰓蓋骨の裏側の皮も案外目立つので,残っているようであれば除去しておく.
頭頂部や鰓蓋のような飾った際に最初に視線が行く部分は少しでも残っていると目立つので,丁寧に作業する.
また,側頭骨周辺の薄皮も見落としがちなので,軟組織が残っていないか確認する.

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Fig. 9 頭骨のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後
赤矢印が除去対象となる軟組織.


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Fig.10 鰓弓のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後



6.顕微鏡を用いたクリーニング
魚のサイズや視力,老眼等々の事情で作業しづらいこともある.
そんな時はルーペや実体顕微鏡を使うのもありだと思う.
総合倍率が4〜8倍もあれば,かなりの戦力になる(むしろ高倍率だと作業しづらい).
昆虫などの観察にも使う人は奮発するもよし,模型やホネ作業の補助用であれば,中古ないしは海外の製品まで視野に入れると2〜3万円から入手が可能だ.
眼鏡式ルーペや拡大鏡付きライトスタンド等も試したが,作業後の疲労や相性もあり,現在は実体顕微鏡に落ち着いている.
肉眼にこだわるのもありだが,最終的なゴールは全身骨格を仕上げることであり,快適な作業性も捨てがたい.

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Fig. 11 我が家の実体顕微鏡

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Fig. 12 軟条末端のクリーニング
a) クリーニング前, b) クリーニング後
右下の黒い丸棒は0.5mm径のシャーペンの替え芯.



圧倒的に拘束時間が長く,ず〜〜〜〜〜っと単調作業が続くだけなので,この工程は薬品処理以上に書くことがなかった.
薄くて細い繊維や皮をつまむので,ピンセットの先端がずれているようであれば,微調整しておく.
つまんでいるはずなのに,いつまでも取れない…なんて状況は本当にストレスが溜まる.
この段階までくると,(しっかり脱脂を済ませていれば)臭いもほとんどしないので,快適な部屋でオンライン雑談をしたりラジオや音楽を聴きながら作業をすることも多い.
また,その日の作業前と作業後に写真を撮り,作業の進捗を確認しつつ自己満足するのも重要だ.
とにかく単調作業なので,モチベーションを維持しつつ,できるだけストレスフリーで切り抜けたい.


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Fig. 13 クリーニングが大体終わったところ


クリーニングの前後で結構違うのが分かるだろうか?
疲れたので今日はここまで.
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2022年07月15日

魚話その211 シン・リアルタイム骨取りその5 〜漂白と粗整形やるよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に


今回も液体に浸すだけなので,余談が多めの回.
脂ノリノリだったので,頭骨は有機溶剤脱脂(限定公開記事の方)の最終段階までやってしまったが,いい感じに脂は抜けた(Fig. 1).

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Fig. 1 脱脂が完了した様子


脱脂の過不足に関しては簡易的に脱脂液を透明なガラス等に数滴垂らし,乾燥後の残渣(ざんさ)を見て判断する(Fig. 2)のもありだし,趣味レベルならしばらく放置して変色しないか様子見するのでもいいと思っている.

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Fig. 2 脱脂の確認例
我が家には作業待ちのホネが溜まっていて,放置している間に脱脂の過不足(変色するか否か)が判断できてしまうので,残渣による確認はあまりやっていない.



何度も触れているように,有機溶剤脱脂の有無に関わらず,脳の除去はきっちり丁寧に.
完成直後は真っ白でも,時間の経過とともに脳由来の脂が酸化して変色することも多い(Fig. 3).

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Fig. 3 脳の除去不足で頭頂部が褐変した頭骨(マツカサウオ)


さて.
僕がやっている漂白とすすぎの例をFig. 4に示した.
ここからわかるように漂白作業は地味に拘束時間が長いので,脱脂済のホネであれば適当に日程調整し,連休の午前中から始めたりしている.
脱脂工程と異なり臭いがしないため軽視されがちだが,跳ねた滴が眼に入るとダメージを受けるので,安全眼鏡を着用する.

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Fig. 4 漂白・すすぎの例


1. 有機溶剤抜き
有機溶剤脱脂を行った場合,残留した有機溶剤と漂白液との反応が怖いので,風通しの良い屋外に2日ほど放置して完全に揮発させる.
厳寒期や梅雨時,大型魚の場合はもう少し長めに放置することもある.


2. 漂白
オキシドールないしは1〜3%に希釈した過酸化水素水に漬ける(Fig. 5).
残った軟組織が発泡してホネが浮いてしまうので,一回り小さいタッパーやPP板を落とし蓋のように使い,漂白液液面下に沈むようにする.
後述の「注意点」でも触れるが,ピンセットなどを用いて底まで沈めたり,様子見ができないまま長時間の放置(就寝時間を充てる等)はリスキーなので,やらないようにしている.
なお,使用後の漂白液は,数回であれば使いまわし可能だが,絶対にスクリューキャップ式の容器で保管しないこと(注意点5-2を参照)!

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Fig. 5 漂白の様子
a) 漂白液に浸した様子, b) 「落とし蓋」をしてホネを水面下に沈めた様子



3. すすぎ
大きめの容器にたっぷりの水を用意し,水を入れ替えながら漂白液を完全に抜く(Fig. 6).
同サイズの容器が2つあると作業が楽だ.
魚体やすすぎ用の容器サイズによって適切な回数は変動するが,冬季は10回目以降のすすぎで一晩放置することもある(夏季は怖いので一晩放置はしてない).
すすぎ初期の頃は残留物による漂白がじわじわ進行する可能性があるため,どんなに時間がなくても,すすぎ初期の段階で放置しないようにしている.

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Fig. 6 すすぎの様子


水流で崩壊する可能性もあり,魚種によっては園芸ネットでバスケットを作る等,余計な負荷がかからないような細工もしている(Fig. 7).
また,パーツ紛失が多発するので,すすぎ水の換水時はザル越しに流す等のリスク管理を行いたい.

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Fig. 7 破損防止のための自作かご(イヌノシタ)


4. 乾燥・粗整形
すすぎから回収したらペーパータオルに乗せて軽く水を切り,100均のスチレンボードやステンレス製の針を使い,脊柱と頭部の角度を調整する(Fig. 8a).
鰭条末端はスチレンボードの小片や針をうまく使い,ボードから鰭条末端を浮かせる(Fig. 8b).
整形は中心部から末端に向けて行うと良い感じに仕上がるので,体軸の整形は地味に重要だ.
肩帯や腰帯はこれまで同様にフックで吊るしても良いし,連結が緩くなっているようであれば,針でうまく角度調整をして鰭条末端がスチレンボードに触れないようにして乾燥させておく(Fig. 8c).
頭骨に関しては,鰓弓の整形が面倒なので,丸めたキムワイプ等を詰めて膨らませておく(Fig. 8d).
ついでに各ヒレの鰭条の癒着もほぐしておくなど,せっかく全体的にふやけているので有効活用する.
詰め物等で乾燥しづらくなっていること,この後の作業で殺菌を兼ねた処置が存在しないこと等を加味し,微風を当てつつ乾燥している(急激な乾燥は変形・破損のリスクがある).

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Fig. 8 粗整形の様子
a) 体軸の整形,b) 鰭条を浮かせている様子,c) 肩帯:腰帯の乾燥,d) 鰓弓の整形の様子



以降は漂白〜粗整形の注意点.

5. 注意点
5-1. パーツが緩くなっている
漂白液はパーツ間の連結を緩くする作用があり,長時間漬けすぎると全バラ,最悪の場合は骨がモロモロになってしまう.
こまめにチェックし,程よく赤と黄色が抜けたらすすぎ工程へ.
濡れている時は若干黄色味を帯びているホネも乾燥と共に白味が増すので,長時間放置しすぎるのは避けたい.
一度乾燥させて白さ不足を感じたら再漂白するのでも良いと思う.
二度手間になるが,崩壊するよりはずっっっっっっとマシだ.
また,漂白に伴う浮力増加や連結の緩みの影響は地味に大きく,一部のパーツだけに錘を乗せたり,容器底面と錘で挟み込むような沈め方は予期せぬトラブルに繋がったりする.

5-2. 漂白液の再利用と保管について
使用済みの漂白液は,しっかり除肉と脱脂が済んでいれば数回の再利用は可能と考えているが,保管はPP製タッパーに軽く蓋を乗せる程度にしたい.
液中に残った軟組織等により酸素が発生し,容器内の内圧が高まることがあるため,スクリューキャップ式容器やロック付きの容器では破裂の恐れがある(Fig. 9).
販売時にオキシドールが入っていた容器なら…と言いたいところだが,パンパンに膨らんで嫌な汗をかいた経験があるので,お薦めしない.
破裂しないにしても,次回蓋を開けた際に「プシュッ」っとガスが出て顔に雫が飛んできても嫌だし…

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Fig. 9 a) 35%過酸化水素水の容器に設けられたガス抜きの穴, b) 使用後のオキシドールを戻してパンパンに膨らんでしまった容器


5-3. 過酸化水素は温度上昇でパワーアップする
オキシドールの主成分である過酸化水素は温度が上がるとパワーアップするため,夏季の漂白は特に注意している.
すすぎ用の水も注意が必要で,夏季であれば配管に滞留して温まった水を流し切り,そこそこ冷えた水を使うようにしている.
手間暇かけた全身骨格が,漂白やすすぎ工程でバラバラになっているのを発見した時に流した冷や汗の回数は片手では数え切れず,思い出しただけで震えてくる(Fig. 10).

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Fig. 10 a) すすぎ工程で鰭条が崩壊したイヌゴチ, b) 半身骨格として仕上げたイヌゴチ
冷水と間違えて温水を入れてしまった僕が100%悪い.
脊柱他さまざまな場所が分離していたが,最終的には全部繋げ直し,半身骨格として仕上げることはできた.
が…かなり精神的ダメージを負った.


5-4. ステンレスも腐食する
ステンレスも種類によっては,軟組織&過酸化水素と反応して腐食することがあるため,解剖器具を錘代わりに使うのはもとより,パーツ順維持のためステンレス針金で数珠つなぎにしている場合も注意が必要だ.
条件次第では半日ほどで赤錆が出たり,針金が切れたりする(Fig. 11).
赤錆の色がホネに移ると落とすのが地味に大変(還元系漂白剤を使う時にも薬品同士の混合に気を使う必要がある)なので,可能な限り回避したい.

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Fig. 11 ステンレス製品に発生した赤錆
細かい条件までは把握していないが,過酸化水素水と軟組織が同時にあると,ステンレス製品でも赤錆が発生することがある.



5-5. 虫害やカビに注意
脱脂が終わって魚臭がかなり軽減されているとはいえ,漂白の前後いずれもホネの各所に軟組織が残った状態になっている.
特に虫が沸いてしまうと部屋丸ごとの作業になってしまうこともあるので,作業待ち時の保管には注意.
今まで無縁だったから…と思っていても,ある日突然虫やカビにロックオンされてしまう.

魚種によっては鰭条が漂白前から十分に白いこともある.
そういう場合は不要な破損を防ぐため,漂白液に鰭条を触れさせぬように浸すこともある(Fig. 12).
また,カワハギの尾ビレのように色が抜けにくいこともあるので,ほどほどのところで切り上げるのも大事だと思う.

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Fig. 12 鰭条の漂白
a) すでに真っ白だったので,漂白液を避けているトクビレ,b) 漂白後も色が残るウマヅラハギの鰭条



やることやったので,今日はここまで.
posted by osakana at 01:10| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月03日

魚話その210 シン・リアルタイム骨取りその4 〜脱脂やるよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に


カリカリに乾燥したら薬品による脱脂スタート.
除肉の時にも少し触れたが,乾燥で腐敗を遅らせることはできるが,変色はどんどん進行する.
あくまで概念図だが,Fig. 1のような感じで,変色が始まる前に除肉と乾燥を切り上げたい.
魚種によっては数日で黄変が始まる.

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Fig. 1 時間経過と変色のイメージ


タチウオの全身骨格のように大きすぎて容器に収まらない場合は胴体部分をロール状に巻いたり,普通の形状の魚であれば,負荷のない範囲でカーブさせたり右側面の尾椎連結部に切れ込みを入れ,容器に合わせることもある.

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Fig. 2 脱脂に向けポーズを変える
a) 容器に合わせ尾椎を折ってケースに収めた様子(チカメキントキ).b) ガラス容器に合わせ長い胴体を丸めた様子(タチウオ)



1. アルコール脱脂
とりあえず100均でぎりぎり収まるサイズのタッパーを探し,エタノールに沈める(Fig. 2).
ビー玉で隙間を埋めるとエタノールの節約は可能だが,雑に入れるとパーツ破損に繋がるので注意.
通常サイズのビー玉で約2.3mL,大型のビー玉で約4.2mLの節約が可能だ.
数日間浸しておき,晴れた日に屋外で風乾.
動物や風による紛失・破損にも注意だが,毒性が低いとはいえエタノールも燃えやすいので,火気厳禁だ.

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Fig. 3 アルコール脱脂の様子


とりあえず不特定多数に脱脂方法として無条件公開するのはここまでとする.
アルコールによる脱脂と漂白工程でもでも脂はそれなりに抜けるので,風乾後は漂白工程に移るのも1つの選択肢だ.
実際,キアンコウやカワハギ類は脂が非常に少なく,有機溶剤を用いた脱脂工程を省略しても白く仕上がる(Fig. 4).

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Fig. 4 有機溶剤による脱脂工程を省略して仕上げたウスバハギ全身骨格


10年以上ホネ取り法を記事で更新できなかった理由の1つは,「自己責任で」と書いても読み落とされてしまう可能性があったためだ.

というわけで,どうしても有機溶剤を用いた脱脂法も知りたいという方は,下記の「警告」とその下の「警告に同意して有機溶剤を用いた脱脂法も読む」をクリックしていただき,閲覧してほしい.

有機溶剤による脱脂を行わない場合は,今回の記事はここで終了.



【警告】

リンク先の記事で紹介している手法は,慢性的な中毒症状,火災,死亡など重大なリスクを伴います.
特にアセトンは薬品の組み合わせ(前段階に使用した薬品の残留など)や,酸化剤等の薬品混入によって爆発物を生じることがあり極めて危険なので,注意が必要です.
もし使用する場合は自己責任で使用・保管・管理・廃棄に関してしっかり調べてからにしてください.
本記事は「この方法でやるといいよ」ではなく「私はこの方法でやってます」という紹介なので,仮に家屋の火災や死亡等の重大事故が発生しても,私は一切の責任を負いません.
また,「ここの記事でやってたよ」と別のメディアで第三者に伝える場合も,リスク管理について触れていただければと思います.
伝言ゲームでどんどん情報が削ぎ落とされた後に事故が発生するのも嫌なので.
これらの条件にご理解・同意いただけた方のみ,ご覧ください.
ID・パスワードともに半角小文字でfishです.


「上記の警告内容に同意して有機溶剤を用いた脱脂法も読む」

posted by osakana at 17:34| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月29日

魚話その209 シン・リアルタイム骨取りその3 〜頭部の除肉やるよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に

今回は頭部のJO☆NI☆KU開始.
見やすい角度や説明のしやすさの都合で,いくつかの魚種が混在しているが勘弁してほしい.
どうしても撮りやすい形状などに差異があるのだ…

【注意!!!!!】
今回は除肉の回なので,解体中の写真が多数出てきます.
食用の魚類なので捌いている写真とほぼ一緒なのですが,血や内臓が苦手な方がいらっしゃるかもしれません.
それでもご覧になりたい方のみ以下の本文をご覧ください.
【注意!!!!!】

さて.

1. 肩帯と腰帯の分離と除肉
次に肩帯(胸ビレのユニット)と,魚種によるが腰帯(腹ビレのユニット)を外す.
肩帯は後頭部といくつかのパーツで連結しており,板状のパーツが重なっているだけであるため組立時に迷うことがある.
左右で異なる連結部位から外してやると,後でわかりやすい.

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Fig. 1 a) 頭部と肩帯の分離している場所,b) 分離された肩帯および腰帯,c) 除肉後の肩帯および腰帯(黒矢印が後側頭骨,赤矢印が擬鎖骨)
普段は後側頭骨-上擬鎖骨間(上の黒三角)か上擬鎖骨-後擬鎖骨間(下の黒三角)で分離している.
今回は偶然既にグラついている部分があったので,左肩帯は上擬鎖骨‐擬鎖骨間で,右肩帯は神経頭蓋‐後側頭骨間で外してある.



新鮮で冷凍焼けしていない魚限定だが,鰭条の付け根に切れ込みを入れピンセットで引っ張ると,手袋を脱ぐように皮を剥くことができる(Fig. 2).
ついでに鰭条の間の膜もクリーニングしてしまう.

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Fig. 2 ヒレの除肉(イヌゴチ)
魚種により難易度は大きく異なるが、厚手の皮を持っている魚種は新鮮なうちに剥皮を済ませた方が後々の作業が楽になる.



小型魚の場合は肩帯や腰帯をが小さすぎて除肉時に持ちづらいこともあるので,頭部からの分離と順番を入れ替え,持ち手代わりにすることもある.
大まかな流れは大体一緒だが,細部はその時の気分や魚種でアレンジしている.


2. 頭骨の除肉
頭骨の除肉はとにかくパーツの紛失に注意しながら作業を進めている.
Fig. 3は過去に公開したデータの一部だが,参考に今回の記事でも頭部パーツの大体の位置と名称を載せておく.

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Fig. 3 マダイの頭部パーツ一覧
1. 神経頭蓋,2. 鼻骨,3. 軟骨性強膜,4. 涙骨(眼下骨1),5. 眼下骨2-6, 6. 前上顎骨,7. 主上顎骨,8. 歯骨,9. 角骨&関節骨,10. 口蓋骨,11. 外翼状骨,12. 内翼状骨,13. 後翼状骨,14. 接続骨,15. 方形骨,16. 舌顎骨,17. 前鰓蓋骨,18. 主鰓蓋骨,19. 間鰓蓋骨,20. 下鰓蓋骨,21. 基舌骨,22. 下舌骨,23. 角舌骨,24. 間舌骨,25. 間舌骨,26. 尾舌骨,27. 鰓条骨1-6,28. 上側頭骨1-2,29. 後側頭骨,30. 上擬鎖骨,31. 後擬鎖骨1-2,32. 擬鎖骨,33. 肩甲骨,34. 烏口骨,35. 射出骨1-4,36. 上咽鰓骨,37. 上鰓骨1-4,38. 上咽鰓骨,39. 角鰓骨1-4,40. 下咽頭骨,41. 下鰓骨1-3,42. 基鰓骨1-3, 43. 小軟骨片,44. 腰帯,45. 鰭条骨,A. 胸ビレの軟条,B. 腹ビレの軟条
左右に対で存在するパーツは下線を引いてある.
複数存在する場合は数字を振ってあるが,この記事用に便宜的に振っただけなので,「眼下骨2が…」と研究者と話しても通じないと思うので注意.



これを踏まえ…魚種にもよるが,眼下骨,鼻骨,上側頭骨は皮に近い部分にあり頭部の剥皮の際に紛失しやすいので注意が必要.
もし作業中に外れそうになってしまった場合,ギリギリの状態でプラプラさせておくとすすぎや漂白作業時に紛失する可能性があるので,とりあえず位置関係と連結状況を撮影してから別容器に回収・保管し,最後に組み立てることにしている(Fig. 4).

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Fig. 4 外れてしまった小パーツ保管の一例
静電気で気づかぬうちに紛失する可能性もあるので,マスキングテープでケースに貼り付けメモを残すようにしている.



3. 細部の除肉
細くて破損しやすい鰓条骨や,内臓と共に処分されがちな鰓弓もピンセット2本使いで除肉している.
新鮮なうちにパーツを見極めてしっかり押さえてやれば,案外きれいに毟り取ることができる(Fig. 5, 6).

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Fig. 5 鰓弁の除肉の様子(イヌゴチ)
a) 鰓弁を毟り取っている様子,b) 除去後


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Fig. 6 舌周辺の除肉の様子
a) 除肉前,b) 除肉後



下顎の内側(具体的には歯骨の内側)(Fig. 7)と上顎の内側(口蓋および翼状骨群)に張り付いている厚めの皮も丁寧に剝がす(Fig. 8).

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Fig. 7 歯骨内側(黒矢印)の除肉の様子
a) 除肉前,b) 除肉後


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Fig. 8口蓋の剥皮
a) 副蝶形骨を傷つけないように切れ込み(黒矢印)を入れている様子,b) 剥皮中の様子



いわゆるホホ肉を取り除くと翼状骨群は見えてくるのだが,薄くて透明感があるパーツのため,内側に張り付いている皮が丸見えになり,変色が見えてしまうのだ.
ついでに前上顎骨〜翼状骨群の間に張っている膜(よく釣り針がかかるところ)も丁寧に除去しておく(Fig. 9).
ちょっと面倒だが,きっちり除去しておきたい.

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Fig. 9 口周りの膜の除去


4. 脳の除去
眼窩から「薄膜」を経て神経頭蓋の内部にアクセスできるので,キムワイプで作ったこよりや歯間ブラシを突っ込んで脳を除去する(Fig. 10).
脳は脂を大量に含むため,頭骨内に残っていると頭頂部の褐変の原因となる.
もろに目立つ場所なので,脱脂の第一段階と言っても良いんじゃないかというくらい重要な工程と考えている.

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Fig. 10 脳の除去
a) 眼窩から見た「薄膜」(黒矢印),b) 歯間ブラシによる脳の除去,c) 歯間ブラシに付着した脳,d) こよりに付着した脳

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Fig. 11 a) 頭骨の除肉前,b) 除肉後


とりあえずこんな感じで8〜9割くらい除肉したら,軽く水に漬けて細かい肉屑を落とし,前回除肉した胴体とともにぬるま湯+中性洗剤の溶液に1時間ほど浸す(Fig. 11a).
その後「バケツに張った冷水に5分ほど浸す→水を交換」という作業を20回くらい繰り返す.
洗剤は酵素入りでも無しでもいいが,浸しすぎるとパーツが分解し始めるので,就寝中に中性洗剤処理を充てないようにしている.
全体的にパーツ間の連結が緩くなり始めるので,流水当てっぱなしは小パーツ紛失のリスクを伴う.
水を捨てる際には目の細かいザル等で一度水を濃したり,水交換の際はホネを水から引き揚げて水流に巻き込まれないようにする等,丁寧に取り扱う.

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Fig. 12 a) 中性洗剤処理,b) 乾燥の様子


ヒレが付いているパーツは全部吊り下げて,頭骨はバットに乗せて微風を当てつつ乾燥(Fig. 12b).

頭部のクリーニングは単調作業が好きな人には延々と続けられる楽しい作業だが,脂がどんどん酸化して黄色ないしは褐色に変色していくので,1日で完了させるか再度水ごと凍結して保管する.
変色後も脱脂と漂白である程度リカバーできることも多いが,変色前に脂を抜いておいた方が何かと楽なので…

趣味で獣の骨格標本を作っている人は結構多いが,魚のホネ取りは敬遠する人もいる.
理由を問うと,パーツが多くて面倒とか,華奢だからとかが主な理由のようだ.
Fig. 3は「マダイの頭部パーツのしおり的な何か」というフリーの写真集の一部なのだが,その編集時にパーツを数えてみたら,頭骨,胸ビレ・腹ビレ周囲のパーツを合わせて100近くあることが分かった.
魚種は違えど基本的なパーツ構成は変わらないので,バラけると組立が厄介ではある.
今回のシリーズも全部バラバラにして作業を進めても良かったのだが,そんなにサイズが大きくないし,ブログと並行して行うにはちょっときついので,できるだけ繋がった状態で作業を進めた.
軟組織が若干残ってしまうことと,入り組んだ場所の作業がしづらいのがネックだが,ふやかすことでポージングしやすいという利点は捨てがたいのである.

というわけで本日はここまで.続きを読む
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2022年06月27日

魚話その208 シン・リアルタイム骨取りその2 〜胴体の除肉するよ〜

●チカメキントキの全身骨格を例に

しばらく余裕があるかなと思っていたら,仕事帰りに寄ったスーパーで良い感じのチカメキントキを発見してしまったので,さっそく更新.


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Fig. 1 チカメキントキ(新潟産)

【注意!!!!!】
今回は除肉の回なので,解体中の写真が多数出てきます.
食用の魚類なので捌いている写真とほぼ一緒なのですが,血や内臓が苦手な方がいらっしゃるかもしれません.
それでもご覧になりたい方のみ以下の本文をご覧ください.
【注意!!!!!】






15年前に紹介した除肉法と異なるのは,パイプ洗浄剤や入れ歯洗浄剤,次亜塩素酸ナトリウムが含まれる塩素系漂白剤(ハイター)といった,趣味ホネ界隈で大人気の薬品や熱湯を使わなくなったこと.
熱湯のみ大型魚等の除肉では使用することもあるが,通常サイズの魚では熱湯もほとんど使わなくなってしまった.
除肉における薬品の使用は手軽で便利なのだけれど,魚においては歯やヒレの末端,鰓蓋骨の縁といった細かい/薄っぺらいパーツの脱落や損傷・変形が発生し(Fig. 2, 3),修復も大変という欠点も伴う.
なんだか逆行しているようだけれど,自宅に飾る時に格好良い方が嬉しいと言うことで,ここ10年くらいの間に手作業メインの除肉へとシフトした.

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Fig. 2 熱湯処理によるカサゴ類の歯抜け
歯が残っているイズカサゴ(上段)と歯が抜けたカサゴ(下段)
上下で種が異なるので厳密な比較にはならないのだが…歯が抜けてしまった時のイメージとして.
小さいパーツだけれど,抜けると結構目立つ上にナマズやカサゴのようなおろし金系の歯を持つ魚種は修復もはや不可能なレベル.


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Fig. 3 次亜塩素酸ナトリウム処理によるワカサギ尾ビレ軟条の破損
10倍希釈なので,人によってはかなり濃いと感じるかもしれないが…薄くても長時間放置しておくと同じことが起きるかもということで,参考程度に見てくださいな…
ちなみに軟条が数珠つなぎ状の構造物であるという性質上,除肉で用いられる薬品全般に発生しうるし,漂白で使用する過酸化水素水でも発生しうる.



1. 撮影
人によって記録方法は異なると思うが,メモなりスケッチなり写真なり,複数の方法でたくさん残していくのが良いと思う.
全貌が分かる良い感じ(に見える)写真1枚では肝心な場所(棘が鱗と同色で見辛い等)が不鮮明であったり,もう少し斜めから見たい…みたいなことも多々あったので,頻繁に撮るようにしている.
また,ホネや透明骨格標本が趣味の界隈でちょいちょい話題に出るが,完成後に魚種を同定するのは困難なので,除肉したい気持ちをぐっと抑え種同定と撮影は事前にきっちり済ませておく.
僕は黒いマスキングテープを三角形にカットし,種同定に必要な部位やパーツの連結具合等,何を撮りたかったのか判別できるようにしている(Fig. 4).

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Fig. 4 黒マスキングテープの活用
a) ニシン上神経骨(肉間骨の一種)の付け根部分を指している様子,b) 愛用している黒マスキングテープ(15mm幅)
大量に撮影し,時間が経過すると,撮影の意図が分からない写真が大量に発掘されることもある.
細かいパーツの付け根の把握や突起の位置など,背景に紛れて見辛いこともある.
そういった状況を回避するため,三角形にカットした黒い紙マスキングテープを愛用している(使い捨てにできるので便利).



僕は記憶力に自信がないので,1尾の除肉で数百枚は撮っている.
また,情報の記録ではないが,組立時にもう1尾用意して参考にするという方法もある.
資料はいくらあっても困らないので,骨格図が載っている文献等も事前に探しておく.
ただし,ウェブ上でたくさん見つかる国内外の個人作製の写真に関しては取り漏らしや破損もたまにあり,共倒れになる可能性があるため,鵜呑みにせず参考に留めている.


さて.
除肉開始.

2. 剥皮
背ビレの根元付近に刃を浅く入れ,前後に刃を走らせて背側の皮を切る(Fig. 5).
ピンセットで皮をつまみ,皮と筋肉の間に刃を滑り込ませ,背→腹に向かって皮を剥いていく.
調理で魚をおろすように肉ごと除去したくなる気持ちもわかるが,肉間骨の扱いが大きく異なるため,骨格の情報があまりない魚種での作業を想定して進めていく.
一番怖いのは肉間骨を傷つけることで,最初に皮剥きをしておけば力を入れなくても刃を進められるようになるため,華奢な肉間骨の存在にも気づきやすくなる.
胸ビレ周辺は肩帯のパーツが延びていることがあるので,無理に攻め込まなくていいし,剥製を作るわけでもないので,1枚皮にしなくてもいい.

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Fig. 5 剥皮の様子
a) 剥皮開始の様子,b) 左半身の剥皮が終わった様子



3.除肉
次に肛門から刃を入れ,腹ビレの付け根まで刃を進め,取れる分だけ内臓をを除去する(Fig. 6).
胸ビレ付け根の辺りから出血しがちなので,ティッシュを丸めて突っ込み,可能な限り血液や腹腔内液を吸い取る.
また,腹ビレの根元から後方にかけてヒレを支える骨が延びていることがあるので注意.

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Fig. 6 除去した内臓
食道や心臓は除去しづらいので,無理せず頭部を分断してから取っている.



皮と内臓を除去したら,再度背側から刃を入れ,いわゆる五枚おろしみたいに筋肉を切り取る(Fig. 7).
魚種にもよるが,鮮魚店のスズキ目魚類であれば肉間骨はシンプルな棒状が多いと思うので,背側から進めた刃先が肉間骨に当たったら刃を体表側に向け,背身を回収するように除肉する.
その後肉間骨列の少し腹側に切れ込みを入れ,肋骨や尾椎の血管棘に沿って刃を進め,腹身を回収するように除肉する.

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Fig. 7 側面の除肉
a) 上椎体骨の位置(点線部分),b) 除肉が済んだ様子,c) 肋骨(黒矢印)と上椎体骨(白矢印)



チカメキントキの場合は肉間骨として上椎体骨がちょろっと1列並んでいるだけなので作業しやすいが,ニシン目やサケ目魚類のように上神経骨や上肋骨,上椎体骨といった複数種類の肉間骨が1つの脊椎骨にくっついて筋肉の中に埋まっているので,除肉時に注意が必要.
ちょっと脱線するが,普段魚を食べた時に「背骨」と呼んでいるひと繋がりのホネを脊柱と呼んでおり,それぞれを構成する中心部のパーツ1つ1つを脊椎骨と呼ぶ.
そして,脊椎骨の左右にくっついているのが肋骨や肉間骨(上椎体骨,上肋骨,上神経骨等)で,これは魚種によって有ったり無かったりする.
脊柱は頭のすぐ後ろ〜内臓が収まっている辺りまでは肋骨がくっついており,その一群を腹椎,それより後ろ側を尾椎と呼ぶ(Fig. 8).
正確には腹椎と尾椎は横突起の有無や血道弓門の有無で分けられるのだが,長くなるので今回は省略.

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Fig. 8 a) バショウカジキ全身骨格と腹椎・尾椎,b) ニシン腹椎,c) ニシン尾椎,d) ティラピア腹椎,e) ティラピア尾椎
1. 上神経棘 2. 神経棘 3. 上神経骨 4. 椎体 5. 上椎体骨 6. 上肋骨 7. 肋骨 8. 血管棘
b〜eはいずれも右斜め前方より撮影.



ここまで除肉できたら,脊柱がかなり露出していると思うので,刃物の先端を脊椎骨に刺して連結部分を探し出し,頭部に近い脊椎骨を数個残して(組立の際に説明予定)胴体と分断し,水とともに頭部を凍らせ,一時保管しておく(Fig. 5).
頭部は時間がかかるので,僕の作業スピードだと平日は胴体と頭部の両方はちょっとキツい.

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Fig. 9 a) 頭部/胴体の分断,b)頭部の保管



これで胴体クリーニングにに集中できるようになった.
脊柱の神経棘・血管棘の間に残った肉はスパチュラ等で削ぎ取る(Fig. 10a).
間の膜は薬品処理時に脊柱や鰭がバラける事故を防ぐため残しておき,漂白後に除去している.
また,可能であれば脊髄や血管もピンセットや歯間ブラシ等を使って取り除いておく(Fig. 10b).

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Fig. 10 a) スパチュラによる除肉,b) 脊髄の位置(上の黒三角)と血管の位置(下の黒三角)


肋骨と肉間骨はそれぞれの隙間に刃を入れ,少しゴツめのギザ付ピンセットで根元を押さえ,先端に滑り止めがついていないピンセットで根元から先端に向けてしごいてやると,肉がほぐれて除肉しやすくなる(Fig. 11).
複数本まとめてやろうとしたり,根元を押さえずに1本のピンセットだけでしごくと,ホネが抜けてしまうので注意が必要.
また,骨表面にピンセットが直接当たると傷がついてしまうので,小さいハサミやメス等でチマチマ除肉したり,脱脂と漂白後に肉をふやかして爪でしごくこともある.

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Fig. 11 a) 肋骨除肉前,b) 肋骨周辺の除肉の様子,c) 肋骨除肉後


ここまでの作業が終わったら,冷水を何度か交換しつつ数時間漬け,血抜きを行う(Fig. 12).
温水だと血液が固まるだけでなく,パーツ分解のリスクがあるので注意が必要だ.

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Fig. 12 血抜きの様子


長時間浸しておくと雑菌が繁殖して腐敗したり歯や軟条が脱落していくので,数時間で回収している(就寝中に放置していて何度か失敗した).
最後にアンコウの吊るし切りのごとくフックでどこかいい感じの場所にぶら下げ,ごく微風の風を当てて乾燥(Fig. 13a, b).

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Fig. 13 a) 乾燥の様子,b) 乾燥に用いている卓上扇風機


バットに寝かせておいても良いが,長いヒレの魚をバットに寝かせて乾燥させていたら軟条の末端がバットに張り付いてブツブツ切れてしまったことがあったので,それ以来鮮度が良く軽い魚に関しては吊るして乾燥するようになった.
タチウオのように長い魚の場合は,くるくるとロール状にして脱脂用の容器形状に合わせて乾かすのもありだ.
ただし,この時も軟条末端の破損が怖いので,竹ひごなどで容器の壁面と密着しないようにする(Fig. 14).

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Fig. 14 壁面から浮かせつつ容器形状に合わせて乾燥させている様子(タチウオ)


疲れたので今日はここらで終了.
posted by osakana at 19:00| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月25日

魚話その207 シン・リアルタイム骨取りその1 〜使用している器具や薬品など〜

●チカメキントキの全身骨格を例に


Twitterって楽しいね.
このブログをガシガシ書いていたのはn年間続いた大学院生の頃で,最後の年は卒論的なやつとか投稿論文的なやつとか社会人デビュー的なやつとか引っ越し的なやつがてんこ盛りに入ってきて,ずいぶん疎遠になってしまった.
また,社会人になってからだいぶん魚のホネにどっぷり浸かってしまったこともあり,ブログネタの多様性を維持兼ホネ情報供養の場として始めたTwitterの手軽さにやられ,ブログの更新が途絶えてしまった.

さて.
今から15年前に「リアルタイム骨取り」というタイトルで魚の全身骨格作製の様子を公開した.
あれから手法は変化し,最近になってようやくひと段落ついた気がしている.

sb207_Fig.1.jpg
Fig. 1 ミノカサゴの全身骨格
2009年作製(下段)と2019年作製(上段)



というわけで,改めて現在行っている手法を公開してみようかなと思う.
今回は特に,「〜しよう」という語尾は注意点以外では使わず,実際の作業を説明する場合は「〜している」と意識して表記するようにしている.
あくまで「皆さんもこの方法で魚のホネ取りをやりませんか?」ではなく,どうやってホネ取りしているのかという質問に対し「僕はこういう手順でホネ取りをしていますよ」というスタンス.

そもそも基本的に魚の骨格標本を作ろうとしてこのサイトに辿り着く人の多くは,いろいろ詳しい方が多そうだし,ホネ取りハウツーサイトも検索でいっぱいヒットするので,今更書いてもなあ…という気もしているので.
気になる部分があれば,ツッコミやら質問なぞをコメント欄等にいただければ幸いである.

現在僕が行っている作業フローはこんな感じ.

sb207_Fig.2.jpg
Fig. 2 作業フロー


使用している道具と薬品は以下の通り.
状況に応じて適宜追加・省略しているが,割と毎回使う感じのリスト.


1. 道具

sb207_Fig.3.jpg
Fig. 3 使用している道具
1) バット,2) 手袋,3) ハサミ,4) ピンセット,5) スパチュラ,6) バット,7) ブラシ,8) キムワイプ


道具に関して補足
1) 以前はステンレス製のバットを多用していたのだが,刃先の傷みが早い気がするのとサイズ展開の多様さから,最近はPP(ポリプロピレン)製を使用している.
魚のサイズに応じ大小あると便利.
2) 基本的に食用魚のホネ取りしかしてないのだが,手に臭いや汚れがつくと他の作業と並行してできないし,有害な薬品や死体を扱う時に手袋慣れしておきたいという目的も込みで.
3) よく切れるものを.
4) 僕は除肉時用に鉤付きと頑丈なのを計3本,組立用に1本使用している.
ホーザンの強力ピンセットシリーズの2本使いを始めてから皮や鰓等の除去が格段に楽になったので,ずっと愛用している(Fig. 4a).
メーカーや品番を指定するつもりはないけれど,除肉時はヌルつく肉や皮をしっかり掴めることが重要なので,内面がギザギザもしくは鉤付きを使用(Fig. 4b).
組立時は内面が平滑な精密ピンセットを使用しているが,食卓で見かけるサイズの魚であればそこまでの精度はいらない.
5) 除肉時に肋骨の間等のクリーニングに使用している.マグロのすき身を取るような感じで使用.
6) カッターナイフやデザインナイフ等で代用可.
ただし,カッターは構造上どうしても刃がガタつくので,通常サイズの魚であれば僕はあまり使わない.
交換式ではない上にかなり割高だが,ホームセンターや模型店で超精密ナイフ的な商品名でメスと同じ商品を入手できたりする.
7) 隙間の洗浄や,脳をほじくり出すのに使用.
8) キッチンペーパータオルやキムワイプ等,状況に応じて適宜使用.


僕は学生時代から使い慣れた解剖器具を使用しているが,精度はそこまで必要ではないため,ホームセンターや100均等で購入できる商品でも代用可能だ.

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Fig. 4
a) ホーザンの強力ピンセット(左)と通常のピンセット(右)の厚み比較,b) 有鉤ピンセット先端部の拡大



2. 薬品

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Fig. 5 使用している薬品
1) オキシドール,2) 無水エタノール,3) アセトン(無理に買わなくて良い),4) ベンジン(無理に買わなくて良い),5) 接着剤

1) 漂白用の薬品.
脱脂がしっかりできていれば再利用可能なので,最近はタッパーに溜めて使っている(ねじ蓋容器だと圧を逃がせないので危険).
薬品同士の混合で爆薬ができてしまうリスクを孕んでいるので,脱脂で有機溶剤を使う人は,溶剤をホネからきっちり揮発させてから使用すること.
2)〜4) 脱脂用の薬品.
いずれの溶液も互いに混ざらぬよう,しっかり洗浄もしくは風乾する.
有機溶剤の使用量をとにかく抑えたいので,アセトンやベンジンでなくても抜ける脂等を事前に抜いてしまう作戦.
魚種やホネの状況,使用環境によってはエタノール以降の有機溶剤は使用しないこともある.
5)組立用の接着剤.

Fig. 2にも書いたが,脱脂薬は使用時・保管時・廃棄時のいずれにおいても適切な環境での管理が必要となる.
内臓へのダメージが蓄積したり,薬品同士が混じって爆発物ができたり,火災が発生したり等々そこそこ生命と重大事故に関わるリスクを孕んでいる.
一応紹介したものの,アセトンやベンジンといった有機溶剤は無理に使わなくてもいいと思っている.
部活動で顧問の先生にサポートしてもらえる人,もしくは自分で稼いだ金で薬品を買えるようになってから(その頃には社会的責任が備わっていると思うので)でも良いかなと個人的には思っている.
事情を把握していない,ホネにも薬品にも興味がない親に「なんか事故った/捨て方わからん廃液出たんだが…」と丸投げするのも酷なので.

また,住んでいる市町村や,薬品の種類・量によって廃棄方法等も変わってくるので,ここでは「各自の責任で事前にしっかり調べて!」とだけ書いておく.
試薬であれば,SDS(Safety Data Sheet)という薬品の説明書みたいなものが入手できる(Fig. 6).
「ネット上の詳しい人」はたくさんいるが,事故発生時に連絡が取れるという保証もなく,現場の様子から判断することもあると思うので,ネット上でなくリアルで身近にいる詳しい人を確保しておいた方が良い.
魚のホネ取りより試薬に詳しいという人の方が多いはずなので,それだけでも十分なヘルプになる.

sb207_Fig.6.jpg
Fig. 6 安全データシート(SDS)に記載されている項目


3. 作業環境


我が家は工作とホネ取りを行う部と生活スペースとは分けており,作業部屋には局所換気装置を追加することで除肉時や薬品処理時の臭気対策を行っている(Fig. 7).
また,食品と混ざって食中毒を起こさぬよう冷凍庫も別に用意している(Fig. 8a).

sb207_Fig.7.jpg
Fig. 7 我が家の作業環境 
a) ホネ取り兼工作部屋全貌,b) ホネ取りエリア,c) 除肉中に換気装置を使用している様子


sb207_Fig.8.jpg
Fig. 8 a) ホネ用冷凍庫兼資材部屋,b) 冷凍保管の様子 c) 8年前に水ごと冷凍した魚のヒレの様子


ホネの対象として想定しているのは,20〜30cm程度のスズキ目魚類辺り(鮮魚店で夕飯用に並んでいる魚).
ウナギなどのにょろり系,サケ類,イワシやニシン類辺りの魚類は純粋にパーツ数が多いので,全身骨格は面倒だ.
軟骨魚類も収縮と変形が酷く,今回紹介する方法とは別の方法で作業することになるのでパス.
それだけ注意すれば,別に例示した魚にこだわる必要はなく,食事の時に『骨が硬い』と感じた魚なら(多分)大丈夫だと思う.
除肉作業は地味に時間を食われるので,タイミングが合うまで冷凍保管しておくのもありだが,作業日程が延びるようであれば冷凍焼けを防ぐため,水と一緒に凍らせる等,冷凍焼け対策をしておく(Fig. 8b, c).

準備で疲れたので,一日目終了.


そうだ,一応リアルタイムという言葉は入っているけれど,執筆と画像編集の時間分のラグは勘弁してくださいまし.
posted by osakana at 14:24| 千葉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

魚話その206.5 マダイ天獄〜ケータイグラビア編〜

本文は…ちょとまててください…

ちなみにウェブブラウザで閲覧するより,一度ダウンロードしてからPDF閲覧ソフトで見た方が見やすいと思います.

まだ試作段階なので,なにか感想や誤植があればこっそり(優しく)教えてくださいませ.

下記内容についてご理解・ご了承いただけた方のみ,個人的にご利用ください

【ダウンロード前の注意】
・素人が趣味で作成した資料なので,鵜呑み厳禁です
・ウェブ配布の特性を活かし,ファイルを随時更新するつもりなので,二次配布/二次使用しないでください
・作製は全て個人で行ったため,誤表記が残っている可能性は多分にあります
・万一トラブルが発生しても,補償できません
・個体差は多々あるので,これが正解というわけではありません


マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.133)
madai_smartphone_ver.1.133.pdf



マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.132)
madai_smartphone_ver.1.132.pdf



マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.131)
madai_smartphone_ver.1.131.pdf



マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.13)
madai_smartphone_ver.1.13.pdf


マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.12)
madai_smartphone_ver.1.12.pdf


マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.11)
madai_smartphone_ver.1.11.pdf


マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.10)
madai_smartphone_ver.1.1.pdf


旧バージョン マダイ頭部パーツのしおり的ななにか(スマホ版)(Ver. 1.01)
madai_smartphone.pdf
posted by osakana at 00:19| 千葉 ☔| Comment(0) | 魚話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月25日

2018年10月25日の更新状況

2018年10月25日の更新状況
『魚話その194』の参照文献のリンクを追加しました.

2017年07月28日の更新状況
『魚話その157』をに画像を追加しました.

2017年06月28日の更新状況
『魚話その206』のDL用ファイル名が文字化けしてたので,『マダイ頭部パーツのしおり的ななにかver.1.1.pdf』という日本語表記から『madai_shiori_ver.1.1.pdf』に変更しました.
内容に変更はありません.

2017年06月27日の更新状況
『魚話その206』をアップしました.
ちょいと重いですが,『マダイ頭部パーツのしおり的ななにか』ダウンロードできます.
うう…1年ちょいぶりの記事更新か…

2017年02月26日の更新状況
『魚話その202』に掲載していた『マダイの頭部骨格の分類フロー Ver. 2』を作製・ダウンロードできるようにしました.


2016年02月28日の更新状況
『魚話その205』に図と動画を1つずつ追加し,誤字をちょいと修正.


2016年02月27日の更新状況
『魚話その205』をアップしました.


2016年02月24日の更新状況
『魚話その204』をアップしました.


2016年01月20日の更新状況
『魚話その202』『魚話その203』のダウンロード前のお約束ごとを一部修正しました(二次使用しないでね的な)


2016年01月18日の更新状況
『魚話その203』をアップしました.



Twitter始めました→こちら



























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